中井精也のエンジョイ鉄道ライフ「ジョイテツ!」
また訪ねたい海外の思い出「ジョイテツ! in the World」vol.03 イタリア編(その1)
2021年3月10日 09:00
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が延長されてしまいましたが、今は我慢のとき。感染拡大が収束したときに再び訪ねたい、想い出に残る海外の撮影地を、撮影エピソードとともにご紹介しています。
今回はイタリアのターミナル駅と新幹線をご紹介します! 写真はミラノ中央駅に停車中のイタリアの新幹線「Italo」。ホームに停まっている電車を撮るだけでここまで絵になるってスゴいでしょ?
この芸術的な建物がミラノ中央駅です。その歴史は古く、開業はなんと1864年。その頃の日本と言えば江戸幕府が長州征伐をしている頃なので、文化的な歴史の違いを実感してしまいます。みんな見慣れているのか、スタスタと行き来していましたが、建物の精緻な造りと、その規模感の大きさに、圧倒されてしまいました。
ミラノ中央駅の魅力は、駅舎だけではありません。一番の見どころは、プラットホームを覆う「トレイン・シェッド」の美しさでしょう。ヨーロッパのターミナルではよく見られる設備ですが、ミラノ中央駅のトレイン・シェッドは支柱が少なく、さすがイタリアともいえる優雅さ。何度も訪ねていてその規模感の大きさは知っているのに、ホームに降り立つたびに、その大きさに圧倒されてしまいます。下に小さく写っている列車のサイズと比べてみると、その大きさが伝わると思います。
ミラノ中央駅は、とにかくどこを撮っても絵になります。駅名板を撮っても、時刻表を撮っても、映画のワンシーンのように見えちゃうからズルい! ちなみにヨーロッパの駅は改札がなく、誰でも自由にホームに入れるところが多いですが、ミラノは万博を機にテロ対策で検札が行われるようになりました。日本と違い入場券はないので、列車に乗らない場合は、近くまでの切符を購入する必要があります。ちなみに改札から出るときは、検札はありません。
イタリアの車掌さんはこんなにもキュート。カタコトの英語で話しかけると、「いい旅を!」って笑顔で微笑んでくれました。惚れてまうやろ(笑)
ヨーロッパの駅は、ワンコも一緒に旅することができます。そのかわり良くしつけられているのか、粗相をするワンコがいないのにも感心してしまいます。写真は「ヘイ!彼女!俺と旅しないかい?」ってナンパしてたフレンチブルドッグが、ソッコーでフラれた? ワンシーン。イタリアではフランス人(犬)はモテないのかな(笑)
ミラノ中央駅の最後のカットは、雨のワンシーン。かなりの雨が降っていたので、雨に濡れるミラノ中央駅を撮りたかったのですが、みなさんご存知のとおり、雨は簡単には写真に写ってくれません。そこで地面にカメラを置いて、置きピンした位置に運良く雨が落ちることを祈りながら、連写撮影! 結果はいい位置に雨が落ちてくれたことでみごとな水冠が写り、雨の臨場感たっぷりの作品になりました。走り去るItaloのテールランプが、旅情をそそります。
せっかくなので走行する新幹線を撮りたい! ということでGoogle マップを駆使して、良さそうな場所を探します。そして見つけたのが、フィレンツェとボローニャを結ぶ高速新線にあるこのポイント。日本の新幹線は線路の両側に高い塀があり撮影しづらいですが、ヨーロッパでは最近完成した新線でも簡単な柵しかなく、ご覧のように在来線のような風景写真も撮ることができます。まるで美瑛の丘の風景のなかを新幹線が走る素敵な風景なのですが……
スーパー粘土質なのか、道を歩いているだけで靴に粘土のような泥がへばりつき、歩くことすら困難な状態に(笑)かっこ悪いけど、ゴミ袋を両足に巻いて移動しました。この姿にはときおりトラクターで通る地元のおばちゃんも、大笑い。トホホ。
そんな苦労もあって、撮れたのがこちらのカット。高速で丘から飛び出す列車を捉えて、1/15秒で流し撮りしました。真紅のボディーを輝かせて、イタリアの農村地帯を駆け抜けるItaloは、赤い矢のようにシャープで、美しかったです。次回はイタリアのサルディーニャ島のローカル線をご紹介します!
中井精也からのお知らせ
中井精也のZoom講演会 参加者募集中
政府による緊急事態宣言の発出を受け、三ノ輪橋にある「ゆる鉄画廊」は休館中。コロナ禍で思うように外出ができない今、何かできないかを考え、Zoomウェビナーを使ったオンライン講演会「ゆる鉄画廊オンライン」を開設しました。人と接触することが難しい時代だからこそ、ステイホームしながら写真を楽しみ、チャットやQ&Aなどの機能を使ってコミュニケーションもとれる新しい講演会をどうぞお楽しみください。
通常のZoomミーティングではなく、Zoomウェビナーはホストである僕が一方的にプレゼンをするスタイルですので、視聴者であるみなさんの姿はカメラに映りません。リラックスしながらご視聴いただけます。パソコン、タブレット、スマホなどの端末とインターネットに接続できる環境であれば、どなたでも簡単に視聴できます。
金額は1,000円。予約システムの関係で、クレジットカード決済(MasterCard、VISA、AmericanExpress)のみとなります。オトクな5回分の回数券も設定しています。
現在募集中の講演会(近日開催のもの)
3月10日(水)20時〜21時「夢と希望の三陸鉄道 Part.2」
https://coubic.com/fotonakai/928482#pageContent
東日本大震災から10年。大災害に負けず前を向いて走り続ける列車の姿は、コロナ禍のいま、より輝いて見えます。Part.2では、震災直後から2014年までの作品を振り返ります。
3月13日(土)20時〜21時「お花見列車で行こう!東日本編」
https://coubic.com/fotonakai/451336#pageContent
コロナ禍にあり、なかなか撮影に出かけられない今、列車とお花の風景を眺めながら、お花見しませんか? 大好きな飲み物でも用意して、百花繚乱の鉄道風景をリラックスしながらお楽しみください! 東海地方から北海道までの桜の名所をご紹介します。
3月14日(日)20時〜21時「夢と希望の三陸鉄道 Part.3」
https://coubic.com/fotonakai/839339#pageContent
東日本大震災から10年。大災害に負けず前を向いて走り続ける列車の姿は、コロナ禍のいま、より輝いて見えます。学生時代に撮影した国鉄時代の風景から、最近のリアス線作品まで、一気に振り返りたいと思います。
そのほか最新情報はブログ「1日1鉄!」でご確認ください。
https://ameblo.jp/seiya-nakai/
視聴方法はコチラ(PDF)