雨上がり、足下に見つけた水たまりに目の前の情景を閉じ込めた。凜と張り詰めたイメージを表現するためホワイトバランスは白熱電球にし、2分割のシンメトリー構図で撮影した(中原一雄)
キヤノン EOS 5D MarkII/ EF24-70mm F4L IS USM 本日4月20日発売の「デジタルカメラマガジン2015年5月号」では、「美しき青の世界」を特集。さまざまな写真家が、時間、光線、機能、現像の4テクニックを駆使し、魅惑的な青色の世界を表現します。デジタルカメラで“青”を作り出す技術とは? その秘密を惜しげもなく披露しました。
特集「美しき青の世界」のうち、中原一雄さんが担当した「青色を乗せて作るバーチャルな世界」より、その一部をご紹介しましょう。
以下の記事は、デジタルカメラマガジン2015年5月号より抜粋・再編集したものです。
雨の日の水滴。ピクチャースタイル風景で鮮やかな青に
キヤノン EOS 5D Mark II / EF24-105mmF4L IS USM / 105mm / 絞り優先AE(F4、1/80秒) / ISO500 / WB:白色蛍光灯(G5) / 時間:12時 /ピクチャースタイル:風景/天気:雨 ●雨の日にビニール傘を利用する
●ピクチャースタイル風景で鮮やかな青に
●ピントは水滴に合わせF4で背景をぼかす
青色をより強調するにはピクチャースタイルを風景にする。風景モードは青色の彩度が上がるため、青空以外の青も鮮やかになる。この写真のように青の成分が多い写真は青の印象が強まる。
望遠で背景を青空に。ホワイトバランスと露出補正で青を強調
キヤノン EOS 7D Mark II / EF70-200mm F4LISUSM /180mm(288mm相当)/ 絞り優先AE(F6、1/6,400秒、-1.3EV) / ISO200 /WB:白色蛍光灯/ 時間:15時 ●望遠レンズで青空を順光で切り取る
●WBを白色蛍光灯にして青く
●露出補正を-1.3EVして青くする
望遠レンズで背景を青一色にして切り取るという方法もある。色は一般的に輝度が落ちると濃く見える。そのため、暗めの露出の方が濃い色を表現できるので、-1.3EV露出補正した。特に、青空は元々明るい被写体なので露出補正しないで撮ると色が薄くなってしまう。順光方向の空を狙うとよい。
多重露出で青空を合成
●多重露出モード
●青空を撮影
●銅像の写真を重ねて撮影
多重露出で青空を重ねるとあたかもブルーのフィルターを装着して撮影したような写真になる。多重露出モードにして1枚目は全体をピンぼけさせた空の写真を撮影し、銅像に加算平均で重ねて、色だけでなく、青空の部分に銅像が、ぼけた街路樹のボケによる質感もプラスした。
1枚目:キヤノン EOS 5D Mark III / EF24-105mm F4L IS USM / 97mm / 絞り優先AE(F5.6、1/1,000秒、+0.7EV) / ISO200 / WB:白色蛍光灯 / 時間:15時 /多重露出モード 2枚目:キヤノン EOS 5D Mark III / EF11-24mmF4L USM / 14mm /絞り優先AE(F11、1/1,600秒、-1.0EV) / ISO400 / WB:オート / 時間:15時50分 /多重露出モード ◇ ◇ ◇こんな感じで、総勢12名の写真家による「青のテクニック」が紹介されています。デジタルカメラで作る素敵な青の世界、みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。