ニコン、オプションでスマホへの画像転送が可能になる「D3200」
ニコンは、デジタル一眼レフカメラ「D3200」を5月下旬に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は、ボディのみ8万5,000円前後、レンズキットが9万5,000円前後、ダブルズームキットが12万円前後の見込み。ボディカラーはブラックとレッド。
レンズキットには標準ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR」が含まれる。ダブルズームキットには、レンズキットの構成に加えて「AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6 G(IF)」が付属する。
D3200レンズキット。AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VRが付属する |
D3200ダブルレンズキット。AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VRとAF-S DX VR Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6 G(IF)が付属する |
2010年9月にニコンが発売した「D3100」の後継モデルで、同社のデジタル一眼レフカメラのラインナップ中、エントリークラスを受け持つ。小型軽量ボディ、ガイドモードといった特徴をD3100から引き継いでいる。
なお、D40以来のニコンエントリークラスの伝統で、本機もAFが作動するのはAF-SレンズまたはAF-Iレンズを装着したときのみとなる。
■エントリークラスながら、有効約2,416万画素CMOSセンサーを採用
D3100からの最大の変化は、撮像素子の有効画素数が約1,420万画素から約2,416万画素に引き上げられたこと。「クラストップレベルの画素数」としている。常用感度はISO100-6400。拡張感度は最大ISO12800相当。12bitでのRAW記録も可能。
画像処理エンジンは「EXPEED 2」から、D4など最新モデルが採用する「EXPEED 3」になった。ダイナミックレンジの拡大、アクティブD-ライティング時の色再現の向上、高感度撮影時の滑らかな階調などを実現したという。人物の肌色もより忠実に再現するという。
有効約2,416万画素のCMOSセンサーを採用する | センサーユニット |
画像処理エンジンはEXPEED 3 | ASIC基板 |
動画機能のDムービーは、D3100から引き続き1,920×1,080ピクセルでのフルHD記録に対応。ただしフルHD時の最大フレームレートが、D3100の24fpsから30fpsに引き上げられた。圧縮方式はH.264。音声はリニアPCMで、内蔵マイクはモノラル。
また、動画記録時には露出のマニュアル設定(シャッター速度およびISO感度)が可能になった。ターゲット追尾AFによる動体追尾も可能。さらに今回から、シャッターボタン左下に動画ボタンが追加されている。
液晶モニターは3型約92万ドット。D3100は3型約26万ドットだった。
記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカードに対応。Eye-Fiにも対応し、液晶モニターにはEye-Fi通信中のマークが表示される
バッテリーは引き続きEN-EL14を採用する。CIPA規格準拠の撮影可能コマ数は約540コマ。
連続撮影速度は最高約4コマ/秒(フォーカスモードがマニュアルフォーカス、撮影モードがシャッター優先オートまたはマニュアル、1/250秒以上の高速シャッタースピード、その他が初期設定時)。D3100は同条件で最高約3コマ/秒だった。AFポイントは11点で変化なし。ライブビュー時には顔認識AFも利用できる。
内蔵ストロボも引き続き搭載。ガイドナンバーは約12(ISO100・m)。
420分割RGBセンサー | AFセンサー |
シャッターユニット | 撮影モードダイヤル |
ファインダー内表示。AFポイントは11点 |
D3100の特徴のひとつ、ガイドモードの項目も増えている。新たに「背景をぼかして撮る」「夕日を赤く撮る」「明るい雰囲気で撮る」「落ち着いた雰囲気で撮る」「ブレを防いで撮る」「画面表示と音の設定」「外部出力の設定」「再生画面設定」「時計と言語(Language)」が加わった。表示されるガイドに従って操作することで、各種の設定が行なえる。
D3100からガイドモードを継承。新しいガイドが増えた |
おなじみの情報表示画面。縦位置表示にも対応する |
外観ではD5100、D4、D800、D800Eと同様、グリップ上側のレッドラインが斜め上に走る三日月状のデザインとなっている。
外形寸法は約125×96×76.5mm。D3100とほぼ変わらない。質量の約455g(本体のみ)および約505g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディキャップは除く)もD3100と数値は同じ。
AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VRを装着した状態 | |
AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VRを装着した状態 | |
AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6 G(IF)を装着した状態 |
ステレオマイクロフォンME-1を装着 |
■D3200の主な仕様(D3100と比較)
名称 | D3200 | D3100 |
フォーマット | DX(APS-Cサイズ相当) | |
有効画素数 | 約2,416万画素 | 約1,420万画素 |
イメージセンサークリーニング | ○ | |
ライブビュー | ○ | |
液晶モニター | 3型約92万ドット | 3型約23万ドット |
ファインダー視野率 | 約95% | |
ファインダー倍率 | 約0.8倍(50mm F1.4レンズ使用時) | |
アイポイント | 18mm | |
最高シャッター速度 | 1/4,000秒 | |
AFポイント | 11点 | |
最高連続撮影速度 | 約4コマ/秒 | 約3コマ/秒 |
動画記録(最大) | 1,920×1,080/30p | 1,920×1,080/24p |
記録メディア | SDXC/SDHC/SDメモリーカード | |
外形寸法 | 約125×96×76.5mm | 約124×96×74.5mm |
質量(本体のみ) | 455g |
※最高連続撮影速度は、フォーカスモードがマニュアルフォーカス、撮影モードがシャッター優先オートまたはマニュアル、1/250秒以上の高速シャッタースピード、その他が初期設定時
■オプションでスマートフォンへの画像転送も
また、スマートフォンなどに撮影画像を送信できる新アクセサリー、ワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」(5月下旬発売)に対応する。WU-1aの価格は5,250円。
ワイヤレスモバイルアダプターWU-1a | D3200への装着例 |
D3200のUSB/オーディオビデオ出力に取り付けて使用する製品で、専用アプリを介してAndroid OS 2.3系のスマートフォン、Android OS 3.x系のタブレット端末に撮影画像を転送できる。専用アプリの名称は「Wireless Mobile Adapter Utility」。WU-1a、Android端末間の通信には、IEEE802.11b/gを用いている。
2012年秋にはiOSにも対応する予定。
画像転送だけでなく、Android端末のディスプレイをカメラの液晶モニター代わりとし、自由なアングルで撮影できるリモート撮影機能も有している。
現在のところ、D3200以外の製品では使用できない。
外形寸法は約18×21×10mm、質量は約3g。
リモート撮影機能を試しているところ。画面内の上部にライブビュー、下部にシャッターボタンが設けられている |
なおD3200は、発売済みのGPSユニット「GP-1」も使用できる。
GP-1の装着例 |
2012年11月8日:連続撮影速度(連写性能)に関する記述を変更しました。
2012年4月19日:製品画像を追加しました。
2012/4/19 13:38