パナソニック、エフェクト数業界最多の「LUMIX DMC-GF5」


 パナソニックは、マイクロフォーサーズシステム規格に準拠したエントリー向けのノンレフレックスカメラ「LUMIX DMC-GF5」を4月26日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は、ボディのみが5万5,000円前後、パワーズームキットとダブルレンズキットがどちらも8万円前後の見込み。

 キットの付属レンズは、パワーズームキットが「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.」。ダブルレンズキットが「LUMIX G 14mm F2.5 ASPH.」および「LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」となっている。

 本体色は、ホワイト、ブラウン、ブラック、シャンパンゴールドの4色。

ホワイトブラウン
ブラックシャンパンゴールド

 なお、ホワイトおよびシャンパンゴールドのダブルレンズキットに含まれるLUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.は、鏡筒がシルバーの特別モデルになる。同キット以外は従来通りガンメタリック。


カメラらしい高級感が加えられたボディ

 同社が2011年7月に発売した「LUMIX DMC-GF3」の後継機。LUMIX Gシリーズ最小のボディデザインをブラッシュアップすると同時に、新型の撮像素子を搭載。さらに液晶モニターを高精細化した。

 ボディサイズはDMC-GF3と同等。特徴的なラウンドフォルムを継承しつつ、直線を取り入れることでシャープな印象を与えるシェイプになった。女性ユーザーが志向するカメラらしい本物感をとり入れたという。

ホワイトブラウン
ブラックシャンパンゴールド

 グリップもボディと同色の金属製から、エラストマー(ブラウン、ブラック)、触感塗装(ホワイト、シャンパンゴールド)に変更。サイズも大きくなり、ホールディング性が格段に良くなっている。

 また、ボディ背面のボタンやコントロールホイールには、LUMIX DMC-GX1のようにメッキが施されている。ボタンのサイズも大きくなり、コントロールホイールのクリック感も向上した。

 背面にはDISP.ボタン、Q.MENU/Fnボタン、再生ボタンなども装備。DMC-GF3でDISP.ボタンは、タッチパネルインターフェイスに収められていた。


新センサー、新エンジンを搭載

 撮像素子は、有効約1,210万画素の4/3型Live MOSセンサー。スペックはDMC-GF3のものと同じだが、新型のセンサーのため、高感度撮影時における低ノイズ化を実現したという。Live MOSセンサー専用の高感度、低ノイズプロセス、低ノイズ画素信号読み出し回路、除去回路を新たに開発したとしている。

 最高感度はISO12800(拡張)。アスペクト比は4:3。引き続きRAWでの撮影も可能だ。

 画像処理エンジンも新タイプの「Venus Engine VII HD2」になった。撮影時にはマルチプロセスNRと3DNRが作動。平坦部とエッジ部、明部と暗部を判別し、画像全体に最適なノイズリダクションをかける。全体のノイズを抑えながら、立体感も表現するとしている。

 ちなみに連写時にはマルチプロセスNRのみが働く。処理速度を重視したためで、撮影画像それぞれの明るさに合わせ、複数回に分けてノイズリダクションを行なう。

 新撮像素子と新エンジンの効果により、DMC-GF3のセンサーに対し、ノイズ量を最大3割カットできたという。

 液晶モニターは、アスペクト比3:2の3型約92万ドット。DMC-GF3は同サイズながら約46万ドットだった。

 引き続きタッチパネル機能を搭載。タッチAF、タッチシャッターを利用できる。AF速度は0.09秒。

 連写性能はフル画素で約4コマ/秒。DMC-GF3は約3.8コマ/秒だった。

 動画記録のトピックは、DMC-GX1と同じく、AVCHD以外にMP4形式での記録が可能になったこと。従来はAVCHD、またはMotion JPEGだった。MP4でも1,920×1,080ピクセル/30fpsでの記録が可能。また、内蔵マイクはモノラルからステレオになった。

 DMC-GF3から内蔵ストロボを継承。ガイドナンバーは6.3(ISO160・m)。

 LUMIX DMC-GX1で取り入れられた電子水準器の搭載は見送られている。


シーンにあわせておすすめのエフェクトを表示

 液晶モニターの高精細化にあわせ、メニュー画面のデザインも一新。背景に撮影した写真を設定したり、カラーテーマを施すことが可能になっている。

 カメラ内エフェクト機能の「クリエイティブコントロール」には、ソフトフォーカス、ダイナミックモノクロ、インプレッシブアート、ワンポイントカラー、クロスプロセス、クロスフィルターを搭載。従来の8種類から、一気に14種類に増加した。業界最多としている。

 このうちインプレッシブアートは、非現実的な明暗表現で劇的な効果を与えるエフェクト。オリンパスのアートフィルターでいうところのドラマチックトーンに近い。

 クリエイティブコントロールそれぞれには、調整項目が設けられている。例えばソフトフォーカスならボケ具合、ダイナミックモノクロやインプレッシブアートにはコントラスト、ワンポイントカラーなら色の範囲といった具合。クロスプロセスの場合は、緑、黄緑、黄、赤から選べる。

 新機能としては、おまかせiAモード時に働く「おすすめフィルター」機能が特徴的だ。iAシーン判別が終わるとおすすめのクリエイティブコントロールのアイコンが現れるのでそれをタッチ。シーン認識時に色や顔判定を行ない決定しているようで、シーンに最適なフィルターのみを表示するという。アイコンをタッチしなければ、通常通りエフェクトのない状態で撮影できる。

 「シーンガイド」も本機からの新機能。「夕暮れを幻想的に撮る」、「夜空をクールに撮る」など、用意された23種類の想定シーンを選択すると、ワンポイントアドバイスやシーンに合わせた設定の手順などがテキストで表示される。OKボタンを押すと、その設定での撮影が可能になる。

 なお、ストラップの取り付け穴が広がり、一般的なテープ幅のストラップが取り付け可能になった。外形寸法は約107.7×66.6×36.8mm。本体のみの質量は約225g。


主な仕様

製品名DMC-GF5DMC-GF3
撮像素子4/3型Live MOSセンサー
(新型)
4/3型Live MOSセンサー
有効画素数新1,210万画素
ISO感度ISO160-12800(拡張)ISO160-6400
連写性能(フル画素)4コマ/秒3.8コマ/秒
動画AVCHD、MP4AVCHD、Motion JPEG
マイクステレオモノラル
記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカード
外形寸法約107.7×66.6×36.8mm107.7×67.1×32.5mm
質量約225g約222g

【2012年4月6日】「さらに、DMC-GF3になかったDISP.ボタン、Q.MENU/Fnボタン、再生ボタンを装備。DMC-GF3でこれらのボタンは、タッチパネルインターフェイスに収められていた」という記述を「背面にはDISP.ボタン、Q.MENU/Fnボタン、再生ボタンなども装備。DMC-GF3でDISP.ボタンは、タッチパネルインターフェイスに収められていた」に改めました。




(本誌:折本幸治)

2012/4/5 14:00