パナソニック、ハイアマチュア向けマイクロフォーサーズ機「LUMIX DMC-GX1」
パナソニックは、マイクロフォーサーズカメラの新製品として、「LUMIX DMC-GX1」を11月25日に発売する。価格はオープン。本体色はエスプリブラックとブレードシルバー。
LUMIX DMC-GX1(エスプリブラック) | LUMIX DMC-GX1(ブレードシルバー) |
商品名 | 構成内容 | 店頭予想価格 | 発売日 |
LUMIX DMC-GX1(DMC-GX1) | ボディのみ | 70,000円前後 | 11月25日 |
LUMIX DMC-GX1パワーズームキット(DMC-GX1X) | ボディ、LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S. | 95,000円前後 | |
LUMIX DMC-GX1ダブルレンズキット(DMC-GX1W) | ボディ、LUMIX G 14mm F2.5 ASPH.、LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. |
マイクロフォーサーズシステムに準拠したレンズ交換式デジタルカメラ。「LUMIX DMC-GF3」(2011年7月発売)と同様、EVF非搭載のフラットな上面カバーを採用しつつ、EVF搭載の「LUMIX DMC-G3」(2011年7月発売)の上位モデルという位置付けになる。「LUMIX DMC-GH2」(2010年10月1日)から見ると下位モデル。写真愛好家、モノ寄りユーザー、こだわりカメラ女子など「写真趣味ユーザー」をターゲットとしており、ハイアマチュア層のサブ機としての利用も考慮しているという。
■DMC-G3から高感度画質を改善
撮像素子はDMC-G3と共通となる有効約1,600万画素の4/3型Live MOSセンサー。ただし、センサーとエンジン間の回路を見直したことで、より一層の低ノイズ化を果たしたという。これにより最高感度はDMC-G3のISO6400を上回り、DMC-GH2と同じくISO12800を実現した。
有効約1,600万画素4/3型Live MOSセンサー |
DMC-GH2およびDMC-G3に続き、画像処理エンジンに「ヴィーナスエンジンFHD」を採用。ノイズ処理については、「解像度優先画像」「強NR画像」の2データから信号処理を行なう「3DNR処理」を可能とする。超解像技術のノイズリダクション版ともいえる技術で、「輪郭はNRをかけずそのままに、平坦部はノイズリダクションを強調」といったノイズ低減処理を行なうもの。ISO3200以上で効果的とする。ただし、インテリジェントオート(iA)およびインテリジェントオートプラス(iA+)時は無効になる。
ヴィーナスエンジンFHD |
そのほか、「インテリジェントDレンジコントロール」、「超解像技術」、「シェーディング補正」といった、DMC-G3と同等の機能を搭載する。
■AF速度は約0.09秒
AF速度はDMC-GH2の約0.1秒を超える約0.09秒を謳う。DMC-GH2、DMC-G3、DMC-GF3では、AF中のセンサー駆動を120fps、レンズ制御を60fpsで処理していた。それをDMC-GX1ではセンサー駆動とレンズ駆動の両方で120fps処理を行なう。連写コマ間時も120fps駆動となっている。ただし、レンズ制御120fpが可能なのは、いまのところLUMIX G X VARIO PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.など「PZレンズ」に限られる。
AF関連ではそのほか、「AFSモード」「AFCモード」に加えて、「AFFモード」が利用可能になった。常時被写体を追うAFCに対し、AFFではシャッターボタン半押し中、被写体やフレーミングが動いたときだけ、カメラが自動で被写体を追いかける。直線的な動きを予測して合わせるのが得意なAFCに比べて、動きが予測できない被写体を追従する際に有効という。
液晶モニターはタッチパネル式で、DMC-G3などと同様、画面の端でもタッチAFが効く。タッチした場所を拡大表示、その後微調整が可能な「ピンポイントAF」も従来機種から受け継いでいる。液晶モニターはアスペクト比3:2の3型約46万ドットで、DMC-GH2やDMC-G3などと同等。
PZレンズとの組み合わせで、「タッチズーム」も可能。画面上のズームボタンを押すことでズーム動作を行なう。従来通り「タッチでフォーカス」、「タッチでシャッター」も可能。なお今回から新機能として、タッチ機能をオフにする「タッチOFF」も利用可能になった。
記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカードに対応.今回からLUMIXシリーズとして初めて、SDXCメモリーカードのUHS-Iモードに対応した。フル解像度での連写速度は最大4.2コマ/秒。DMC-G3と同様、電子シャッターによる超高速連写も可能で、その場合は20コマ/秒、400万画素相当となる。
電子水準器も新機能。パナソニックのデジタルカメラとして初めての搭載となる。水平方向だけでなく、アオリ方向の傾きも同時に表示する。
なお、DMC-GX1からカメラ本体に加速度センサーを内蔵したことにより、すべてのレンズで撮影時の縦位置・横位置の判別が自動で記録されるようになった。従来は手ブレ補正機能を搭載したレンズを装着して撮影したときのみ、縦撮り判別情報が記録されていた。
■高品位な金属外装。細部にこだわったデザイン
最も特徴的なのが、レンジファインダーカメラを想起させるカメラらしいデザイン。フォーサーズシステムの「DMC-L1」、コンパクトデジタルカメラ「DMC-LX」シリーズおよび「DMC-LC1」を思わせるもので、DMC-GF1で支持を得たハイアマチュア層にも訴求する。GF系はその後、DMC-GF2、DMC-GF3と低価格が進み、エントリー向けへとキャラクターを変えていった。発売当時、ハイアマチュアのサブカメラ用途として受け入れられていたDMC-GF1の立ち位置を、再度提案するのがDMC-GX1の役割のひとつとなる。
パナソニックがDMC-GX1のデザインで最もこだわったのは、右手側のパームグリップだという。パテ盛り、磨き、長時間握り評価、モニター評価といったアナログチューニングを繰り返した後、最終形状を曲面データ化して微細単位で調整、完成形状に追い込んだという。素材は樹脂とエラストマー。
外装は金属。ダイヤルは金属削り出しで、文字はレーザー印字。ローレットを4段にするなど、切削形状にもこだわった。また、クリック感を重視するため、ダイヤルのネジは若干固めに調整しているという。背面ボタンにも、メッキ塗装、スピン目、刻印・色入れを施し、高級感を意識したという。
Fn(ファンクション)ボタンはFn1〜Fn4まで用意。DMC-GH2はFn1〜Fn3、DMC-G3はFn1〜Fn2だった。ただしDMC-GX1の場合、Fn3とFn4は液晶モニターのタッチタブ内に装備されており、リアルボタンは2つにとどまる。その代わり、ダイレクトボタンは12個と多い。
動画はAVCHD、またはMP4形式で記録。AVCHDでは1,920×1,080/60i(センサー出力30コマ/秒、ビットレート約17Mbps)または1,280×720/60p(同)での記録に対応。また、Motion JPEGではなく、MP4を採用しているのも本機からの特徴となっている。
なお、動画にまつわる新機能として、「オート風音低減」が搭載されている。
クリエイティブコントロールには、「ローキー」と「トイフォト」を追加。計8種類になった。また、各効果のパラメーターを5段階で調整できるようになった。
本体サイズは116.3×67.8×39.4mm、本体のみの重量は約272g、バッテリーとメモリーカードを含む重量は約318g。
■約144万ドットのチルト式EVFを用意
同時に、DMC-GX1の専用アイテムとして、ライブビューファインダー「DMW-LVF2」も発売される。価格は2万7,000円前後。
ライブビューファインダーのDMW-LVF2 |
約20.2万ドット・倍率0.52倍(35mm判換算)の従来製品「DMW-LVF1」に対し、約144万ドット・倍率約0.7倍(35mm判換算)とスペックアップしているのが特徴。DMC-G3と同じドット数・ファインダー倍率だが、接眼レンズを変更するなど、高画質化を図っているという。90度上方へのチルト機構も搭載する。
ボディ上面のホットシューおよび外部ファインダー専用コネクターに装着する。既存のDMC-GF1、あるいはDMC-GF2には装着できない。
【2011年11月8日】ボディのみの店頭予想価格を7万5,000円から7万円に修正しました。
【2011年11月8日】記事初出時、ダブルズームレンズキットに付属するズームレンズを「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.」と記載しておりましたが、正しくは「LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」です。
2011/11/8 15:10