ソニー、イメージセンサーなど好調で純損失計上も営業益2,000億円


 ソニーは26日、2010年度(2010年4月1日~2011年3月31日)の連結業績を発表した。

 売上高は7兆1,812億7,300万円(前年度比0.5%減、以下同)、営業利益は1,998億2,100万円(528.9%増)、純損失は2,595億8,500万円(前年度は408億200万円の損失)。ゲーム事業が貢献し営業利益が大幅増となったが、繰り延べ税金資産に対する引当金の計上などで純損失が拡大した。

 デジタルカメラを含むコンスーマー・プロフェッショナル&デバイス分野は、売上高3兆5,727億円(1.6%増)、営業利益29億円(前年度は532億円の損失)。液晶テレビの売上増に加え、中小型液晶パネルおよびイメージセンサーが好調な半導体で売上か増加。また、デジタルシネマプロジェクターなどの好調もあり黒字に転換した。コンパクトデジタルカメラの販売台数は14.3%増の2,400万台だった。来期も同数を見込む。

 ネットワークプロダクツ&サービス分野は、売上高1兆5,793億円(0.4%増)、営業利益356億円(前年度は833億円の損失)。シェアが拡大したPCの増収分を為替が打ち消す形になりほぼ横ばいで推移した。増益の要因は、売上原価率の大幅な改善と増収による売上総利益の増加による。

 映画分野は、売上高6,000億円(14.9%減)、営業利益387億円(9.7%減)。米国外の興行収入および世界での映像ソフト収入が減少した。ただ、テレビ番組の収入が増加し、営業利益はほぼ前年並となった。

 音楽分野は、売上高4,707億円(9.9%減)、営業利益389億円(6.6%増)。円高の悪影響とパッケージメディア市場の継続的な縮小などが減収の要因。ただし、広告宣伝費、構造改革費、間接費の減少により増益となった。

 金融分野は、売上高8,065億円(5.3%増)、営業利益1,188億円(26.9%増)。ソニー生命の資産運用益の減少で減収減益となった。

 ソニー・エリクソンは、売上高60億3,400万ユーロ(6.5%減)、純利益は7,400万ユーロ(前年は5億2,200万円の損失)。高価格帯のスマートフォンに注力しポートフォリオを集約したため減収となった。販売価格上昇やコスト構造の改善で黒字転換した。

 2011年度の予想は、売上高7兆5,000億円(4.4%増)、営業利益2,000億円(0.1%増)、純利益800億円とした。コンスーマー・プロフェッショナル&デバイス分野では、液晶テレビやイメージセンサーでの増収増益を見込む。一方ネットワークプロダクツ&サービス分野ではゲーム事業などで増収を見込むが、不正アクセスに関連する費用の計上で大幅な減収を見込む。




(本誌:武石修)

2011/5/26 20:31