【フォトキナ】リコーがGXR用の“マウント搭載ユニット”を検討
リコーのブースでは、国内でも10月末に発売するGXR用の新カメラユニット「GR LENS A12 28mm F2.5」などを展示していた。また、GXRにおける今後のユニット開発の方向性などについてリコーパーソナルマルチメディアカンパニー企画室 企画グループ 技術主担の福井良氏に話を聞くことができた。
リコーブース | GXRをカメラユニットともに展示。交換して撮影を試すことができる |
既報の通り、リコーではGXRのカメラユニットについて大型イメージセンサー品の投入を表明している。また、マウントユニットの開発についても検討中という。
センサーサイズに関しては、トータルとしては大型センサー(APS-Cサイズ相当)と小型センサーでバランスをとっていくが、まずは大型センサーを搭載したカメラユニットを早いうちにナインナップしたいとする。2011年にはAPS-Cセンサーを搭載したワイドズームレンズを搭載したカメラユニットをリリースするという。ズームレンジなどは不明だが、「GXシリーズのようなイメージになる」(福井氏)という。
リコーブースにあったロードマップ | レンズマウントユニットは2011年に登場予定 |
またマウントを備えたユニットに関しては、カメラユニットではない“拡張ユニット”としての位置づけで検討しているという。こちらも2011年中の製品化を目指しているとのこと。GXRの発売後に、ユーザーからの要望が多かったために検討を開始した。「手持ちのレンズが使いたい、といったマウントユニットへの要望を真摯に受け止めたい」(福井氏)。
採用マウントの種類は未定。搭載するマウントは新規に作るのではなく、既存のレンズマウントに対応するという。現段階では、リリースを検討しているマウントユニットは1種類だとしている。マウントユニットのセンサーサイズも未定となっている。ただ、35mmフルサイズセンサーの搭載は難しく、採用の可能性は無いとする。
ブースでは、新製品となるGR LENS A12 28mm F2.5を試す来場者の姿が見られた。
GR LENS A12 28mm F2.5 |
GXRに装着したところ |
今回、AF制御の方法を変更することで合焦の高速化も実現している。また、GXRではMFを使うユーザーが多かったため、MF時の画面拡大倍率を2,4,8倍から選択できるようになった。従来は2倍のみ選択できた。併せて、画面拡大時にフォーカスターゲットの動きに合わせて拡大箇所が移動するようにした。
MF時の画面拡大率が3種類から選択可能になった。また、拡大位置を中心以外にも移動可能になった |
また、スポットAFのサイズを従来のノーマルのほかにより面積の少ない「ピンポイント」が選択可能になった。
スポットAF時の測距エリアの大きさを選択可能になった。 |
ピンポイント時(新搭載) | ノーマル時(従来と同じサイズ) |
なお、ファームウェアの更新で従来のユニットでも画面拡大機能とスポットAFの大きさ選択を利用可能にする予定。ファームウェアのリリース時期はGR LENS A12 28mm F2.5の発売前を見込んでいる。なお、スポットAFの大きさ選択はAPS-Cサイズセンサー搭載のカメラユニットのみになる。
28mm相当のレンズという点では「GR DIGITAL」シリーズと同じだが、ノイズの少なさや大きなボケが得られるなど大型センサーとしての特徴で訴求していく。「GR LENS A12 28mm F2.5でGXRに弾みをつけたい」(福井氏)。GR DIGITALシリーズは、従来通りポケットに入れておけて直ぐ撮れるコンパクトさといった部分が受け入れられているため、GXRとはポジションになっているという
業務用デジタルカメラの新製品も展示。防塵防滴の「G700」(左)とG700の拡張バージョンである「G700SE」(右)。G700SEは、無線LANやBluetoothに対応するほか、GPSやバーコードリーダーといったユニットを装着可能。 |
福井氏によると、欧州ではリコーブランドの浸透がまだ十分ではないという。フォトキナを機に、ディーラーやユーザーなど多くの人に知って欲しいとしている。
【2010年9月27日】リコーブースに掲示されていたカメラユニットのロードマップとレンズマウントの画像を追加しました。
2010/9/23 15:21