ニコン、精機事業の不振で赤字拡大を予想


 株式会社ニコンは5日、2009年度第1四半期(2009年4月1日~2009年6月30日)の連結業績を発表した。売上高は1,751億4,700万円(26.4%減、前年同期比、以下同)、営業利益は7億3,000万円(97.5%減)、純損失は39億9,700万円(前年同期は79億5,400万円の黒字)。

 デジタルカメラを含む映像事業は、売上高1,354億円(17.9%減)、営業利益124億円(46.1%減)。一眼レフカメラの中・高級機種や交換レンズの販売が想定以上に健闘したものの、円高と市況低迷の影響もあり減収減益となった。

 当四半期のカメラ関連出荷台数は、デジタル一眼レフカメラが前年同期比2.3%減の84万台、コンパクトデジタルカメラが同2.3%減の254万台、交換レンズが同1.6%減の124万台となった。なお通期では、デジタル一眼レフカメラが前年比0.9%増の345万台、コンパクトデジタルカメラが同1.6%増の1,050万台、交換レンズが同0.6%増の490万台の出荷を見込む。

 精機事業は売上高273億円(52.8%減)、営業損失101億円。インストルメンツ事業は売上高82億円(25.4%減)、営業利益マイナス16億円。その他事業は売上高42億円(1.8%増)、営業利益1億円(85.4%減)。

 通期の業績予想は、売上高7,100億円(19.3%減)、営業損失300億円、純損失280億円。前回予想より売上高を上方修正するも、営業損失と純損失の赤字幅をそれぞれ拡大すると見ている。ただし映像事業では、円高の影響に加え個人消費の低迷や普及価格帯機種への偏移により減収減益は避けられない見通しだが、前第4四半期を底に回復を予想している。



(本誌:鈴木誠)

2009/8/5 19:08