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LED&ストロボの合わせ技を紹介…2,000Wの新ライトが活躍したProfotoセミナー

メインライトにも隠し味にも

講師を務めたフォトグラファーの五十嵐隆裕氏

プロフォト株式会社は、LEDライトの新製品を使った写真撮影のセミナーを8月21日(木)に都内で開催した。女性モデルを白ホリのスタジオで撮影するもので、広告写真などで活躍するフォトグラファーの五十嵐隆裕氏が講師を務めた。

会場は東京のスタジオエビス

瞬間光のストロボ製品で知られるProfotoだが、最近は高性能なLEDライトを複数リリースしており定常光ライトにも力を入れている。今回のセミナーで使われたのもハイエンドクラスのLEDライトということで、プロフォトグラファーやスタジオマンなどが多く参加していた。

LEDライトというと動画向けのイメージもあるが、写真撮影でも使われている。瞬時に色を変えられることやチャージの待ち時間が無いことなどがメリットになる。また、ストロボと組み合わせての定常光ならではの活用方法も紹介された。

セミナーの様子

LEDでシアンを加える

1つ目のセッティングはバタフライライティングでモデルのアップを撮影するシーン。バタフライライティングとは硬めの光を正面上方から当てて、鼻の下に蝶のような影を作るライティングだ。

上のリフレクターがキーライト。左奥がシアンに設定したLEDライトの「Profoto ProPanel 3×2」。右手前のビューティーディッシュは使用していない

五十嵐氏はストレートな写りが好みとのことで、こうした撮影ではソフトボックスなどのディフューザーを使わずに直射をよく使うそうだ。

ここでのメインライトはストロボのPro-11。傘状のソフトズームリフレクターに装着している。リフレクターは内部が銀色で、ディフューザー類は全く付けていないためかなり硬めの光となる。

このキーライトのみでもきれいに撮れるが、五十嵐氏によるとアジア人の肌はコントラストを調整した際に暗部がくすみやすいという。そのため、LEDライトでシアンを乗せることで暗部をクリアにするというテクニックを紹介した。

ここで使用したLEDライトは新製品となる「Profoto ProPanel 3×2」だ。価格は209万円と高価だが、2,000Wで世界で最も明るいLEDパネルライトと謳われている。予約受付中で9~10月にかけて発売する。

先ほどのキーライトに加えて、このProPanel 3×2を左サイドから当てる。五十嵐氏によると、定常光として加えることでシアンのエッジにブレが発生するところもメリットという。

LEDでシアンを加えたもの(左)は、キーライトのみで撮影した写真(右)よりも暗部の赤黒さが軽減している
ProPanel 3×2の発光面。RGBWWのチップを採用し、光の質が良いそうだ
iPadから無線でコントロールもできる
バックの照明には1,600Wの「Profoto L1600D」も使われた

LEDをキーライトに

2つ目のセッティングはProPanel 3×2をキーライトにするというもの。ここでもライトにディフューザーは使わずそのまま当てている。

ProPanel 3×2はスタジオのバトンで吊り上げ、バタフライライティングに設定している。このとき、ProPanel 3×2のフレームに紐を付けることで下から角度の調整ができるようにしている。

吊り上げたProPanel 3×2
右手のビューティーディッシュにLEDの「Profoto L600C」を付けてシアンを加えるパターンも見せてくれた。

ProPanel 3×2がモデルに近い位置に来るが、あまり眩しく感じられないのもこのライトの特徴とのこと。

五十嵐氏によるとProPanel 3×2はストロボとはまた違った光になっており、強い光だが強烈さが無く、ソフトな仕上がりになるそうだ。「ねっとりとした質感できれいに表現できる。特にリップやヘアの質感が良い。まるでレタッチ後のような写りで、ディフューザー無しでも十分きれい」(五十嵐氏)と評した。

いずれもProPanel 3×2のみで撮影したもの

ほかにはストロボに比べてヘアに偽色が出にくい点や、連写してもチャージ待ちが発生しない点を利点として挙げ、「多く撮ることができれば良いショットを残せる可能性が上がります」と述べた。

ProPanel 3×2の背面にはProfoto製品でおなじみの操作系がある
フルカラーで600WのL600C
そのほかの同社製品も並び、タッチ・アンド・トライの時間も設けられていた

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。