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グッドデザイン賞受賞展に「カメラスリング」が出品
金賞にニコン「COOLPIX P900」が選ばれる
Reported by 本誌:折本幸治(2015/11/2 17:34)
10月30日(金)から開催中の「2015年グッドデザイン賞受賞展」(G展)において、グッドデザイン賞を獲得したカメラストラップ「Camera Sling!」(カメラスリング)が展示されている。カメラ業界の商品がグッドデザイン賞を受賞するのは珍しくないが、この手のアイテムが単体で、しかも個人の企画が受賞するのは珍しい。
Camera Sling!は、作者の杉山さくらさんが子ども用の抱っこひもをヒントに制作したストール状のストラップ。杉山さんが企画・制作するという小規模なプロダクトながら、特徴あるデザインと新規性から注目が集まっている。詳しくは「【CP+】ストールのような不思議なカメラストラップ」で解説しているので、気になる方は読んでいただきたい。
受賞にあたっては、プロダクトそのもののデザイン性に加えて、主婦が企画・制作・実現したという背景も評価された。杉山さんにグッドデザイン賞を受賞した感想を聞くと、「こうした大きな賞で認めてもらえたことで、購入してくれた方に恩返しができました」「“私にも何かできるのでは”と感じてくれる人が現れるとうれしい」とのこと。SNSや実際の口コミをベースに購入者が広く勧めてくれたことが、製作の継続につながった面もあるという。
今後はカメラ関係以外の製品にも着手する予定で、まずは11月25日(水)〜12月8日(火)にかけて日本橋三越本店1階で開かれる展示会において、Camera Sling!のLサイズやゴールドレーベルを発表するそうだ。
ゴールドレーベルにはシルク製のCamera Sling!(通常はポリエステル製)や、アジアの織物を使用したアイテムが登場するという。また、IDカードストラップや、クラッチバッグなどでの使用を想定した汎用ストラップ(マルチストラップ)も出品するとのこと。
もちろん会場には、例年通りカメラ関連メーカーの受賞品も多数並んでいた。
白眉はグッドデザイン金賞を受賞したCOOLPIX P900。「超望遠というトレンドを付きつめ、見事なバランスで形にした」「最大2,000mmの望遠性能を、携帯性を犠牲にしないギリギリのバランスの筐体に収めた点が素晴らしい」とは、審査委員の評価だ。
さらにニコンからは、ロングライフデザイン賞としてNIKKORレンズ群とNikon F6も受賞している。
キヤノンの超広角ズームレンズ「EF11-24mm F4L USM」は、グッドデザイン・ベスト100に選ばれた。審査委員からは「これまで見たことがなかった写真の世界を切り開いた。その特徴を際立たせるレンズ部からマウント部に向かって絞り込まれた形状と黒のレザートーン塗装がただならぬ存在感を際立たせている」との評価が挙がっている。
グッドデザイン・未来づくりデザイン賞を獲得したのは、オリンパスのオープンイノベーション活動「OLYMPUS OPC Hack & Make Project」。カメラのオープンプラットフォーム化に取り組んだ例として受賞した。会場にはSDKと3Dデータを用いた例がいくつも展示され、メーカー自社以外からも価値を提供する時代の到来を予感させる。
以下、グッドデザイン賞にも多くのメーカーが名を連ねている。
2015年グッドデザイン賞受賞展
- ・会場:東京ミッドタウン
- ・住所:東京都港区赤坂9−7−1
- ・会期:10月30日金曜日〜11月4日水曜日
- ・時間:11時〜20時(初日13時より、最終日17時30分まで)