写真家4人の「ニコン COOLPIX P900」インプレッション
雄大な風景をバックにした野鳥撮影や鉄道写真に!
自然風景:萩原俊哉さん「想像を遥かに凌駕する焦点距離」
(2016/3/23 11:17)
発売当時に話題をさらった、世界最高・光学83倍ズームレンズ搭載の「COOLPIX P900」。レンズ交換式カメラでは難しい、35mm判換算で2,000mm相当の望遠撮影ができるモンスターカメラです。
はたしてCOOLPIX P900で撮れる世界とは? 「都市風景」「自然風景」「ポートレート」「スナップ」と、ジャンルの異なる4名の写真家が挑戦してくれました。
このページでは「自然風景」萩原俊哉さんの作品とインプレッションをお届けします。(編集部)。
作品写真:萩原俊哉 状況写真:萩原史郎 人物写真:加藤丈博
最初にこのカメラを見たとき、どんな印象を受けましたか?
2,000mmという焦点距離を持ちながら、ずいぶんと小型軽量であることに感心しました。実際に持ってみたときの感触も良好で、グリップもしっかりとしており、手持ち撮影でもしっかりとホールディングできます。
いままで、600mmを超えるような超望遠撮影をしたいと思ったことはありますか?
月と富士山を絡めた撮影や、飛翔する野鳥をぐっと引き付けて、背景に見える雄大な山並みとからめた撮影をしてみたいと考えていました。
COOLPIX P900でその願いはかないましたか?
800mm付近では十分に叶いましたが、それを越えるような2,000mmクラスの焦点距離では、自分の想像を遥かに凌駕する世界だとあらためて認識しました。
動きのある被写体を追うことが思いのほか難しいことや、遥か遠方に見えている被写体までの距離感が、2,000mmクラスでは近すぎたことなど……
それゆえに2,000mmクラスならではの視点を養えば、より面白い表現ができるのではないかと感じました。
ニコン一眼レフカメラに比べて操作性はどうでしょう。
被写体を追い続ける必要のある動きのある被写体では、光学ファインダーを有するニコン一眼レフカメラに軍配が上がります。その一方で、小型軽量でありながらどの焦点距離でも自在に操れるという点では良好な操作性です。
5段分の手ブレ補正が搭載されています。効果はいかがでしたでしょうか。
絶大な効果があると感じます。あまりISO感度を上げたくない早朝や夕方の撮影では特にその恩恵を感じました。望遠域を多用しながらの手持ち撮影では積極的に使用しています。
液晶モニターがバリアングル式です。使い勝手はいかがでしたか?
とても扱いやすいと感じた部分の一つがバリアングル式の背面モニターです。風景撮影では目線の高さだけではなく、極端に低い位置や真上を見上げたいシーンも良くありますが、そのようなときに有効活用できました。バリアングルモニター非搭載の一眼レフカメラでは狙えないシーンも存分に楽しめると思います。
EVFは使われましたか? 撮影時における液晶モニターとの役割分担は?
使用しました。特に動きのある被写体を撮影するシーンではEVFを使って撮影しています。
また、三脚を使った風景撮影では、まずEVFでざっくりと構図を決めて、それから液晶モニター表示に切り替えて詳細に構図を追い込む、というスタイルで撮影しました。
Wi-Fi・NFCが搭載されています。どのようなシーンで活用されましたか?
今回は試していませんが、カメラを地面に置いて真上にむけるような撮影では、手元のスマートフォンで操作できるWi-Fi機能が大いに活用できると思います。バリアングルモニターでも撮影できないような、これまでのアングルに囚われない撮影の可能性を秘めています。
GPSによる位置情報記録に魅力を感じましたか?
初めての場所に行くときには、必ずGPS機能で位置情報を記録するようにしています。今回は知っている場所だけで撮影しているので、機能としては使っていませんが、位置情報の記録そのものには魅力を感じています。
一眼レフカメラのサブ機として使ってみたいですか? どのようなユーザーにおすすめできますか?
風景的に野鳥を撮る、あるいは鉄道を撮るといったユーザーにお勧めしたいカメラです。また、1,000mm、2,000mmクラスの超望遠域による撮影を楽しみたいが、一眼レフ用の超望遠レンズでは予算が……というユーザーにも勧められます。
今後COOLPIX P900で撮影したい被写体や撮影ジャンルがあれば教えて下さい。
今回の取材では、被写体までの距離が近すぎたため撮影することができなかった「富士と月」というシチュエーションや、岩礁地帯に沈む夕陽など、月や夕陽(朝日)がらみの風景撮影を試したいです。
協力:株式会社ニコンイメージングジャパン
デジタルカメラマガジン最新号にもCOOLPIX P900が登場!
「デジタルカメラマガジン2016年4月号」では、萩原俊哉さんをはじめ、COOLPIX P900に挑戦した写真家4名による作品とテクニックが紹介されています。前人未到の2,000mm相当による撮影をぜひご覧ください!