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ニコン「D5300」に新炭素複合材“セリーボ”が採用

ボディのモノコック構造実現に寄与

 帝人は17日、独自の炭素複合材料「Sereebo」(セリーボ)がニコンのデジタル一眼レフカメラ「D5300」に採用されたと発表した。

 D5300はボディー内部のシャシーを廃止し、カバー構成を箱形の一体的な構造とするモノコック構造を採用している。このモノコック構造部にSereeboが採用された。帝人によれば、Sereeboが実際に使用されたのはD5300が初めてという。ニコンでは、小型軽量化と強度の両立を実現できたとしている。

 Sereeboは、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRTP)。優れた強度特性や高い導電性を有し、成形品自体に電磁波シールド特性を付与できるという。また帝人がポリマー開発で培った加工技術により、表面に炭素繊維が浮き出すことが無く、表面外観性に優れるとする。

 従来カメラボディや内部構造部材には、強度確保の面から主に金属が使用されてきた。一方、軽量化のためにプラスチックを使用する場合には強度不足を補うため、短い炭素繊維で補強することがあったが、強度面では炭素繊維が本来有する特徴を発揮できなかったという。

 D5300は、光学ローパスフィルターレス使用の有効2,416万画素CMOSセンサー(APS-Cサイズ相当)、新画像処理エンジン「EXPEED 4」、Wi-Fi機能などを搭載するモデル。発売は11月中旬。ボディのみの価格は9万円前後の見込み。

(本誌:武石修)