「FUJIFILM XF1」「FUJIFILM X-E1」発表会レポート
富士フイルムは9日、コンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM XF1」およびレンズ交換式デジタルカメラ「FUJIFILM X-E1」の発表会を都内で開催した。発表会には女優の真木よう子さんが応援に駆けつけた。
富士フイルム代表取締役会長・CEOの古森重隆氏(右)と新イメージキャラクターの真木よう子さん(左) |
機種の詳細については記事末のリンクを参照されたい。ここでは発表会の模様をお伝えする。
■「Xシリーズはヒット商品」と古森会長
冒頭で富士フイルム代表取締役会長・CEOの古森重隆氏が「スマートフォンの普及が急速に進みコンパクトデジタルカメラのローエンドモデルに大きな影響を与えている。その中で世界的に伸びているのがレンズ交換式カメラやレンズ一体型の高級モデルであり、今回この分野に向けて新製品を投入する」と述べた。
FUJIFILM XF1 | FUJIFILM X-E1 |
古森氏は「Xシリーズ」のデジタルカメラについて、「高級コンパクトのパイオニアとなるヒット商品になった」と評価。Xシリーズはフォトキナ2010で開発を発表したシリーズで、今回の2機種を加えると、合計6機種となる。「これほど短期間に揃えたのは高画質、高機能へのニーズが高まっているからだ。写真のアウトプットは、高画質プリント、SNS、4Kなどの高精細ディスプレイなどに広がっており、カメラも総合力が求められている」(古森氏)とした。
その上で、同社が長年培った画像技術を投入して入力画質を高めたとする。「会場に展示した畳3畳分のプリントを見て頂ければ画質を理解して頂ける」(古森氏)と画質の高さをアピールした。とりわけFUJIFILM X-E1は、小形軽量を実現しながら同社フラッグシップモデルの「FUJIFILM X-Pro1」と同じ画質を実現したとしている。
会場では同社の4K液晶ディスプレイを参考展示していた。「2013年には発売したい」(説明員)としている。 |
古森氏は今後の課題として販売マーケティングの強化を挙げた。現地法人設立による直販体制をワールドワイドで進めており、今後も北欧やアジア全域に広げていくという。
昨今の中国情勢については、「現地に多くの(同社の)工場があるが被害は無く、国慶節が終わっても特に変わらず順調に稼働している。一方、販売の面では一部の商談に保留が出ている。しかし、中国の工場は雇用などで中国のためにもなっていることを理解してもらえるだろう。買い控えについては、中国の人は良いものはいい、優れたものは欲しいというところがあると思う。日本製品の優秀性があるので問題ないと思っている」とした。
■X-E1は機動性の高いカメラ
続いて富士フイルム常務取締役 電子映像事業部長の樋口武氏が製品を紹介した。コンパクトデジタルカメラのFUJIFILM XF1はフォトキナ2012で海外発表されていたが、国内での正式発表は今日となった。
富士フイルム常務取締役 電子映像事業部長の樋口武氏 | FUJIFILM XF1は女性のハンドバッグに収まることなどを訴求する |
同社では「プレミアムコンパクトカメラ」として女性にもアピールする。同じ2/3型センサーを採用する「FUJIFILM X10」とは別の新ラインとの位置づけになっており、FUJIFILM X10は継続する。
本体はアルミ外装。レザーは合成皮革 |
ズーム操作はマニュアル | ストロボポップアップは手動式 |
広角端でF1.8の明るいレンズをアピールしていた | 新コーティング「HT-EBC」も採用 |
HT-EBCコートのデモ | 同コートにより従来よりも反射率を下げることができるという |
高速なレスポンスも売りだという | 専用のケースも用意する |
フォトキナでも展示していたカラーバリエーションのコンセプト。フォトキナでの投票結果はまだ集計が済んでいないというが、人気の高かったモデルは製品化を検討する |
レンズは「収納モード」(下)、「スタンバイモード」(右)、「撮影可能モード」(左)に変化させることができる | 各モード時のレンズの状態 |
レンズ交換式の「FUJIFILM X-E1」もフォトキナに合わせて発表した製品だが、国内では9月14日に正式発表済み。「フォトキナで大きな反響があり、レスポンスが良いという操作性への高い評価も受けた。FUJIFILM X-Pro1同様、他社の35mmフルサイズ機に匹敵する解像力とS/Nを実現しながら、他社フルサイズ機の半分以下のサイズと重量であり、機動性の高いカメラに仕上がった」(樋口氏)とする。
FUJIFILM X-E1は小型ながら高画質という部分を訴求 | APS-CサイズのX-Trans CMOSセンサーを搭載 |
XF 18-55mm F2.8-4 R LM OISを装着したところ |
35mmフルサイズ機に迫る画質だとする | ローパスフィルターレスおよび、新カラーフィルター配列により解像度と高感度画質に優れるとしている |
レンズ一体型モデル「FUJIFILM X100」と同等のサイズに仕上げた | EVFにはガラスレンズを使うなど見え方にこだわったという |
AFもXF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS使用時で0.1秒を謳う |
ケースやグリップなども用意する | 専用レザーケース |
専用ハンドグリップおよび外付けストロボの装着例 | 会場にはフォトキナにも展示してあった3畳サイズのプリントで画質をアピールしていた |
フォトキナで発表があった2本のXFレンズ「XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS」および、「XF 14mm F2.8 R」の国内導入も決定している。
・XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS
周辺まで高い解像力を保つという |
光学式手ブレ補正機構も搭載 | 望遠端にしたところ |
高速に動作するリニアモーターを採用した |
リニアモーターは2基備える | 外装はアルミ製 |
・XF 14mm F2.8 R
歪曲収差が少なく電子補正は不要という | ケース内のモックアップ展示のみだった |
最短撮影距離18cmという短さも特徴としている |
・発売予定のレンズ
発表済みのレンズロードマップ。会場にモックアップの参考展示があった。いずれも2013年に発売の予定 | XF 10-24mm Super wide zoom F4 OIS |
XF 23mm F1.4 | XF 27mm F2.8 "Pancake" |
XF 56mm F1.4 | XF 55-200mm telephoto zoom F3.5-4.8 OIS |
新製品は富士フイルムスクエア(東京ミッドタウン)で9日から先行展示を行なう。大阪や福岡でも順次開催予定 | なお、FUJIFILM X-Pro1とXF 35mm F1.4 Rをセットにした「35mm単焦点レンズキット」も発表した。10月13日に発売する。店頭予想価格は18万円前後の見込み。 |
■真木よう子「XF1は運命のカメラ」
FUJIFILM XF1の新テレビCM(11月から放映)では、新たなイメージキャラクターである真木よう子さんとこれまでFUJIFILM X10などのCMに出演してきた本木雅弘さんが共演する。会場には、CMと同じ真っ赤なドレスに身を包んだ真木よう子さんが駆けつけ応援のメッセージを述べた。
富士フイルムイメージングシステムズ代表取締役社長の小島正彦氏 |
「真木さんは本木さんとともに、FUJIFILM XF1のデザイン性を華麗に表現した」(富士フイルムイメージングシステムズ代表取締役社長の小島正彦氏)。真木さんは、「こんなにお洒落で高性能なデジタルカメラのCMに出演させて頂いてすごくうれしく思います」と挨拶した。
CMと同じ真っ赤なドレスで颯爽と登場した真木よう子さん |
本木さんと以前にドラマで共演したことがあるという真木さん。「本木さんはすごく格好いい方。一緒に食事に行くとお茶目で楽しくてすごくお話がおもしろい方なんです。FUJIFILM XF1は、(また本木さんと)巡り合わせてくれた運命のカメラです」とにこやかに話していた。
FUJIFILM XF1について聞かれると、「お洒落でファッションの一部として持っていたくなるカメラですね。(カラーバリエーションは)どれも素敵で全部欲しくなっちゃいます。でも赤いレザーの質感が一番お気に入りです」(真木さん)と答えていた |
仕事などで地方に行った際にきれいな景色などをよく撮影するのが好きという真木さん。「いま撮影中のドラマのロケ地が高知県の四万十なのですが、夕焼けがすごくきれいなんです。そういうものをFUJIFILM XF1で撮影したいと思います」と話していた。 |
ドレスのバックスタイルも披露 |
CMのメイキング映像(FUJIFILM XF1) |
FUJIFILM X-E1のテレビCMは本木雅弘さんが1人で出演。CMではパリを舞台にFUJIFILM X-E1で撮る楽しさを軽快に表現したという。「パリはアンリ・カルティエ・ブレッソンが愛した街。ブレッソンならFUJIFILM X-E1をどう使ったかと、本木さんが思いをはせながらパリを切り取るというストーリー」(小島氏)。
FUJIFILM X-E1のテレビCMは本木雅弘が出演 | 本木さんはビデオメッセージで、「CMではFUJIFILM XF1ならではのスタイルを表現しておりますので、楽しみにしていてください」と語った |
CMのメイキング映像(FUJIFILM X-E1) |
2012/10/9 19:07