オリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏が取締役を辞任


 オリンパス株式会社は1日、マイケル・ウッドフォード氏が取締役を辞任したと発表した。同日にウッドフォード氏からの辞任届を受理した。オリンパスでは辞任について、「本人の意志によるもの」(広報・IR室)としている。

マイケル・ウッドフォード氏(社長就任時)

 ウッドフォード氏は4月1日から同社の社長執行役員を務めていたが、「他の経営陣との間で経営の方向性や手法に関して大きな乖離が生じた」(オリンパス)ことなどを理由に、取締役会が11月14日にウッドフォード氏を社長から解任。以来、業務執行権の無い取締役に就いていた。後任として菊川剛会長(当時)が社長に就任したが、ウッドフォード氏の解任を巡る混乱を受けて菊川氏は11月26日に社長を退任。代わって専務執行役員でオリンパスイメージング株式会社社長の高山修一氏が新社長に昇格した。

 その後の12月8日、オリンパスはジャイラスグループの買収をはじめとした一連の報酬や買収資金について損失先送り計上があったと発表。ウッドフォード氏が「高額すぎる」と疑問を呈していた資金であり、オリンパスが設置した第三者委員会の調査で明らかになった。

 オリンパスは11月8日に、損失先送り計上に関わっていたとする森久志取締役副社長を取締役副社長から解職するとともに、常勤監査役の山田秀雄氏の辞意を確認。11月25日には森、山田両氏に加えて取締役にとどまっていた菊川氏が辞任した。

 オリンパスでは、この問題に迅速に対応するため現経営陣を直ちに交代させることは無いと説明している。

 なお東証一部に上場しているオリンパス株は、現在「管理銘柄(確認中)」に指定されており、東京証券取引所では12月14日までに四半期決算報告書の提出が無い場合は上場廃止になるとしている。

※高山修一氏の「高」の字は本来異なりますが、閲覧環境により正確に表示されないため「高」の字で代用しています。





(本誌:武石修)

2011/12/1 12:58