オリンパス株式会社の取締役3名が正式辞任
オリンパス株式会社は24日、Webサイトに「取締役および監査役辞任のお知らせ」を掲載。同社取締役の菊川剛氏と森久志氏および監査役の山田秀雄氏が正式に辞任したと発表した。
3名の辞任については、損失計上先送りなどの問題調査に対する影響を考慮した結果、問題発覚以来3名が「誠実に調査に協力しており、今後も協力すると述べているため、調査協力を得るのに支障はないと判断」したため、辞任届を受理することにしたとしている。
また同社は同日「当社社長による声明の発信について」をWebサイトに掲載。同社代表取締役社長執行役員の高山修一氏による「社長声明」を発表した。従業員向けの発信だが、全ステークホルダーに伝えるべき内容との判断により原文文掲載したとしている。原文は記事末の関連リンクよりPDFファイルを参照されたい。
社長声明の主な内容は、現経営陣の現状認識と覚悟、今後の課題への対応方法などをまとめ、社員に宣言するもの。「私たち現経営陣は、オリンパス再生の途が見えたら、いつでも職を辞す覚悟で任にあたっております」との宣言や、同社が医療、ライフサイエンス・産業、映像、情報通信などの部門で世界に誇れる会社であると自負しているが、一連の事態で「会社および周囲は混乱し、世の中の信頼を一挙に失う結果」になっていると現状認識を示している。
あわせて「オリンパスが今なすべきこと」として、「『損失計上』の先送りおよびそれに起因する事実の解明」、「役員等の責任の追及」、「社会から認められる経営体制の刷新(陣容と意思決定の仕組み等)及び将来ビジョンの提示」を挙げ、今後策定する改革案と新たな経営体制について次の株主総会でその信を問うとしている。
最後に「経営陣を直ちに交代させてはどうか」という声に対しての声明も掲載。現在同社は損失計上先送り問題において上場維持や信認を得られ続けるかの瀬戸際にあり、この状況下で経営陣交代を行なって諸課題に迅速な対応ができないようでは、目前の危機を乗り越えられないと説明している。
続けて「現経営陣を中心とし、全社員、OB、関係者が一丸となって全力でオリンパスの再生に向けて道筋を付けるべきときである」と強調し、「私は、オリンパスグループの皆が力を合わせれば、この危機は必ず乗り越えられると信じています」と締めくくっている。
※高山修一氏の「高」の字は本来異なりますが、閲覧環境により正確に表示されないため「高」の字で代用しています。
2011/11/25 12:57