アップル、顔認識機能などを搭載した「Aperture 3」


Aperture 3

 アップルは、写真管理ソフト「Aperture 3」を2月10日に発売した。価格は1万9,800円。対応OSはMac OS X 10.5.8または10.6.2またはそれ以降。Apertureからのアップグレードは9,800円。

 写真のセレクト、現像、補正などを行なう「Aperture」(アパチャー)シリーズの最新版。2009年1月にリリースしたiPhoto '09と同様、顔認識機能を活かした「人々」や、ジオタグによる機能「撮影地」が利用可能になった。

 新たに、パナソニックのLUMIX DMC-GH1、LUMIX DMC-G1、LUMIX DMC-LX3、ライカD-LUX 4のRAWデータに対応。また、キヤノンのデジタル一眼レフカメラが生成するmRAWやsRAWにも対応した。

 「人々」では、写真内の人物の顔を自動的に検出。一度検出した顔を識別・認識すると、ライブラリ全体、または個々のプロジェクトから似ている顔を探し出して登録する。特定の人物を探しやすくなるという。

 「撮影地」は、画像内の位置情報をわかりやすい場所の名称に変換、地図上に表示する。現行のAperture 2と異なり、地図をSafariなど別ソフトでなく、Aperture 3内で表示するようになった。画像が位置情報を含まない場合は、地図から撮影地を指定することも可能。また、トラッキングログがある場合は、新たに経路情報の表示が行なえる。

 また、焼き込みや覆い焼きなどに活用できる「ブラシ」ツールを搭載。ブラシのサイズ、柔らかさ、強さなどのをコントロールできる。ブラシにはエッジ検出オプションを指定でき、細かな輪郭から選択範囲がはみ出すことを防止するという。

 さらに「Color」、「White Balance」、「Black & White」などの調整プリセットを用意。例えばBlack & Whiteには、「Red Filter」、「Orange Filter」、「Yellow Filter」などのサブプリセットを含んでおり、ワンクリックで様々なスタイルを試せるという。ユーザーによる調整プリセットの作成も可能。調整プリセットは読み込み時にも適用できるので、読み込みと同時に定型の補正を行なうといった処理も可能になる。

 表示面では、フルスクリーンブラウザを変更。例えば新設の「ライブラリパスナビゲータ」をフルスクリーン表示時に使うことで、ヘッズアップディスプレイなしでライブラリ全体の階層を移動できる。フィルムストリップのデザインも変化し、サムネイル表示領域が広がっている。

 読み込み関連でのトピックは、RAWとJPEGの同時記録を読み込む際、「RAWのみ」、「JPEGのみ」、「両方(JPEGをマスターに)」、「両方(RAWをマスターに)」から選択が可能になったこと。従来はRAWとJPEGが両方必ず読み込まれていた。また今回より、RAWとJPEGを別々の画像として読み込めるようになった。

 さらにMobileMeギャラリーでは、写真のキャプションやムービーを公開できるようになった。

 そのほか、計200を超える新機能を加えたとしている。

 なおAperture 3は、Snow LeopardとCore 2 Duoプロセッサの組み合わせで、64bitアプリケーションとして稼働する。従来は32bitで動作していた。


ブラシ機能を使用しているところ。ブラシのサイズ、柔らかさ、強さなどを設定できる


(本誌:折本幸治)

2010/2/10 13:55