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【CP+2025】レンズ関係の“新しモノ・珍しモノ”発見レポート2。“サムヤン×シュナイダー”、ゾーンプレートなど

本稿ではCP+2025の会場から、交換レンズ関連の注目最新アイテムについてピックアップする。

LKサムヤン

AF 14-24mm F2.8 FE

シュナイダー・クロイツナッハとのコラボレーションによる、ソニーEマウント用の超広角ズームレンズ「AF 14-24mm F2.8 FE」を展示。2025年上半期の発売予定としている。

フルサイズ用の開放F2.8通しというスペックを感じさせないほどの軽さが特徴となっている。LKサムヤンは2013年に日本導入されたサムヤンの新ブランド名で、今回CP+に初出展。同社の技術力を反映できるズームレンズに注力し、軽さと買いやすさでアピールしていく。

ブース側面に並ぶ参考展示レンズ。広角および望遠のAF単焦点レンズと、AFの標準ズームレンズ。いずれも2025年登場予定
最新の製品はこの2本。「AF 12mm F2 RF-S」はAPS-C用広角レンズにRFマウント用が加わる。「AF 35mm F1.4 P FE」(ソニーE用)は、“第3世代”という新レンズシリーズ「Prima」の1本目となる
AF 35mm F1.4 P FE
発売済みのRemaster Slim。世界初という光学ユニット交換式のAFレンズとしてアピールする。 21mm F3.5、28mm F3.5、32mm F2.8に交換可能。ソニーEマウント用

ズノン

ゾーンプレートを使って撮影する交換レンズ。厳密には“レンズ”ではなく、光の回折を用いて像を得ている。長年写真撮影を楽しんでいた創業者がシャープな写真に食傷気味となっていたところで、ゾーンプレート写真術を発信する竹田辰興氏と出会い、その原理を交換レンズ(レンズではないが)のスタイルに製品化した。

ZNONZ II(ブロンズ)。直販税込4万7,800円
ZNONZ II(スチール)。直販税込4万4,800円。富士フイルムGFXの44×33mmフォーマットにも対応するとのこと

マウントはユニバーサルなライカM形状。市販のマウントアダプターで好きなカメラに取り付けることを想定している。I型は振幅型ゾーンプレート、II型は位相型ゾーンプレートを採用しているのが違い。それぞれターレット式で4通りの写りが得られる。ブースで注目を集めている製品だが、現時点では直販のみで販売している。

ZNONZ Is。直販税込1万2,800円
“Tokyo Sumida Japan”の文字

ターレット機構にもこだわりが感じられる。側面のダイヤルを回していくと、あるところで腕時計の日付がクイックチェンジするように素早く切り替わる。うっかりダイヤルを触っても光軸からズレてしまわないよう、あえて複雑だが撮影上安全な仕組み(ゼネバ機構)を採用したとのこと。触ってみたところ、実用性と同時にメカニカルな心地よさも与えられていると感じた。

豊富な撮影例をチェックできる

焦点工房/E&I クリエイション/映像嵐

TTArtisan、LIGHT LENS LAB、Viltroxといった多くのブランドを擁し、ミラーレスカメラ用のAFレンズや、クラシックレンズ系の新製品を多く並べる。特に目を引いた製品を以下にピックアップした。

TTArtisan AF 23mm F1.8(富士フイルムXマウント用)。アルミ鏡筒で210gと軽量
レンズキャップかと思ったらUSBドックだった
TTArtisan AF 14mm F3.5(ソニーEマウントAPS-C用)。約98mmの軽量レンズ。35mm判換算21mm相当となる
LIGHT LENS LAB M 50mm f/2 Rigid。“リジッド”と呼ばれる世代のライカ・ズミクロン50mmを再現したという
ブラックとゴールドもある
参考出品のLIGHT LENS LAB M 50mm f/1.5 Z21(仮)。フランス製の「Angenieux 50mm F1.5 Type S21」をベースに、実測データや歴史資料に基づいて新設計で蘇らせたという。ライカMマウント用
参考出品のLIGHT LENS LAB M APO 35mm F2 ASPH.。アポクロマート設計のライカレンズと同等以上の性能を目指し、新規の光学設計を採用したという。最短撮影距離は0.3m
Viltrox AF 50mm F2.0 AIR E。フルサイズ対応のソニーEマウント用レンズ。軽量設計の万能レンズとしている
Viltrox AF 85mm F1.4 Pro E。フルサイズ対応の大口径AFレンズ。4月発売予定
Viltrox AF 35mm F1.2 LAB E。超高画質を追求した“LAB”シリーズに加わる1本。4月発売予定
7Artisans(七工匠)は独立したブースを展開
今回は各社、軽量推しのミラーレスカメラ用AFレンズが盛りだくさん。7Artisanssも、フルサイズ/APS-C、各マウント用を揃える。自分のカメラに取り付けて、フィーリングの合う1本を見つけたい

ライター。本誌編集記者として14年勤務し独立。趣味はドラム/ギターの演奏とドライブ。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究