ニュース

【CP+2025】レンズ関係の“新しモノ・珍しモノ”発見レポート(シグマ/タムロン/トキナー/シルイ/ラオワ)

本稿ではCP+2025の会場から、交換レンズ関連の注目最新アイテムや、印象的なブース展開についてピックアップする。

シグマ

シグマスタッフが胸に付けているバッジ。創業時から使っていたシンボルマークを再解釈したものだという

アルミ削り出しのミラーレスカメラ「Sigma BF」で話題沸騰のシグマ。同時にブランドのVI(ビジュアルアイデンティティ)も刷新されており、ロゴマークや書体が新しくなった。

手がけたのはSDL(Stockholm Design Lab)という、その名の通りストックホルムに拠点を置くブランディング/デザインエージェンシー。これまでシグマ製品に関するデザインを手がけてきた岩崎一郎氏も引き続き携わるという。ちなみにSigma BFはシグマ社内の“カメラ好き”なデザイナーのアイデアから始まったとのこと。

製品箱はArtラインやSportsラインなど、シリーズごとの色分けとなる

シグマも名を連ねるLマウントアライアンスは、会期初日の昼にパナソニックブースでトークイベントを開催。ライカ、パナソニック、シグマの担当者が各社の最新製品などを紹介した。今年は写真家のハービー・山口さんがゲスト参加し、LUMIX S9で撮影した作品を示しながら「シグマIシリーズの90mmがとても良かった」とコメント。

シグマのコンテンツ「大曽根、語る。」でお馴染みの大曽根康裕氏は、「シルバーのIシリーズレンズはSigma BFだけでなく、ライカSLシリーズのシルバーにもベストマッチ。LUMIX S9のシルバーボディにも是非組み合わせていただきたい」とアピール。シルバーカラーを選べるのは、現時点ではIシリーズレンズのLマウント版に限られる。

LマウントのIシリーズレンズ9本にシルバーカラーも展開。アルミ外装の質感を生かしている

タムロン

撮影体験の被写体となっているジオラマ。旧社名にちなんだ「TAISEI KOGAKU」の文字は同社のヘリテージ

2023年は青森のねぶた、2024年はBMWとMINIのレーシングカーと、毎年楽しいコラボを繰り広げる同社ブース。2025年はなんと「ゴジラ」が登場。「ゴジラに常識をぶち壊してもらう」のがコラボレーションのコンセプトだという。遠くからも目を引くジオラマ展示や、マクロレンズを使ったミニジオラマの撮影体験など、ゴジラづくしのブースとなっていた。

コラボのコンセプト
いまやタムロン自身も“タムキュー”の愛称で訴求する「90mm F/2.8 Di III MACRO VXD(F072)」でミニジオラマを撮影

注目の最新レンズは「50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD(Model A069)」、「28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD(Model A074)」、「90mm F/2.8 Di III MACRO VXD(Model F072)」の3本。

50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD(Model A069)
28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD(Model A074)
レンズ鏡筒のUSB Type-C端子にスマホを接続して使う「TAMRON Lens Utility Mobile」アプリのデモ。レンズそのものをリモート操作するというアプローチが新しい

トキナー

atx-m 11-18mm F2.8 X

ケンコー・トキナーブースから独立した場所にあるトキナー。新製品は3月14日に発売する「atx-m 11-18mm F2.8 X」。ソニーEマウント用として登場したレンズに富士フイルムXマウント用が加わる。価格は税込11万4,400円。

マウント部を見るとUSB端子が存在。同レンズのEマウント用から備わっているもので、ファームウェアアップデート用とのこと。

microUSB端子が備わる
超望遠レンズ「SZ PROシリーズ」は、APS-C用の300mm F7.1、600mm F8、900mm F11をラインナップ。今や珍しいレフレックスレンズが、新しい世代に新鮮に受け入れられているという。

シルイ

これから発売するVP-1シリーズのレンズ3本

SIRUI JAPANのブースでは、新レンズシリーズVP-1(Vision Prime 1)を展示。35mmフルサイズをカバーするイメージサークルを持つシネマ用のレンズで、マウント部分を交換式としている。24mm、35mm、50mmがあり、価格は1本で税別9万7,000円、3本セットで税別28万4,000円。4月に発売予定。

マウント部パーツはEマウント、Lマウント、RFマウント、Z マウントを用意。ネジ4本で留まっている部分を緩めて交換すれば、調整不要で使えるとしている。シルイの交換レンズは軽量かつ全長が短く明るいという特徴を持っているそうで、描写については「マイルド」や「シルキー」といった評判があるという。

AF対応のアナモルフィックレンズにも新製品が追加される。こうした特殊効果的なレンズであっても、小規模撮影が主流の昨今はAF対応が好まれるとのこと。

ラオワ

参考出品の「35mm F2.8 Tilt-Shift 0.5× Macro」。三脚座も付属する

サイトロンジャパンが扱うLAOWAは3本の参考出品レンズを発見。注目はミラーレスカメラ用のティルトシフトレンズ「35mm F2.8 Tilt-Shift 0.5× Macro」とのことで、等倍マクロ対応の100mm、55mmに加わる3本目。本レンズは1/2マクロ対応となる。シフト量に多少制約は出るが、44×33mmフォーマットの富士フイルムGFX用も用意した。市場にあるティルトシフトレンズは基本的に一眼レフカメラ用で、「今ならもっと違うものにできる」との発想からミラーレス用に設計。画質に自信があるという。

3本の参考出品レンズ
スーパー35対応の放送用レンズ。8Kではセンサーサイズが大きくなることを見越して、スーパー35向けのレンズを開発していたという
近日発売予定の「Proteus Flex 45mm T2 2× Anamorphic」。後部を取り換えることで、いわゆるアナモルフィックレンズらしいライトリークの色が変えられるという品。なんともマニアック

ライター。本誌編集記者として14年勤務し独立。趣味はドラム/ギターの演奏とドライブ。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究