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「ライカSL3-S」の実機が披露…写真家・南雲暁彦氏も“トータルバランスの高さ”を評価
2025年1月17日 19:22
フルサイズミラーレスカメラ「ライカSL3-S」(以下、SL3-S)が1月25日(土)に発売される。発売に先駆けて、ライカ表参道店で実機が披露されたのでその様子をお届けしたい。なお、ライカストア各店舗では1月18日(土)から一般向けにも展示する。
SL3-SはLマウントを採用する“SLシリーズ”の最新モデルで、有効2,460万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを採用する。ベースモデルとなる2024年3月発売の「ライカSL3」(以下、SL3)から、新たにイメージセンサー全面を使うオープンゲートでの6K 30fps記録に対応するなど、主に動画機能面が強化された。
ちなみに、SLシリーズ各モデルの発売時期は以下の通りとなっている。
“-S”で変わったこと
SL3からSL3-Sに展開する流れは、前世代の「ライカSL2」から「ライカSL2-S」への流れと同じだ。わかりやすく異なる点でいうと、イメージセンサーの有効画素数が“-S”になるとより低い数値に抑えられているという部分も変わらない。
具体的には、SL3で有効6,030万画素だったものが、前述のとおりSL3-Sでは2,460万画素となっている。
この新しくなったイメージセンサーは、画素数を抑えてピクセルサイズに余裕ができたことでより暗所での撮影に強みを持つという。最大ISO感度もSL3でISO 100000だったところ、SL3-SはISO 200000に向上。ノイズの処理も高いレベルでコントロールしているほか、最大15ストップとなるダイナミックレンジの広さも特徴としている。
また「マルチショットモード」を備えており、4,800万画素および9,600万画素相当での撮影にも対応する。
画像処理エンジンにはSL3と同じく「Maestro IV」を採用。イメージセンサーとの組み合わせは“これまでにない”高速処理を可能にしたとしており、それによりAF性能はSL3を上回るという。像面位相差AFセンサーは継承してAF方式そのものは変わらないが、位相差検出の測距点が779点に増えるなどその性能は大きく改善したとしている(SL3は315点)。
高速な画像処理性能は、連写性能の向上にも寄与している。SL3-Sは電子シャッター時で最大30コマ/秒のAF追従連写に対応する。SL3は15コマ/秒だったので、このあたりも製品選択の材料になりそうだ。
“オープンゲートレコーディング”に対応
“SL”に対する“SL-S”の立ち位置としては、より静止画と動画の両方に高いレベルで対応するというメッセージがその機能から読み取れる。
SL3-Sにおいては、その大きなトピックが6Kのオープンゲート撮影に対応する点だ。イメージセンサーのすべての領域で動画を記録。つまり3:2のアスペクト比で記録するわけだが、そうすることによってその後に4K画質で16:9に切り出せるなど、最終的に作品に仕上げるときの“フレキシビリティ”が向上するのだという。
南雲暁彦氏による「ライカSL3-S」の撮り下ろし作品
ライカ表参道店に常設している「ライカギャラリー表参道」では、写真家の南雲暁彦氏による写真展「Tokyo Moonscapes 東京恋図」を開催。同氏がSL3-Sを使用して撮り下ろした作品15点を展示する。
SL3-Sの内覧会には南雲氏も登場してトークショーを行った。前世代モデル「ライカSL2」を使用していたという同氏だが、SL3-Sについてはその“トータルバランス”を高く評価した。
まず着目したのはダイナミックレンジの広さ。新しいカメラをテストするときには、夕景や夜景を撮影するという南雲氏は「月」の撮影を試みたという。そのダイナミックレンジの広さによって微妙なニュアンスを出すことが出来るのだと語った。
そのほか、前世代モデルより軽量化している点や、バッテリーの持ちが向上している点、チルト式モニターを採用している点など、あらゆる面でユーザビリティが向上しているとも評価した。
南雲暁彦写真展「Tokyo Moonscapes 東京恋図」
開催期間:2025年1月18日(土)~4月20日(日)
会場:ライカギャラリー表参道(ライカ表参道店2F)