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【CP+2024】編集部員が気になった製品をピックアップ

2月22日(木)~2月25日(日)にかけて開催されたCP+2024。このページでは、当サイトの編集部員が会場で気になったアイテムをご紹介します。

PGYTECH:防塵防滴のリーダー内蔵メモリーカードケース

PGYTECHのブースでは、カードリーダーが一体化したメモリーカードケースを展示していた。発売済みのSD/microSD対応モデルに加えて、CFexpress Type A/SD、CFexpress Type B/SD対応モデルが2024年内に追加されるという。

CFexpress Type B/SD対応モデル

耐衝撃性に優れるというラバー外装が目を引くデザイン。IP54の防塵防滴性能を有するという。本体をスライドするとカードケースおよびカードリーダーが現れる仕掛けとなっている。

画像はCFexpress Type B/SD対応モデル。CFexpress Type B×2枚、SD×3枚、microSD×4枚、nano SIM×2枚を収納できる

CFexpres対応モデルは、インターフェースにUSB Type-C(USB 3.2 Gen 2対応)を採用。ケーブルも本体内にうまく収納できる仕組み。

USB Type-Cのコネクターがケース内に収まっている
中央の溝にケーブルが収まる構造

ラバー外装や備え付けのカラビナが“アウトドア感”を演出しているようでかっこいい。

カラーはモスグリーンとブラック

(宮本義朗)

TASCAM:ピンマイクで確実な音声収録を

TASCAMブースで見つけた「DR-10L Pro」は、32bitフロート録音対応のピンマイク付き小型オーディオレコーダー。こちらは発売済みで、直販価格は税込2万6,950円。

単体でレコーダーとなるため(microSDカードに記録)、インタビュー取材などでのバックアップにも使える。最近流行りのワイヤレスマイクとは異なり、混信などによるトラブルも回避できる。32bitフロート録音なので、ささやき声から大きな音まで、確実に録音できるのも強み。

そしてもう一つの特徴が、同期機能を持っていること。Bluetoothアダプター(別売)と、Atomos社の「Ultra Sync Blue」(別売)を組み合わせることで、対応カメラと複数台の「DR-10L Pro」のタイムコードを同期できる。編集フローが大幅に効率化できるという。

スマートフォンアプリも無償で公開しており、最大5台まで同時にリモート操作できる。

別売のBluetoothアダプター(左上)
Atomos社の「Ultra Sync Blue」(左下)を組わせると、複数台の動機も可能

(宮本義朗)

よしみカメラ:思わず笑顔になってしまう“おしゃべりわんわん”

会場内を歩いていると、カメラの上に座る犬のぬいぐるみを見つけた。百聞は一見にしかず、以下の動画を見てみてほしい。よしみカメラの代表取締役・一木尚敏さんが実演してくれた。

この“おしゃべりわんわん”を向けられたら、被写体となる人も思わず笑顔になってしまうだろう。撮影現場がほっこりするに違いない。

この製品はマグネットを備えたアクセサリーシューカバーと、専用の3種の粘着テープ付きプレート、おしゃべりわんわんのぬいぐるみがセットになっている。直販価格は税込6,050円。

粘着テープ付きプレートは他のアイテムに付け替えることも可能。子どもの好きなおもちゃに付け替えて使用することを想定している。

マグネットで装着

おしゃべりわんわんのぬいぐるみが付属しない「マグネット付きシューカバー+3種の粘着テープ付きプレート」もラインアップ。こちらは税込2,178円。粘着テープ付きプレートの単品も税込1,100円で用意している。

現在は同社直販サイトにて予約販売中で、3月1日(金)より順次発送する。

(宮本義朗)

Leofoto:三脚メーカーのブロワー

プロ向けの三脚を展開するLeofotoブースでは、なんと電動のブロワーが展示されていた。発売は未定。

強さは3段階で調節可能。本体は手のひらサイズでコンパクトなデザインだが、最高出力時にはけっこう強い風が出る。見た目がかっこいいので、製品化に期待したい。

強さは3段階

ギア雲台「G6」も参考展示。同社ギア雲台の従来品よりも細かい調整に対応するという。発売時期・価格は未定。

ギア雲台「G6」

(宮本義朗)

SAMYANG(ケンコー・トキナー):シネAFレンズ関連

左がV-AF 20mm T1.9、右がV-AF 1.7X Anamorphic MF Adapter使用例

Eマウント用AFレンズ「V-AF 20mm T1.9」と、V-AFシリーズをアナモルフィックレンズとして使えるマニュアルアダプター「V-AF 1.7X Anamorphic MF Adapter」が展示されていた。どちらも今春発売予定・価格未定。

V-AF 20mm T1.9は、同社の“シネAFレンズ”ラインナップに加わる超広角レンズ。同じシリーズに属するレンズとサイズや重量(280g)が揃っており、ジンバルやドローンでの撮影時にレンズを交換してもリバランス不要な点をアピールしている。

V-AF 1.7X Anamorphic MF Adapterは、上記のV-AFレンズの前面に取り付けるMFアダプター。これによりV-AFレンズをアナモルフィックレンズとして使えるようになり、そこで得られる描写から、より本格的なシネマティック表現が可能になるという。

V-AF 1.7X Anamorphic MF Adapterは、既存のV-AFレンズの前に取り付ける製品

(鈴木誠)

Sakura Sling project:リコーGRと組み合わせたい新モデル

CP+には初出展というSakura Sling project。今春発売予定の新製品として、コンパクトカメラ用のサクラスリングを展示していた。発売時点では3〜5種類の柄を用意する予定だという。

二点吊りに対応する松葉紐タイプで、一点吊りで使うこともできる。新たなポイントとしては、ジッパー式ポケットの開口部分を大きくしている。従来はレンズキャップや小物を入れるポケットとして用意していたが、今回はカメラそのものをくるんで保護できるようなサイズになっていた。

二点吊りの状態
一点吊りの状態
ジッパー式のポケットがある
カメラ本体をポケット部分に入れ、ストラップ部分の布でくるんだところ

サイズはリコーGRシリーズなど、ポケットサイズのコンパクトカメラに向きそうだ。ストラップ兼ポーチという発想はスマート。

(鈴木誠)

GODOX(KPI):タッチパネル操作のワイヤレスフラッシュトリガー

メイン操作部はOLEDタッチパネル

KPIブースでは、GODOXのワイヤレスフラッシュトリガー「X3」が展示されていた。2024年春〜夏頃の発売を予定する。希望小売価格は税込1万6,280円。

操作部にOLEDタッチパネルを採用した小型のコマンダーで、手のひらサイズが特徴。タッチパネルが操作できない場合に備え、側面に操作ダイヤルを設ける。

側面操作部は右から操作ダイヤル、電源ボタン、テスト発光ボタン

ファームウェアの更新や充電などに用いる本体のUSB Type-Cコネクタを搭載。バッテリーは約2時間でフル充電できるという。カメラとの着脱はボタンを押すだけで行える。

USB Type-Cコネクタを搭載。カメラとの着脱操作は、Type-Cコネクター下のボタンひとつ

(佐藤拓)

KASE:複数のNDフィルターがワンタッチで着脱可能に

中国のフィルターメーカー「KASE」は複数のNDフィルターがワンタッチで入替できるフィルターホルダーを参考出展した。発売時期・価格は未定。

合計3枚のNDフィルターが収納可能。フィルター自体にはロックが掛けられるため、出し入れする際にフィルターホルダーから外れる心配がない。今回の展示ではND2、ND4、ND8がセットになり、すべて合わせることでND16として利用できる。

レンズ取り付けもマグネットを採用。アダプターリングで様々なサイズに展開する予定だという。

KASEは、イメージセンサーの前に取り付けるフィルターを昨年のCP+2023で出展していた。現在はヨドバシカメラでのみ販売されている。今後も国内での販路を広げると話す。

カメラセンサー前に取り付けるフィルター

(佐藤拓)

SWAROVSKI OPTIK:世界初のスマート双眼鏡

ハクバ写真産業ブースで異彩を放っていたのが、同社が代理店を務めるSWAROVSKI OPTIK(スワロフスキーオプティック)の双眼鏡「AX VISIO 10×32 JP」だ。なんと世界初のスマート双眼鏡だという。

何がどうスマートなのかというと、視界に野鳥を収めると、その名前が双眼鏡の視野内に表示されるのだ。ブースに掲示された野鳥の写真をこの双眼鏡で視ると、確かに鳥の名前が赤いテキストで表示される。

つまり、双眼鏡単体で鳥の認識ができているということ。しかも鳥だけではなく、動物の識別もできるという。その数なんと9,000種類以上とのこと。

ただしいまのところ、表示される鳥や動物の名称は英語名のみ。識別できる種類も、欧州や米国で生息するものが中心になっている。

なお双眼鏡単体で、静止画・動画の記録も行える。専用アプリを使えば、スマートフォンなどを使ったワイヤレスでのライブビューも可能だ。三脚に固定しての観察も楽しいかもしれない。

鳥・動物の観察がより楽しくなりそうなこの双眼鏡、撮影そっちのけで覗き続けてしまいそう。気軽にフィールドに持ち出したいところだが……さすがスワロフスキーオプティック、光学系にも手を抜くことはなく、希望小売価格は88万円(税込)とのこと。発売時期は未定だ。

(折本幸治)

thinkTANKphoto:定番アイテムがさりげなく刷新

thinkTANKphotoブランドのソフトメモリーカードケース「セキュア ピクセル ポケット ロケット」に、CFexpress対応版が登場する。銀一ブースで参考出品されているのを見つけた。

これまでSDメモリーカード、XQDメモリーカード、コンパクトフラッシュに対応していた同シリーズ。参考出品はCFexpressのみの製品と、CFexpress×SDメモリーカードの2種類。

記事冒頭で紹介したPGYTECHのメモリーカードケースもそうだが、CFexpressへの切替が進む中、収納アイテムも順調に対応が始まっているようだ。

ORANGEMONKIE:畳むと持ち手付きのケースになる撮影ボックス

韓国および米国にオフィスを構えるORANGEMONKIEは、たためる撮影ボックスの「Foldio2」「Foldio3」を紹介していた。

左からFoldio3、Foldio2
特徴的な構造をしている

広げると箱形に、折りたたむとアルタードケースのような持ち手付きのケースになるのが特徴。LEDも装着されており、そのまま収納状態にできる。折りたたみ式の撮影ボックスはほかにもあるが、さっと広げてきっちり収納できるのが魅力だ。

どちらもすでにAmazon.co.jpで販売中。5月にはさらに大きな製品が投入されるという。

SAEDA:人感センサー付きのKodak製デジタルフォトフレーム

コンソールデバイスのLoupedeckやライティング機材のPhottixなどを取り扱うSAEDAでは、新規に取扱いを開始するGoocong三脚の展示が目立ったが、その横でKodakブランドのデジタルフォトフレームも展示していた。

近年では店舗などで屋内向けサイネージ的な使い方をされているのを見かけることも多いデジタルフォトフレームだが、操作が簡単かつ写真表示を単体で行なえるデバイスとして根強い需要があるようで、最近でも数は少ないながら新機種が発売されている。

展示していたデジタルフォトフレームは23.8型の「WF-238V」、17.3型の「WF-173V」、10型の「RWF-109」と「RWF-108H」。いずれもWi-Fi対応でスマホなどから写真や動画を送信できる。RWF-108Hを除く3機種はフルHD解像度。

壁掛けタイプの前者2機種は参考出品。どちらも木目調の「ナチュラル」とシンプルな「ブラック」の2種類を用意する。人感センサーを備えており電源の自動ON/OFFが可能。画面はノングレアで内蔵メモリは32GB。卓上タイプの10型モデルは今夏発売予定としている。

(ライター:関根慎一)

デジカメ Watch編集部