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2023年のデジタルカメラ総出荷は772万台…前年比96.4%に

出荷金額は回復傾向 ミラーレスカメラも過去最高水準に

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は2月1日(木)、2023年の年間デジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。

出荷金額は回復傾向が継続

2023年の年間デジタルカメラ総出荷台数は772万505台、金額は7,143億3,695万2,000円を記録した。前年比では台数が96.4%とわずかに減少したものの、金額は104.9%と微増した。

出荷金額においては、2017年(7,928億1,749万1,000円)から2020年(4,201億3,770万6,000円)にかけて落ち込んで以降、2021年(4,889億3,332万7,000円)・2022年(6,812億3,264万3,000円)・2023年と連続して伸長。2018年(7,291億4,442万5,000円)と同水準まで回復している。

出荷台数は減少傾向が継続。金額で同水準となった2018年の1,942万3,371台と比較しても大きく引き離された状況となっている。

カメラ区分で見るとミラーレスカメラが台数、金額ともに好調を見せた。同統計にノンレフレックス(CIPAにおける当時のミラーレスカメラの呼称)の区分が登場して以降で最高の水準となった2022年の台数407万3,511台、金額5,234億5,159万2,000円も上回る結果となった。

レンズ一体型カメラにおいては、台数は82.6%で前年を下回ったものの、金額は108.9%と伸長。一眼レフカメラは台数62.9%、金額65.2%といずれも大きく減少した。

2023年デジタルカメラ出荷実績(世界全体)
区分実績前年比
デジタルカメラ合計7,720,505台96.4%
714,336,952千円104.9%
レンズ一体型1,721,592台82.6%
77,292,650千円108.9%
一眼レフ1,166,100台62.9%
56,575,775千円65.2%
ミラーレス4,832,813台118.6%
580,468,527千円110.9%

好調の中国、欧米は振るわず

日本国内向け市場における年間デジタルカメラ総出荷台数は91万1,658台、金額は626億1,615万円だった。台数は98.1%とわずかに減少した一方、金額は103.7%と微増する結果となった。

カメラ区分では世界全体の動きと同様にミラーレスカメラがとくに好調だった。前年比で台数が120.4%、金額が106.8%と成長を続けている。一眼レフカメラは台数が53.3%、金額57.6%と、他の地域と比較しても減少幅が大きい傾向となった。

2023年デジタルカメラ出荷実績(日本国内)
区分実績前年比
デジタルカメラ合計911,658台98.1%
62,616,150千円103.7%
レンズ一体型391,957台85.6%
11,819,528千円106.6%
一眼レフ37,933台53.3%
2,173,184千円57.6%
ミラーレス481,768台120.4%
48,623,438千円106.8%

国外向け市場(日本以外)の年間デジタルカメラ総出荷台数は680万8,847台、金額は6,517億2,080万2,000円を記録した。前年比で台数が96.1%、金額が105.0%となっている。

とくに好調だったのは中国向け市場で、台数124.7%、金額124.6%といずれも伸長。ミラーレスカメラにおいては台数139.5%、金額130.5%と大きく数字を伸ばした。

一方で、欧州向け市場と米州向け市場は振るわなかった。ともに台数および金額が前年割れ。とくに欧州向け市場では、ミラーレスカメラが台数101.8%、金額100.5%となんとか前年を上回ったものの、他の地域と比べてその成長率が低い状況となっている。

2023年デジタルカメラ出荷実績(地域別)
地域実績前年比
中国向け1,564,709台124.7%
179,999,466千円124.6%
アジア向け(日本・中国以外)1,083,416台98.2%
110,946,772千円106.6%
欧州向け1,932,817台80.8%
158,588,983千円93.2%
米州向け1,941,959台94.3%
173,451,330千円99.2%
その他地域向け285,946台104.0%
28,734,251千円105.5%
本誌:宮本義朗