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キヤノン、被写体照度0.001lux対応のSPADセンサー搭載監視用カメラ。“闇夜でも数km先の被写体を鮮明に”
2023年8月1日 16:49
キヤノンは、カラー撮影用SPADセンサーを搭載した産業用超高感度カメラ「MS-500」を8月下旬に発売する。
映像撮影用として世界最高という約320万画素(有効約210万画素)の1.0型SPADセンサーを搭載。最低被写体照度0.001luxの高感度性能をもち、超望遠性能を有する放送用レンズと組み合わせることで、闇夜でも数km先の被写体を鮮明に撮影できるとしている。港湾や公共インフラ施設、国境付近など極めてセキュリティレベルの高いエリアでの監視カメラとしての用途を想定する。
SPADセンサーは、画素に入ってきた光の粒子(光子=フォトン)を数える「フォトンカウンティング」という仕組みを採用したもの。画素に蓄積した光の量を測る「電荷集積方式」のCMOSセンサーと異なり、入射した光子を約100万倍に増倍して大きな電機信号として出力する。読出し時のノイズが抑えられるのも特徴で、これにより0.001luxの低照度環境下においても鮮明なカラー撮影を実現できるとしている。
用途に応じた画質設定の調整に対応するカスタムピクチャー機能として、シャープネス、ガンマカーブ、ノイズリダクションの設定を監視用途に最適化した「CrispImg2(クリスプイメージ 2)」を搭載。また、被写体の黒潰れや背景の白飛びを抑える「スマートシェード補正」、かすみ・もやの影響を軽減し適正なコントラストに自動調整する「かすみ補正」といった画像補正機能も備える。
このほか、リモート制御を可能にするシリアル通信機能として、同社独自の「NU プロトコル」や、米国PELCO社の「Pelco-D プロトコル」に対応する。