ニュース

キヤノン、グローバルシャッター機能搭載の産業用CMOSセンサー。“被写体をゆがみなく捉える”

35mmフルサイズ・約1,900万画素

LI5030SAC

キヤノンは、有効約1,900万画素の産業用CMOSセンサーを2023年1月下旬に発売すると発表した。ラインアップは、「LI5030SAC」(カラー)、「LI5030SAM」(モノクロ)、「LI5030SAI」(カラー・近赤外線)、「LI5030SAN」(マイクロレンズ・カラーフィルターともに非搭載)の4モデル。

グローバルシャッター機能を搭載した、産業用途の35mmフルサイズCMOSセンサー。被写体やカメラが速い動きを伴う場合でも、被写体を歪みなく撮像できるという。有効画素数約1,900万画素(5,688×3,334)と多画素ながら、センサー内の駆動回路と信号処理回路を高速化したことで、約58fps(全画素出力時)の高速読み出しを実現。「港湾・鉄道などにおいて昼夜問わず監視する用途や、顕微鏡による微小構造の観察、工場における部品の検査などの産業用途」に対応する。

画素サイズを一辺6.4μmとしたことで光の利用効率を高めた。これにより高い高感度性能を確保し、昼夜における監視など、暗い環境下での撮影にも対応するとしている。また、同社が長年培ってきたセンサー技術を活用してノイズを抑制。広いダイナミックレンジを実現したことで、建物の出入り口など明暗差が大きいシーンにおいても高画質な撮像を得られるという。

グローバルシャッター方式(左)とローリングシャッター方式(右)のCMOSセンサーでの撮影例

カラーおよびモノクロフィルターを搭載した「LI5030SAC/LI5030SAM」は産業用途での幅広いニーズを想定。近赤外線フィルターを搭載した「LI5030SAI」は可視光域と近赤外線域が同時に撮像可能としており、交通監視用カメラや産業用カメラ向けの用途を見込む。マイクロレンズおよびカラーフィルターが非搭載の「LI5030SAN」は、電子顕微鏡やX線検出カメラでの活用が可能という。

LI5030SAN
本誌:宮本義朗