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ソニー、パン・チルト・ズームの3軸動作でAI自動撮影する「PTZオートフレーミングカメラ」

ソニーは、AIで被写体追従撮影が可能なリモートカメラ「PTZオートフレーミングカメラ」の2モデルを6月15日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格(税込)は「SRG-A40」が46万4,000円前後、「SRG-A12」が39万1,000円前後。

同社のビジネス向けリモートカメラ「SRG-A」シリーズに属する新モデル。リモートコントロールによる撮影のほか、AI技術によりパン(P)・チルト(T)・ズーム(Z)の3軸動作を駆使してカメラが被写体を自動追従する「PTZオートフレーミング機能」が特徴。教育、ビジネス、医療に加え、スポーツやライブイベントなど様々な分野での活用を想定しており、「自動撮影カメラによる省人化」を目指す。

同シリーズの従来モデルも追従機能は有していたが、パン動作に限定されていた。新モデルではそれにチルトとズームが追加されたことが大きな進化ポイントとなっている。

ディープラーニングを活用した、同社開発によるAIアルゴリズムを搭載。骨格、頭部位置、見た目特徴量(服の模様など)の3つの要素を複合的に認識することで、被写体がマスクを付けた状態での認識・追従にも対応。また、カメラ内での処理を低遅延で実行することにより、多様な動きをする被写体でも常に画角のセンターで捉え続けることが出来るという。

顔の認識にも対応しており、画角内で選択した特定の被写体の身を追従するといったことも可能。プライバシー保護の観点から、特定の顔を記憶して保存する機能は持たない。

なお、これらAI技術は同社デジタルカメラのαシリーズに搭載されたものとは異なり、リモートカメラ専用に開発したものとしている。

同社は具体的な主たる活用シーンとして、文教系の現場を想定。リモートスタイルの大学の講義などでも、教授の動きを自然なフレーミングで捉えることにより講義を受ける学生側のストレスを削減。専任のオペレータが不要になり、講義運営の効率化も図れるとしている。

また、国内市場においては映像制作やエンターテイメントの領域にも挑戦したいと同社は意気込む。例えば、複数名のダンサーが激しい動きで入れ替わったり交差しながらパフォーマンスをする際にも、指定した被写体を離すことなく追従する性能を持つとアピールしている。

両機種の違いはズーム倍率。SRG-A40は光学20倍ズームに加え、40倍の全画素超解像ズーム(4Kの場合30倍)に対応。さらに、光学40倍、超解像80倍を可能とするテレコンバートモード(フルHDのみ)も搭載する。SRG-A12は光学12倍、テレコンバートモード光学24倍に対応する。

両モデルいずれも、1/2.5型の応裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R」を搭載。4Kで最大30fps、フルHD(4Kオーバーサンプリング)で60fps撮影が可能。例えば大学の講義での活用シーンにおいて、板書文字まで高精細に捉えられるとしている。

本モデルから新たにタリーランプが搭載された
本誌:宮本義朗