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東京・新宿のニコンプラザがリニューアルオープン
撮影セットが充実 Z 7II・Z 6IIの展示機もいちはやく用意
2020年10月23日 18:56
東京と大阪の2拠点体制に
ニコンプラザは、同社のショールームと展示会場機能をもつ拠点だ。銀座・新宿・大阪にそれぞれ設置されていたが、この10月に銀座が閉館。新宿と大阪の2拠点での運営に切り替わる。
この再編にあわせて新宿のニコンプラザは「ニコンプラザ東京」に改称。場所は変わらず、新宿エルタワーの28階で営業を続ける。
ニコンプラザ大阪も10月30日のリニューアルオープンを予定。旧所在地から御堂筋グランタワー(大阪府大阪市中央区博労町3-5-1)の17階に移転しての営業再開を予定している。
コンセプト
リニューアルにあたり、同社は両拠点のコンセプトを「あらゆる表現者のハブとなる共創と情報発信の場」と位置づける。ポイントは以下4点だ。
一つ目はショールームとしての機能。最新製品に触れることができるタッチ&トライコーナーは継続して設置しているが、常時設置する機材を絞り、より最新機種を体験してもらいやすい環境を整えた。
11月6日の発売を予定しているミラーレスカメラ「Z 6II」はもちろん、「Z 7II」(12月発売予定)も先行して展示。いちはやく発売前の製品に触れることができる場となっている。実機はZ 6IIとZ 7IIでそれぞれ2台を用意しており、施設内で自由に試用することができるようになっている。NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctも常設で置かれているため、例えば新宿の高層ビル群を被写体に、点光源の出方などをしっかりと確認することもできる。新型のボディ両機はまだ量産前のものであるため、撮影データの持ち帰りは不可とのことだが、対応ボディや小物を持ち込んでの撮影も大歓迎とのことなので、試してみたいレンズがあればスタッフに声を掛けてみてはいかがだろか。
また、第二世代Zシリーズを含めた製品の紹介コーナーも設けられている。「Z システム相談コーナー」と題したものだが、ニコンカレッジの講師をつとめる写真家が施設で来場者の質問に答えてくれる。期間は10月24日から12月26日にかけてを予定しており、風景やスナップなど、それぞれの分野を専門にしているニコンカレッジの講師が毎回入れ替わりで説明を実施する予定だという。
開催は期間中の毎週土曜日、13時00分~18時00分(例外として11月3日〈火・祝〉と11月23日〈月・祝〉も開催)を予定。各日程の担当写真家は、当日入り口に立て看板で表示されることになる。現地に来て、その日ごとの写真家との交流もぜひ楽しんでほしいと担当者は話す。
二つ目は、クリエイティブセットの設置。リニューアルオープンした施設のコンセプトをまさに体現した場だといえる。
ここはさながら小さなスタジオといえるほど、撮影の楽しみが体験できるスペースとなっている。ライティングを来場者が自由に操作できるようになっているほか、小物類の配置も自由に動かして楽しんでほしいと担当者は話す。
従来、ショールームといえば製品の手に持った感触を確かめることができるところに留まっており、実際の使用感を掴むことは難しかったが、今回のリニューアルでは、施設全体をひとつの体験空間として位置づけており、製品の魅力を施設内の様々なスペースや小物で楽しめる場となっている。
三つ目は、クリエイティブスクエアの設置。写真作品だけでなくアート作品を含めた創作活動を見せることができるスペースとなっている。両スペースともに作業スペースも設けられており、ワークショップなどでの活用も見込むとしている。当面は、Zシリーズ等で撮影された写真を展示していくが、今後はここも様々な作品の展示スペースとして使ってもらえるようにしていきたいと話す。
四つ目は、写真展会場としての機能。写真文化の普及・向上を目的とする公募制の写真展示場であるニコンサロンと、ニコンが企画し発信する写真展会場であるTHE GALLERYが併設。様々なクリエイターの展示会が行われ、新しい視点の表現に出会える場として位置づける。
リニューアル以前、ニコンプラザ新宿のTHE GALLERYは2つのセクションで構成されたギャラリーとなっていた。さらに遡ると、「新宿ニコンサロン」と「ニコンサロンbis」を統合したものとして2017年の7月にオープンしたスペースで、初回展示は三好和義さんの「印度眩光 -マハラジャの歳月-」だった。
今回のリニューアルの皮切りは古賀絵里子さんがつとめる。写真展タイトルは「BELL」。安珍清姫の物語に取材した内容で、会期は10月23日〜11月16日にかけて。このあと、ニコンプラザ大阪に巡回を予定している(会期:11月26日〜12月9日)。
ユーザーとともに成長していく場として
施設内を歩き回る中で気づいたことは、さまざまな角度から製品を眺めたり、撮影の体験ができるため、常に新しい発見があるということ。この角度から撮ったら面白んじゃないか、ここであのレンズを使ってみたら、など様々な刺激にあふれている。
施設内は、撮影の体験しやすさを重視したつくりとなっている。担当者が「ニコンプラザの完成形はない」と話すとおり、来場者・ユーザーとともに撮影の楽しさや気づきを拡張していく場としてつくっていくことが施設のコンセプトの核を成しているという印象で、今後ユーザーからの要望や声をうけて様々に変化させていきたいという。従来一方通行であったショールームとしての機能から一転して、ともに楽しみ気づく場として成長させていきたいのだそうだ。
施設の一角にはスタジオスペースも用意されている。周囲が暗幕で区切られているため、閉めてしまえば暗闇をつくれるという。例えば新宿の夜景を撮ってみたりなど、活用のしかたも様々。こうしたスペースをいかした体験なども、今後提案していきたいという。
また会場内には背の高い什器が据え付けられていない。いずれの展示台もすぐに解体したり動かすことができる点を重視したとしており、施設内の空間のフレキシブルな活用を可能とした点も今回のリニューアルにおけるポイントだという。
また、今後は製品の開発者を施設に呼び、製品とユーザーとの交流を積極的に推し進めていくことも目指したいという。そうした試みの一環でもあるのだろう、作例のポップには開発者からのメッセージが記されたボードも併置されている。
また、カットモデルなどの展示もある。製品の技術や機構などを知ることができる点も施設来場の楽しみのひとつ。CP+の展示会場が、そのまま収まっているイメージも抱かされる。
修理サービスも継承
ローパスフィルターの清掃やメンテナンスなどの修理サービスも引き続き受けつける。サービスの利用にあたっては事前の予約が必要。所定のWebページ「ニコンプラザサービス事前予約のご案内」から利用を希望する日の前日(24時)まで申し込みが可能となっている。
窓口で受けつけている内容は、点検・清掃サービス「プラザ点検パック」と、各部の動作や精度などをチェックする「定期メンテナンス」の2種類がある。
プラザ点検パックはA、B、C、Zの4コースが用意されている。一例としてAコースの内容を紹介すると、これはデジタル一眼レフカメラまたは200mmまでのレンズを対象としたもので、点検・センサー清掃・外観清掃・ピント点検調整がワンパッケージとなっている。料金は税込で3,300円だ。このほか、ZコースはミラーレスカメラZシリーズを対象としたものとなっている。料金は同じく3,300円だ。
ちなみに修理対応が可能な製品はWebページ「修理受付可能な製品一覧」から確認できる。生産を終了した製品など部品交換をともなう修理やオーバーホールなどは修理センターへの依頼となるので、希望する製品が対応可能な製品であるかは事前に調べておきたい。
ニコンプラザ東京
所在地
東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階
営業開始日
2020年10月23日(金)
営業時間
10時30分~18時30分
休館日
日曜日、年末年始および特定日を除く
施設機能・サービス
ショールーム、サービスセンター、プロサービスセンター、THE GALLERY、ニコンサロン
ニコンプラザ大阪(移転)
所在地
大阪府大阪市中央区博労町3-5-1 御堂筋グランタワー17階
営業開始日
2020年10月30日(金)
営業時間
10時30分~18時30分
休館日
日曜日、年末年始および特定日
施設機能・サービス
ショールーム、サービスセンター、THE GALLERY