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富士フイルム、GFXシリーズ全機種に大型アップデート

AF・画づくりなどを拡張 NINJA VへのRAW動画出力も

対象製品のひとつFUJIFILM GFX100

富士フイルムは6月30日、ミラーレスカメラGFXシリーズ用の最新ファームウェアを公開した。対象機種はFUJIFILM GFX100および同GFX 50S、同GFX 50R。

内容はGFX100とGFX 50S/Rで異なっているものの、同社APS-Cセンサー搭載ミラーレスカメラX-Pro3やX-T4、X100Vなどで新たに搭載されていたフィルムシミュレーション「クラシックネガ」などの追加や、顔・瞳認識を含めたAF性能に関すの改善などは、3製品で共通している。

GFX100ならではの機能向上点では、USB通信による動画撮影の制御やATOMOS社のHDMIフィールドモニター/レコーダー「NINJA V」への対応などが盛りこまれている。

いずれの製品もメジャーバージョンアップとなっており、更新バージョンはGFX100がVer.2.00に、GFX 50SはVer.4.00、GFX 50RはVer.2.00となっている。

GFX100

画づくりまわり

[1]フィルムシミュレーション「クラシックネガ」と「ETERNAブリーチバイパス」を搭載した
※「ETERNA」は搭載済み
[2]「カラークロームブルー」を搭載した

AF機能

[1]顔・瞳AF性能が改善した
複数人を対象とした撮影時に検出精度や安定性が向上しているという
[2]低照度-5EVの環境下でも高速・高精度な位相差AFが可能になった
[3]フォーカスブラケティングに「オートモード」が追加された
※オートモード:撮影の始点・終点と撮影間隔を設定することで、カメラがコマ数とステップを自動で設定してくれる機能

その他の改善点

[1]USB通信による動画撮影制御がジンバル・ドローンからも可能になった
GFX100の本機能に対応したジンバル・ドローンを組み合わせることで、動画撮影の開始・終了、動画撮影の露出条件(シャッタースピード、絞り、ISO感度、露出補正)の設定、マニュアルフォーカスのピント調整が制御可能になった
※本機能への対応は、Guilin Feiyu Technology Incorporated Company、Shenzhen Gudsen Technology Co., Ltd.、SZ DJI Technology Co.,Ltd.、ZHIYUNが対応を表明している
[2]ATOMOS社製のHDMIフィールドモニター/レコーダー「NINJA V」への動画RAWデータ出力に対応
・HDMI経由で最大4K/29.97p・12bitの動画RAWデータの出力が可能になった(他の対応フレームレートは25、24、23.98p。FHDは非対応)
・Apple ProRes RAW記録に対応
・対応ファームウエアはATOMOS社からのリリースとなる(予定)
[3]一部のテザー撮影機能に対応したソフトウエア使用時にPC上から静止画撮影の露出条件の設定変更が可能になった
設定を変更できる露出条件:シャッタースピード、絞り、ISO感度、露出補正
[4]カメラ内で付与したレーティング情報が一般的なソフトで見られるようになった

GFX 50S/R(共通)

画づくりまわり

[1]フィルムシミュレーション「クラシックネガ」と「ETERNA」を搭載した
[2]スムーススキンエフェクトを搭載した(GFX100で搭載されていた機能)

AF機能

[1]顔・瞳AF性能が改善した
複数人を対象とした撮影時に検出精度や安定性が向上したという
[2]「AF-S時低輝度優先AF」モードが追加された
AF時の露光時間を延ばすことで暗所でのAF精度の向上を企図したもの
[3]フォーカスブラケティングに「オートモード」が追加された
撮影の始点・終点と撮影間隔を設定することで、カメラがコマ数とステップを自動で設定してくれる、という機能

その他の改善点

[1]一部のテザー撮影機能に対応したソフトウエア使用時にPC上から静止画撮影の露出条件(シャッタースピード、絞り、ISO感度、露出補正)の設定変更が可能になった
[2]カメラ内で付与したレーティング情報が一般的なソフトで見られるようになった
[3]SDカード内の1フォルダあたりの保存可能枚数上限が、999枚から9,999枚に増えた

本誌:宮澤孝周