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第67回ニッコールフォトコンテスト授賞式が開催

4部門作品総数4万1,249点の中から

株式会社ニコンイメージングジャパンは12月17日、「第67回ニッコールフォトコンテスト」(応募作品数4万1,249点)の審査結果を発表、最高賞である長岡賞を決定し、授賞式を開催した。

ニッコールフォトコンテストはニッコールクラブが開催するフォトコンテストで、4つの部門で作品を募集していた。

募集のあった部門カテゴリーは、モノクローム部門(第1部)、カラー部門(第2部)、ネイチャー部門(第3部)、TopEye & Kids部門(第4部)。昨年まで設けられていたWeb応募部門は今回廃止された。

第67回を迎えた今回は計4万1,249点の作品が集まった。各応募部門よりニッコール大賞1点、推選1点、特選3点、入選20点(カラー部門のみ40点)が選出される。

最高賞である長岡賞は、これら各部門のニッコール大賞の最優秀作品から1点が選出される。このほか、30歳以下の各部門入賞者(第4部 TopEye&Kidsをのぞく)より、それぞれ1名が表彰されるU-31賞も設けられていた。

長岡賞はニッコールクラブ初代会長の長岡正男氏にちなんで昭和48年に創設された賞。

審査員はニッコールクラブ顧問の大西みつぐ氏、小林紀晴氏、佐藤倫子氏、ハナブサ・リュウ氏、三好和義氏の5名と、ゲスト審査員として星野佑佳氏(写真家)、藤森邦晃氏(株式会社日本写真企画)の2名を加えた7名がつとめた。

長岡賞

第67回の長岡賞は、第2部カラー部門でニッコール大賞に輝いた吉村俊祐氏(宮崎県)『ヒトスジの想い』に贈られた。

吉村俊祐氏

受賞作品について吉村氏は「少女の涙と流れ星の一筋を主役にしたかった。アイデアから作品化までは時間がかかりましたが、最初からこの2枚のイメージを獲りにいきました」とコメント。作品は地元である宮崎の海で撮影したものだと説明した。撮影時は双子座流星群が見られた、と当時の状況を振り返った。

写真をはじめて4年半だという吉村氏。そのきっかけは娘の姿を写しとめたかったからなのだと話す。写真については地元の写真教室に通いながら腕を磨いていったのだそうだ。

長岡賞には賞金70万円(ニッコール大賞の賞金30万円とあわせて総額は100万円となる)に加えて、賞品としてニコンZ 7レンズキット(NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sつき)が贈られた。

先年、祖父が使用していたニコンのカメラとレンズがでてきたと続ける吉村氏。残念ながらレンズはクリーニングが必要な状態だったが、今回賞を得たら、これをキレイにして祖父と同じ世界を見たいと思っていたと話し、「時をこえて祖父とつないでくれたニコンに感謝したい」と笑顔を見せた。

今はシャッターを切るのが楽しくて仕方ないと話す吉村氏。「これからはジャンルにとらわれずに、自分なりの想いや世界観を表現していきたい」とコメントした。

吉村俊祐氏『ヒトスジの想い』より
吉村俊祐氏『ヒトスジの想い』より

総評

計4万1,249点の作品が集まった今回のコンテストについて、佐藤倫子氏は(受賞作品が収められた冊子について)「1冊が写真集のよう。一つひとつが個性的で、2019年の作品がすべて集まっているかのよう」とコメント。Web応募部門は廃止としたが、試行錯誤しながら作品づくりがおこなわれており、丁寧な作風が多く集まったと続けた。全体ではクオリティーの高い作品が集まったと振り返った。

佐藤倫子氏

吉村氏の長岡賞受賞作を含めた作品は東京および大阪で展示される。各会場の開催概要は以下のとおりだ。

第67回ニッコールフォトコンテスト受賞作品写真展

東京会場

会場:新宿THE GALLERY 1+2
展示期間:2019年12月17日(火)~12月28日(土)
開館時間:10時30分~18時30分(日曜休館/最終日は15時まで)

大阪会場

会場:大阪THE GALLERY
展示期間:2020年 1月30日(木)~2月5日(水)
開館時間:10時30分~18時30分(日曜休館/最終日は15時まで)

本誌:宮澤孝周