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リコー、電子小黒板と連携する産業用デジタルカメラ「G900」

無線通信とセキュリティを強化した「G900 SE」も

リコーは、業務用デジタルカメラ「RICOH G900」を5月下旬に発売する。希望小売価格は税別9万9,000円。

2014年9月に発売した「RICOH G800」の後継機。新たに有効約2,000万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用し、少ない光量でも明るく撮影できるとしている。耐落下性能を2.1mに高めつつ、本体サイズは体積比約26%の小型化を実現したという。

G900は、「デジタル工事写真の高度化に関する協議会」が提唱する、小黒板情報連携機能・信憑性確認(改ざん検知機能)に準拠した初めてのデジタルカメラ。工事名・工種・略図などをチョークで記入した黒板を写しこんでいた業務を電子化し、作業効率の向上と工事写真の改ざん防止を目的としている。

工事写真撮影でも操作性を高めるべく、軍手をしたままでも操作しやすいボタン配置、指掛かりのしやすいグリップ形状、たすき掛けも可能な幅広ネックストラップなどを特徴としている。耐薬品性も強化し、機材の洗浄・消毒が必要な医療機関や生産現場に向ける。

そのほか、多様な現場に対応するための機能として「CALSモード」、GPS(みちびき、GLONASS、SBAS対応)、電子コンパス、レンズ周囲のLED補助灯などを搭載している。

水深20m防水、耐落下衝撃2.1m、100kgf耐荷重、-10度の耐寒性能といったタフネス仕様は、同時発表のコンシューマー向けモデル「RICOH WG-6」と共通。

なお、G900に保証延長や代替機サービスなどの修理対応を組み合わせた「RICOH G900安心保証モデル」を税別10万8,000円で用意。主にリコーのOA機器販売ルートで扱うという。

機能拡張版「RICOH G900SE」

RICOH G900の無線機能とセキュリティを強化したモデルで、「RICOH G800SE」の後継機にあたる。希望小売価格は税別12万円。

RICOH G900SE

G900の無線通信はFlashAirカードに対応するのみだが、G900SEは無線LANとBluetooth通信機能を内蔵。外部GPS機器、バーコードリーダー、レーザー距離計とのデータ連携により、各情報を画像に紐付けられるという。

セキュリティ面では、無線LAN機能がEnterprise Wi-Fiに対応するほか、NFCカードをカメラ本体にかざして各種設定に利用可能。カメラロック機能のオンオフや、ユーザーリストに準じて利用者の氏名を画像に紐付けることもできる。

また、東芝メモリ製「Write Onceメモリカード」、PGS製「PGS SD WORMカード」、サンディスク製「SD WORMカード」といった改ざん防止カードに対応。撮影データの消去・変更・初期化ができないため、フィルムに代わる原本資料になるという。

共通仕様

有効2,000万画素の1/2.3型CMOSセンサーを搭載。感度はISO 125〜25600。4K動画記録に対応する。

レンズは35mm判換算28-140mm相当F3.5-5.5。最短撮影距離(レンズ前)は通常時0.5m、マクロ時0.1m。ズーム域中間部で「1cmマクロ」も使える。手ブレ補正は電子式。

別売のワイドコンバージョンレンズ「DW-5」の装着で、広角端で35mm判換算約22mm相当の画角を得られる。

背面モニターは3型約104万ドット。

内蔵フラッシュのほかに、レンズ鏡筒の周辺部にLEDライトを備える。

記録メディアはSDXC/SDHC/SDカード、FlashAirカードに対応。内蔵メモリーは約6.5GB。

バッテリーは「DB-110」。撮影可能枚数は約340枚。充電器「BJ-11」、USBケーブル、USB電源アダプターを同梱する。

充電器「BJ-11」

外形寸法は約118.2×65.5×33.1mm。

G900の重量は約246g(バッテリー、SD込み)、約219g(本体のみ)。

G900SEの重量は約249g(バッテリー、SD込み)、約222g(本体のみ)。

別売アクセサリー

プロテクタージャケット「RICOH O-CC174」

カメラボディをキズや汚れから保護するシリコン製のカバー。装着によりグリップしやすくなり、カメラをしっかり持てるという。希望小売価格は税別3,000円。5月下旬発売。

RICOH G900+プロテクタージャケットRICOH O-CC174

本誌:鈴木誠