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キヤノン、「EF400mm F2.8L IS」「EF600mm F4L IS」をIII型に刷新

手ブレ補正を5段分に強化 大幅軽量化も

EF400mm F2.8L IS III USM

キヤノンは、一眼レフカメラ用交換レンズ「EF400mm F2.8L IS III USM」と「EF600mm F4L IS III USM」を2018年12月下旬に発売する。

いずれも光学系の見直しによる軽量化を特徴とする超望遠レンズ。レンズエレメントやメカ構造の軽量化、蛍石同等というスーパーUDレンズの採用などにより従来モデル(どちらもIS付きII型)比で400mm F2.8Lは1kg減、600mm F4Lは870g減を実現した。鏡筒の最大径と全長はともに従来モデル同様としている。

同社初となる2点のフォーカスプリセットに対応。フォーカスリングの先、ファンクションボタンの手前にある白いリングを左右に回すと、それぞれのプリセット距離にフォーカスが移動する。

フォーカスリングは電子式に変更。フォーカス回転の敏感度を側面スイッチで3段階に切り換えられるようになった。ワンショットAF後にフォーカスリングを回すとMF操作に移行するフルタイムマニュアルフォーカスに対応する。

手ブレ補正効果は従来のCIPA基準3.5段(従来のキヤノン基準では4段)から5段に向上。デジタルジャイロセンサーの搭載や補正角の拡大により実現した。

いわゆる“白レンズ”の由来である白い鏡筒カラーは、本来の目的である遮熱性をより高めるために、従来のベージュがかった白から色味を変更。塗料自体に赤外線を通しにくいものを使用している。2層構造とした鏡筒設計とともに、炎天下の長時間撮影でも安定した画質で撮影できるという。

どちらも鏡筒は防塵・防滴構造。レンズ最前面と最後面には、汚れを拭き取りやすいフッ素コーティングを施している。

EF400mm F2.8L IS III USM

2010年12月に発売された「EF400mm F2.8L IS II USM」の後継モデル。超望遠Lレンズのフラッグシップモデルとしている。希望小売価格は税別168万円。

レンズ構成は13群17枚。最短撮影距離は2.5m。絞り羽根は9枚。最小絞りはF32。フィルターは差し込み式52mm。

最大径×全長は163×343mm。重量は約2,840g。

同じく“3kg未満”をアピールするソニーEマウントの「FE 400mm F2.8 GM OSS」(2018年9月発売)は、三脚座込みで約2,895g。

EF600mm F4L IS III USM

EF600mm F4L IS III USM

2011年6月に発売された「EF600mm F4L IS II USM」の後継モデル。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたリニューアルとしている。希望小売価格は税別182万円。

レンズ構成は13群17枚。最短撮影距離は4.2m。絞り羽根は9枚。最小絞りはF32。フィルターは差し込み式52mm。

最大径×全長は168×448mm。重量は約3,050g。

新アクセサリー

ドロップインフィルターも新しい鏡筒色に合わせたものを用意。
付属のレンズケース。ソフトタイプに変更された。
ワンショルダータイプで、外ポケットも装備。
ハードケースは別売扱いになった。
レンズキャップE-180E(EF400mm F2.8L IS III USM用)。
フード逆付け時にも使える。
通常のレンズフード。
別売でショートタイプのフードも用意。用途により選べる。
出荷状態の三脚座部分。
サービスセンターでの交換作業により、一脚座向けのパーツに変更できる。

本誌:鈴木誠