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キヤノン、バウンス角度が自動で決まる「スピードライト470EX-AI」

フルオートで撮れる「AI.バウンス」搭載 縦横切り換えにも追従

スピードライト470EX-AI

キヤノンは、クリップオンストロボ「スピードライト470EX-AI」を4月下旬に発売する。希望小売価格は税別5万4,800円。

内蔵されたモーターで発光部を動かす「AI.バウンス機能」を搭載。フルオートモードでは天井の高さと被写体距離から適切なバウンス角度を割り出し、発光部の角度を自動でセットする。カメラにより対応する機能が異なるため、事前にキヤノンのWebサイトで確認されたい。製品名のAIは"Auto Intelligent"の略。

バウンス撮影とは、クリップオンストロボの発光部を被写体近くの天井や壁などに向け、光をそれらに反射させてから被写体に当てるライティング方法。ストロボ直射と異なる自然な仕上がりを手軽に得られる定番テクニックとして知られている。

キヤノンでは、純正クリップオンストロボの販売が近年では下落傾向にあることを踏まえ、クリップオンストロボを使う機能的メリットのひとつである「バウンス撮影」に着目。発光部を向ける方向や発光量の設定などを自動化でサポートすることにより、「綺麗に撮れない」「難しそうだから」とストロボ撮影に消極的なユーザーに訴求する。

AI.バウンスは2つのモードを装備。撮影の初心者をサポートするという「フルオートモード」と、一度設定したバウンス角度がカメラの姿勢変化に追従する「セミオートモード」がある。

フルオートモードは、背面液晶パネル上のAI.Bスライダーを「F」にセット。左下の「AI.B」と書かれた青いボタンを押すと、発光部を動かしながら天井の高さと被写体距離を測って、自動でバウンス角度と発光量がセットされる。

距離の測定にはストロボのプリ発光とカメラの撮影距離情報が使われ、カメラの向きが同じでも撮影距離(ピント位置)によって自動セットされるバウンス角度は変わる。

なお、2月26日現在のAI.Bフルオート対応機種は、EOS-1D X Mark II、EOS 5D Mark IV、EOS 5Ds R、EOS 5Ds、EOS 6D Mark II、EOS Kiss X9の6機種。

セミオートモードは、AI.Bスライダーを「S」にセット。発光部を任意の方向に手で動かして発光部側面のボタン(従来ストロボで角度ロックボタンのある位置)を押すと、その方向がメモリーされる。以降はシャッターボタンをすばやく2回半押し(ダブルタッチ)するたびに、カメラの姿勢変化でストロボ発光部の向きが変わっても、発光部が動いて最初にセットした方向へ追従する。

バウンス角度は1度刻みで設定され、前後左右それぞれの方向の回転角度が液晶モニターに表示される。ホワイトバランスなどの色味はユーザー自身で設定する。

最大ガイドナンバーは約47(ISO100・m、105mm時)。照射角は24-105mm(ワイドパネル使用で14mmをカバー)。ハイスピードシンクロに対応する。発光部の可動域は上120度、左180度、右180度。

外形寸法は約74.6×130.4×105.1mm。重量は約385g(電池別)。電源は単3形乾電池4本。

本誌:鈴木誠