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PowerVision、水中ドローン「PowerRay」を日本で発売

1,200万画素カメラで水中を撮影 水深30mまで潜行可能

中国のドローンメーカーであるPowerVisionは5月16日、水深30mまで潜れる水中ドローン「PowerRay」を発売すると発表した。同社Webサイトで予約を受け付ける。

1,200万画素の静止画撮影や最大4Kの動画撮影も可能で、販売価格は最も廉価な「EXPLORER」が16万8,000円、最上位のプロ向けである「WIZARD」はカールツァイスのVRゴーグルも付属するなどして、販売は21万8,000円。

PowerVisionは、中国で2009年に創業。コンシューマ向け、産業向けドローンを開発製造する。卵形ドローンのPowerEggやマイクロフォーサーズ規格のカメラを搭載した産業向けドローンPowerEyeが現行製品だ。

PowerVisionの製品。左からPowerRay、PowerEgg、PowerEye

新製品となるPowerRayは、水深30mまで潜水し、水中の撮影が可能なドローン。流線形のボディに2つのスクリューを備えており、コントローラーを使うことで前後左右に加えて上下方向の移動も出来、水中を自在に動くことができる。

滑らかに水中を移動するPowerRay。速度は3段階あり、最速だと秒2mのスピードが出るという。

映像伝送やコントロールのために有線接続となっており、フルHD画質であればリアルタイムで撮影映像を地上に伝送可能。カメラの映像をスマートフォンにリアルタイムに表示することで水中の状況を確認しながらコントロールできる。

PowerRayからスマートフォンに伝送された映像。映像はケーブル経由で地上のベースステーションに届き、そこからスマートフォンにワイヤレスで配信される。

「ANGLER」と「WIZARD」には単独動作可能な魚群探知機「PowerSeeker」や餌を付けた釣り針をカメラで確認しながら最適な位置に投下できる釣り餌投下機が付属。同社では釣り目的での利用シーンを想定しており、魚群を探して、それを映像で確認できる点をアピールする。

釣り以外にも、リゾートでのバカンスでヨットで遊ぶときに持ち出して海中を撮影するといったコンシューマ用途から、海中の調査、レスキューといった用途まで、幅広い利用用途を提案する。

最上位パッケージの「WIZARD」は本体に加え、水中で1〜3時間の稼働が可能なバッテリー、コントローラー、ベースステーション、4Kカメラ、充電器の基本セットに、70mのケーブル、64GBのメモリ、魚群探知機PowerSeeker、釣り餌投下機、スーツケース、カールツァイス製VRゴーグルが付属する。

「ANGLER」はケーブルが50mになり、メモリが32GBだが、魚群探知機PowerSeekerや釣り餌投下機は付属し、20万8000円。標準モデルのEXPLORERはメモリ32GB、ケーブル50mで魚群探知機などは付属しない。

このクラスの水中ドローンを、この価格で量産化したのは「世界で初めてではないか」と同社の創業者でCEOのWally Zheng氏。

Wally Zheng CEO

同社は、中国や米国などにオフィスを構えるが、今回の発表に合わせ、東京にもオフィスを設立。

同社は顧客のニーズを中心に据えて製品開発を行っているとして、今後日本ユーザーのニーズを吸い上げ、製品開発に繋げていきたい考え。また、今後日本にも研究開発センターを設置し、特に日本が強いカメラ系の技術の研究開発の強化に繋げる計画だ。

小山安博

某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。