オリンパスPROレンズ 写真家インタビュー
歩けば歩くだけ被写体に出会える…コムロミホさん
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
2018年5月25日 07:00
オリンパスPROレンズをお使いの写真家にインタビューする連載「オリンパスPROレンズ 写真家インタビュー」。今回はPEN-Fのアートフィルター「ヴィンテージ」でパリを撮ったコムロミホさんに、作品のこと、撮影のこと、そして「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」について話を聞きました。
コムロミホ
文化服装学院でファッションを学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。現在、人物を中心として広告や雑誌等で撮影をする一方、ライフワークでは海外、国内で街スナップを撮り歩いている
現在のお仕事を教えてください。
主なお仕事としては、広告や雑誌などでの撮影がメインになります。その他にカメラに関する記事の執筆やオリンパスデジタルカレッジなど、カメラメーカーの写真教室で講師としても活動しています。
写真との出会いは?
実家がカメラ屋を営んでいたこともあって、幼い頃からカメラや写真と触れ合う機会がありました。祖父がフィルムカメラで撮影してくれる記念写真の空気感に憧れて、子供ながらカメラを構えていたのを覚えています。
本格的にカメラを始めようと思ったのは、それから随分のちのことです。モデルの仕事で撮影現場を出入りしているうちに、フォトグラファーという職業に興味を持ち始めるようになって、アシスタントをしながら、いろんなことを学びました。飽きやすい性格ですが、写真は知れば知るほど面白くて、どんどんのめり込んでいきました。というより、今も現在進行形でのめり込んでいます。
海外の街を撮影するときのスタイルを教えてください。
その土地の文化に触れるのが大事だと思っています。現地の方とコミニュケーションを取ったり、その国ならではの料理を食べたり、お店に立ち寄ったり。そうしているうちに、どんな風に撮りたい!っていうテーマみたいなものが見えてきます。
そして、「とにかく歩く」を心がけています。歩けば歩くだけ被写体に出会えるので、できる限り身軽で出掛けるようにしています。カメラを首からぶら下げて、お財布やスマホはポケットに入れて、手ぶらでスナップもすることも多いです。滞在中はルートを変えながら歩きますが、気に入った路地や街角があれば何回でも同じ場所に向かいます。同じ場所でも時間帯やフレーミングする被写体が変われば、違った写真になります。その偶然性が街スナップの面白いところだと思っています。
今回のパリでの撮影エピソードをお願いします。
一番のエピソードは、空港からパリ市内に向かう電車の中で、日本から持ってきた全財産をスラれたことです……。到着してすぐだったので、かなりヘコみましが、カード類は別に分けておいたので、その後もなんとか過ごすことができました。パリはスリが多いので、皆さんも気をつけてください。
そして、今回のパリは雨が多かったです。M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは防塵防滴仕様なので、雨でも安心して撮影を楽しめました。雨の日だからこそ撮れる写真もありますからね。
コムロさんにとってボケとは?
ポートレートでは人物を引き立てるために大きなボケを利用することもありますが、スナップにおいては背景が伝わるようなボケが大切だと思っています。背景をキレイにぼかしてしまうと、どこで撮影した写真かわからなくなってしまうからです。
なので、背景と被写体との距離、被写体とカメラの距離を考えながら、背景のディテールが伝わるボケになるように撮影しています。そういった状況でも、25mm F1.2の「にじむような美しいボケ」のおかげで背景がうるさくなりません。それによって、主となる被写体が素直に際立ちやすくなります。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROの印象は?
絞り開放での描写がとても好きです。ただ大きくボケるだけでなく、ボケの質の良さを感じました。滑らかで、にじむような美しいボケを実現しています。それでいて、ピント面は非常にシャープです。この描写が被写体に立体感を与えてくれて、独特な奥行きを感じる写真に仕上げてくれます。
この描写が好きなので、ほぼ開放のF1.2ばかりで撮影しています。ただ、F2.8くらいまで絞ると、さらに画像全体まで高い解像感を感じられます。肉眼では感じることができないような被写体の細かなところまで写し撮ってくれるので、撮りたいイメージに合わせてF値を変更するようにしています。
アートフィルター「ヴィンテージ」について。
25mm F1.2 PROの柔らかいボケとアートフィルター「ヴィンテージ」の柔らかくノスタルジックな雰囲気がマッチすると思ったので、ヴィンテージで絵作りを決めました。私はパソコンで後から写真の絵作りを決めるのではなく、撮影しているその場で絵作りをするように心がけています。街の雰囲気を感じている時に"どう撮りたいか"を決めた方が、私はその場の雰囲気をより正確に残せると思うからです。
PEN-Fはアートフィルターだけでなく、カラープロファイル、モノクロプロファイルを使用すれば、かなり細かく絵作りを調整できます。私にとってPEN-Fは"こう撮りたい!"を現場で叶えてくれるカメラです。
今後のテーマや目指すことは?
現在撮り貯めているテーマが何個かあるので、今年はそれらを形にできるようにしたいと思っています。7月にはグループ展の予定もありますが、個展をまだ開催したことがないので、計画予定中です。ぜひ楽しみにしていてください。
写真展の開催や写真集の発売など、告知があればぜひ!
7月はふたつのグループ展に参加予定です。ひとつは7月3日から8日まで恵比寿の弘重ギャラリーで開催します。育ち盛りの写真家5名でそれぞれの「AI」を表現します。「あい」というと愛を連想しますが、いろんな「あい」があります。「会い」や「哀」「藍」「明い」など。それぞれの感性が表現する「AI」を楽しんでいただけます。
そして7月12日から16日には、恵比寿のAmerica-Bashi Galleryで女性8名によるグループ展を開催予定です。こちらは「その瞬間、I feel...」がテーマになっています。写真は何かに心を動かされるからこそ、シャッターを押したくなるのだと思います。そんな原点に戻って、改めて自分の写真と向き合いました。写真教室でお会いした生徒さんと一緒に展示予定で、こちらでは初めて写真展を監修させていただきました。両方ともできる限り在廊しますので、写真展会場でお会いできることを楽しみにしております。
デジタルカメラマガジン連載告知
デジタルカメラマガジン2018年6月号の連載「PRO's SIGHT—PROが見た風景—」では、コムロミホさんによるM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROのレビューが掲載されています。あわせてご覧ください。
制作協力:オリンパス株式会社