編集後記
2020年9月4日
宮澤孝周
ほぼリモートワークとなっている現在、すっかり外出の機会が減りました。日によっては終日外出することがないばかりか、わずか数メートルの範囲でしか動いていないことがあったりします。難しい状況ではありますが、さすがに健康面の心配が頭をよぎります。
ネガティブな面ばかりが報じられていますが、昨今の新型コロナウィルス感染拡大防止の中で、唯一良い方向なんじゃないかと思えたのが、美術館や博物館が、あらかじめ来館時間を決めて半分予約制のようなかたちで訪れるスタイルになったことでしょうか。
炎天下のもとでチケット購入で並んだり、展示物を見るために並んだり、といったナンセンスな状況が解消したことは、対応は大変だと思いますが、施設の人の働き方の面でも良い方向なんじゃないかな、と思っています。展示物も自分のペースで見ることができるので、むしろこれが本来の鑑賞の在り方ではないのか、などと思うことすらあります。
展示といえば、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで「永遠のソール・ライター」展が開催されていますね。会期終盤で緊急事態宣言が出て休館になってしまった展覧会なだけに、再び展示を決定した美術館の心意義には感謝ばかり。願わくば、同じように会期終盤で休館となってしまって結局行くことができなかったハンマースホイ展とかも、また開催してくれると嬉しいなぁ、と密かに願っているこの頃です。