クルマとカメラ、車中泊

雨の日も視界スッキリ。バイクのヘルメットに防曇シールドを後付け

今回の1枚

僕は工場風景もモチーフとして好きなんですが、ここ九十九里にも意外とあるんですよ、工場風景が。

工場街や工業団地のような派手さはないですが、田園風景のなかにぽつねんとある様子は、生活に根ざした工場という感じで好きなんですよねえ。ああ、これ例の夜露観測装置と似てますよね笑

こんな風に普段見ている景色が、無意識に出てくるのかなあと思ってみたり。

ヘルメットシールドの曇りとはこれでオサラバ

梅雨まっさかりですねぇ。さてそんな季節、僕も撮影に出かけるのにバイクで移動することが多いんですが、雨の日の運転は車以上に気を遣いますよね。ワイパーないから(笑)。冗談ではなく、雨が視界を奪う上に、自分の吐く息でシールドが曇る! これが一番厄介だと僕は思うのです。

雨そのものは走り出せば、吹き飛んでいくけどシールドの曇りはずっと取れませんからね。

そこで、こんなものをヘルメットに追加しました。防曇シールドです。AliExpressで見つけました。

写真上から順に、接続ケーブル類、位置決めのためのフイルム、防曇シールド本体です。

電源供給はUSB Type-A経由でモバイルバッテリーから。もしくは12V配線ケーブルでバイクのACCに繋ぐ。

防曇の仕組み

仕組みは簡単、防曇シールドをヘルメットのシールド内側にはり、電源を接続し、防曇シールド本体を加熱して結露を防ぐというものです。材質は明記されていないのでわかりませんが、PET素材のように見えました。

電源はバイクから直接電源を取る12VのDCもしくはUSB Type-Aコネクタ経由でモバイルバッテリーからになります。

写真は、ヘルメットを雨ざらしにして、中に熱湯の入ったコップをいれてシールドを曇らせたところです。黒枠が防曇シールド本体部分ですが、視界スッキリであることがわかりますね。

雨にさらしながら、ヘルメットの中に熱湯の入ったコップを置いてみた

そもそも、防曇シールド本体がなぜ発熱するかというと、透明素材にインジウム・錫の合金を蒸着し、そこに通電し発熱させているんですね。こうした製品は一般的にはあまり見かけませんが、古くから業務用防犯カメラのケースの窓ガラスに使われています。カメラのレンズの曇りを防止する製品も出ているんですよ。

でも、これまではガラス素材にしか蒸着できないものと思っていましたがPETのような柔らかい素材にも蒸着できるようになったんですね。これからはいろんな製品が出てくるかも知れません。ヘルメットに限らず、光学製品にとっても、電子機器にとっても、曇り、つまり結露は故障につながる可能性の高い、厄介な現象ですから。

黒い枠内が防曇ヒーターシールド。枠外は曇っているが、枠内は曇らない。

施工は思った以上に簡単

今回、防曇シールドを施工するにあたり、ヘルメットも新調しました。シールドが新品のうちに施工したほうが良いからね。

そこで、リード工業のシステムヘルメットをチョイス。フルフェイス型だけど、フェイス面をガパっと開くことができて何かと便利です。インナーシールドも付いているので、サングラス要らずです。それでいてお値段手頃なので気に入っています。

システムヘルメットはさまざまな状況に対応し、快適なものですがさらに防曇シールドを加えれば、雨の日も安全で快適な、オールシーズンヘルメットの出来上がりというわけです。

防曇シールド施工にあたっては、シールドは新品であることが望ましい。今回はヘルメットごと新調したが、シールドのみ新品にすれば十分だ

施工は至って簡単ですが、まず新品であってもシールドを綺麗にしましょう。僕は、キムワイプと精製水を使いました。アルコールよりも吹きむらが残りにくくて楽ですよ。

キムワイプと精製水の組み合わせは、精密機械や撮影レンズ、メガネなどデリケートなものの清掃に向いている。これで汚れが落ちなければ改めてアルコールやそれぞれに合った洗剤を使えば良い

まず位置決め用のフイルムをヘルメット表側から貼り付けます。このフイルムは後に剥がすので、綺麗に貼る必要はありません。納得のいく位置になるまで、貼って剥がしてで、OKです。

位置決め用のフイルムをシールド外側に貼る

位置が決まったら、シールドをヘルメットから外し、シールド内側を再度しっかり清掃します。

シールドを外し、内側をしっかり清掃

位置決めのラインに合わせて、防曇シールド本体をはり、保護フイルムを剥がします。

防曇シールド本体をシールド内側に貼り、保護フイルムを剥がす

シールドをヘルメット本体に戻したら、電源コネクターも貼り付けます。電源コネクターにも粘着テープが付いているので簡単です。

あとは位置決めフイルムを剥がせば完成です。シールドの傷つき防止になるので、本当に最後で良いでしょう。

電源コネクターもシールド外側に貼り付け、位置決めフイルムを剥がす
施工が完了したら、電源ケーブルをつないで通電。赤LEDが点灯することを確認しましょう。正常なら赤LEDが点灯します
ヘルメットにつく電源コネクターとケーブルは防滴構造になっています。ちょっと大きめですけど

ヘルメット側コネクターは、オーディオ端子のような形で、ロックが付いています。給電側はUSB Type-Aで、こちらは防滴ではないので注意しましょう。

このほか、バイクのACC電源などに接続するケーブルも付属しています。当然、バイクの電源に接続したほうが12Vでの動作となるので加熱温度も高くなります。

接続コネクターとUSB Type-A。USB側は防滴構造ではない

USB Type-Aで接続してみると消費電力は6.66Wでした。買いやすいモバイルバッテリーは概ね1万mAの製品ですが、37Whということになりますね。すると計算上は5.5時間使えることになりますが、実質は4時間ほどでしょう。通勤・通学には十分ですね。

でも、ツーリングに出かけるなら、この倍は欲しいかな。そうなると2万mAのモバイルバッテリーってことかな。いずれにしても、バイクから12V電源をとってしまえば、使用時間は無制限です。あ、エンジンがかかっている限りね。

USB Type-A経由で使用した時の消費電力は6.66Wだった。

防曇効果を検証してみた

まず冷凍庫でシールドを冷やして、シールドが曇ってから冷蔵庫に移し、電源を入れてみました。

USB Type-Aでモバイルバッテリーからの給電です。すると8分半ほどで曇りがすっきり消えました。サーモカメラ画像を見ると防曇シールド全体がしっかり温まっていることがわかりますね。

シールド全体を曇らせてから測定開始
およそ8分半で曇りが解消した
防曇シールド全体が発熱していることがわかる

効果がしっかりと確認できましたが、そもそも防曇シールドを貼った時点で、2重窓と同じ構造になるので電源を入れなくても曇りにくくなります。暖かい日の雨なら、電源なしでも十分な防曇効果があります。バイクに乗っていて寒いな、と感じた時点で電源を入れるという運用で良さそうです。

唯一の欠点はゴースト

ここまで、いいことづくめのように書いてきましたが、この防曇シールドにはひとつ欠点があります。それはゴースト。レンズ内面で何重にも輝点が反射して、実際にはない画像を産んでしまう現象です。写真は防曇シールドを貼ったシールド内面から赤と緑のLEDライト見ているところですが、赤と緑の輝点が左の方へ連続していることがわかります。これがゴーストです。

LEDライト中心から左に点々と写っているのがゴースト。光源がシールド中心よりも右にある場合は右側にゴーストが発生する

これは今回購入した防曇シールドに写真レンズのようなマルチコートが施されていないためです。先述した防犯カメラや写真用防曇フィルターにはマルチコートが施されているため、この現象はほぼ発生しません。

ゴーストは強い光源に対して発生しますが、実際の路上では、光源はほとんどの場合視界上方にあります。街灯や信号ですね。夜、実際に乗ってみると、対向車、前走車、街灯などがあっても、路面や視線方向の遠方は問題なくスッキリ見えます。また、写真でもわかると思いますが、緑などより赤のほうが反射率が高いようで、信号では青信号よりも赤信号の時のほうがゴーストが目立つ印象です。

ゴーストが発生していても、自身のヘッドライトで照明されている路面は、ゴーストより明るいため、ゴーストが目立たなくなること。そして、ゴーストが発生している場所はシールド内であり、目に対してごく近い位置に見えているためボケ画像となり認識しにくいこと。

路面がしっかり見えるのは、この2点が主な理由だと思います。

僕はこの欠点を安全上、問題があるとは感じませんでしたし、日中には気になるものではありません。しかし、視界に余計なものが見えることは事実です。少しでも視界を邪魔するものがあるのが気になる方は、この製品は買わないほうがいいでしょう。いずれ写真レンズのようにマルチコートされた製品が出てくることに期待したいですね!

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。ニコンカレッジで、星景写真講座を担当。星空に興味ある方は「こちら」へ