クルマとカメラ、車中泊
車中泊で美味しいご飯を!チタンクッカーとアルコールストーブによる炊飯術
2025年11月1日 12:00
先日もお話しした通り、レモンとは天文台の名前です。彗星はそうした天文台で自動制御の望遠鏡を使って捜索するのが主流になっています。ですが昔は、というか90年代くらいまで、彗星を探すのって大型の双眼鏡や大きな天体望遠鏡を肉眼で覗いて探していたんです。コメットハンターと敬意をもって呼ばれる個人が捜索していたんですよ。だからその頃の彗星には発見者の個人名がつけられています。
日本では本田実さん、関勉さんが双璧と言えましょうか、お二方とも世界的に著名なコメットハンターです。ことに本田実さんは生涯に彗星を12個、新星を11個も発見されています。飽くことなく夜毎星空を捜索し、宇宙の神秘に迫ってゆく個人。なんてロマンなんでしょう。僕自身、天文趣味は長くなりましたけど、そうした道は目指さなかったものの、若き日から憧れ尊敬の念を温め続けてきたものです。新しい彗星が発見されるたび、自分の昔も思い出してしまいます。
チタンへの憧れと愛用ギア紹介
金→銀→銅→ジュラルミン→鋼→真鍮→チタン! え〜、これ好きな金属の順番です。金が一番下なのは高くて買えないからです(笑)。鋼の硬さ、真鍮の風合い、惹かれますねえ。そして最上位のチタン。軽くて硬くて熱にも強い。うむ。これは男の子の心を鷲掴みですよ、ほんと。チタンマニアなんてブランドもありますが、ブランドを立ち上げた方の心に大いに共感してしまいます。
さて、そんな憧れの強さを持ったチタン製品ですが、飯盒もあるんですよね。写真は僕の愛用チタングッズ。チタンクッカーとチタンアルコールストーブ。この2つは随分前に買って愛用してるもの。そして手前のチタンの円筒はストーブ用の風防・五徳です。これは今回買ったもの。この3点セットで美味しくご飯が炊けちゃいます。
まずは台湾Keith社のチタン飯盒。これ、アマゾン履歴を見たら7年前に購入してました。愛用してきたのでお米の焦げがこびりついてますねえ。この飯盒しばらく日本で販売してなかったんですが最近Amazonで復活してたので、ぜひご紹介と思ったわけです。
写真のとおり、内鍋が外れるようになってるんですがこれのおかげでお米をはじめ料理が焦げ付かないのが特徴です。ですけどね、最初は使い方が分からず焦げ付かせちゃいましたけど。使い方にちょっとコツがあるんです。それは後ほど。
蓋にはロックがかかるので若干ですが内圧も上がり標高が高いところでも100℃近くまで上がってくれるのも良いところ。
内鍋の側面には小穴があいていて、米を炊くときの分量と水加減が刻印されてるんです。内側から覗くと小穴から光が入ってくるので分量がよくわかるんですよ。で、ここがキモなの。
お米の量は100g単位。まあ、2/3合ですね。僕は1回でちょうどいい量かな。
アルコールストーブと風防・五徳のセットアップ
そしてこちらはアルコールストーブと風防・五徳。どっちもチタンですよー。萌える〜。アルコールストーブ、元祖といえばトランギアですな。真鍮製で使い込むといい風合いになるんだよねえ。2つ3つ持ってるんだけどチタンストーブ買ったらどこか行方不明です……。
風防・五徳のほうはメッシュの薄板を巻くだけのもの。こういうの探してたんです〜。軽く巻いてクッカーの中に収納できるので荷物減らせてグッドなのです。そもそもアルコールストーブって火力はそこそこあるけど風に弱いし、単体だと五徳もついてないので、必ず風防と五徳は必要になりますからね。
それで燃料なんだけど、いわずもがな燃料用アルコールを使います。工業用メタノールや消毒用のエタノールでも燃えるんですが、コストが段違い。迷わず燃料用アルコールを買いましょう。Amazonはもちろん、ドラッグストアでも買えるので旅先で入手しやすいのも魅力なんだよね。
水節約の米研ぎ術とチタンクッカー炊飯のコツ
では、お米を炊きましょう。内鍋を外すと小穴から光が通るので計量が簡単ですよ。で、このままお米研いでもいいんですが、僕はちょっと違った方法でお米研いでます。
もったいぶって言わなくても写真見りゃすぐわかりますねw 適当な小瓶にお米を入れてシャカシャカ振るんです。今日ははちみつの空き瓶使ってます。う〜ん、いい香り……はしません。よく洗った瓶を使いましょうね。排水は蓋をちょっと開けて傾ければOKですが、小さなザルや茶漉しなんかを使うと楽ちんです。この方法だと、ものすごーく、水を節約できるんです。1合や2合程度の量に向いているので、車中泊やソロキャンの時におすすめですよ。
お米を炊く時に大事なのは水加減ですよね! そしてそこに、このチタンクッカーならではのコツがあるんですよ。最初はこれがわからなくてねぇ……。
まずはチタンクッカーの構造を図示してみました。いや、簡単すぎる図でごめんなさいなんだけども、緑の線が内鍋だと思ってください。で、この内鍋に小穴が空いているわけです。そして注目すべきは、外鍋の底と内鍋の底がかなり離れていることなんです。そう、お米が炊き上がってもここに水が残って正常なんです。それゆえ、焦げ付かないって構造なんですよ。
それと水加減も注意しなければいけません。内鍋を外鍋にセットした状態で水をいれても内鍋の小穴からチョロチョロと外鍋に流れてゆくんです。それで水の量を見誤ってしまうんです!
そこで! まず先に内鍋を外して外鍋に水を入れておくんですわ。これがこのクッカーならではのコツです。なんと250ccほども水が入ります。量は計量しなくても良いですよ、適当に多めに入れておけば。内鍋を軽く押し込んでやれば外鍋から小穴を通して水がチョロチョロ入ってきますからね。入ってくる水が落ち着いたところで、内鍋の小穴通りに水量を調整すれば準備OKで〜す。
実際の炊飯手順と美しいチタンの経年変化
浸水したら火にかけますが、チタンストーブと風防・五徳をセットしましょうね。ストーブの下も熱で焼けるので注意です。さて、この風防・五徳なんですが前掲した写真の通り、薄板です。丸めて強くなるとはいえ、大丈夫なんかいなとツッこんでしまいたくなりますよね。商品説明によれば対荷重は15kg。う〜ん、なかなか。試してみてはいません。壊れちゃうからね。使用感からすれば、こんなふうにクッカーを乗せるくらいは全然平気って感じです。
チタンストーブには30ccほどアルコールを入れます。ほぼ満タンって感じですかね。炊き上がりまでちょうどいい量です。火をつけたら放置ではありません。時間を計りましょうね。
時間を計り始めるタイミングは蓋の小穴から湯気が出てきたところからです。沸騰してお米がコツコツ内鍋に当たり出す音がし出したらまもなく湯気が出てきます。計りはじめてから12分で硬めの炊き上がり、15分で柔らかめの炊き上がりってのが1つの目安です。標高・風・熱源などさまざま変化する要因がありますから、トライ&エラーは必ずありますからね。
時間が来たらクッカーを火から下ろします。アルコールストーブを使っていればちょうど炊き上がりのころ火が消えるでしょう。ああ、つやつやのお米、いいですねえ。
炊き上がったら、通常は蒸らしますが、このクッカーでは蒸らしは不要です。構造上、炊いてから蒸らすところまでクッカーの中で完了してますからね。とはいえ、その辺はお好みですが。僕はすぐに蓋を開けてから軽くほぐして、少しおきます。
炊き上がってから内鍋を外してみると、外鍋に水が残ってるんですね。通常通り水で炊いてそのまま、外鍋に残った水というか沸騰した水でしばらく蒸しているわけです。ここに水が残るので粘りの強いお米であっても焦げ付きが生まれないって構造なわけなんですね。
僕は最初のころ、これに気づかず外鍋を焦げ付かせてしまいましたがね……。
さて、また少し風防・五徳の話をしておくとですね、「エバニュー アルコールストーブ」の様に外周にも火のでる穴があるタイプのストーブを使う場合、風防はギリギリにまかずに余裕を持たせてください。ギリギリにしてしまうと外周の穴からきちんと火がでず火力が弱くなってしまいます。
写真は1回使ったあとの様子ですが青く焼けた色合いが美しいですよね〜。錆とは無縁のチタンですが高温にさらされると焼き色がつくわけです。こうした使用に伴う変化って、そのまま、自分が過ごしてきた時間でもあるわけじゃないですか。経年変化があってこそ愛着がもてるギアに育ってゆくんですよねえ。しみじみ。
ちなみに! 先日紹介したアイロンストーブでも美味しく炊けます! 燃料はパラフィン使ってくださいね。30ccほどで十分です。
それでは今日も美味しい外ご飯を〜。

























