クルマとカメラ、車中泊

備えあれば憂いなし!パンクしたときの対処法

今回の1枚
1月の太平洋側は晴れの日が多いもんですが、たまには重い曇り空になります。むしろ冬はこう言う重い空が好きなんですよねえ。寒風で身は引き締まりつつ、心は切なくなってしまう。冬枯れの木々や雑草を見ていると、ああ、みんな冬籠りしてるんだなあ、なんて考えてしまいます。インフルエンザ流行ってるみたいですけど、みなさまご自愛くださいませ

先日、友人からパンク修理ってどうやるんだっけ? ってメッセージが来まして、パンク修理の方法をやりとりしたんだけど、友人もユーザー車検を通すような人なので過去何度もパンク修理をしています。つまり、間が開くんで忘れちゃうんだよね。そして、僕もふと気づけばパンク修理キットを持っていないことに気づいてしまったのでした。

そこで、すぐにアストロプロダクツへ! アストロプロダクツをご存知ない方に説明しておくと全国に店舗展開していて、工具や作業用品を専門に扱っている販売会社です。オリジナルの工具も販売しています。ドライブ中に見かけたことないかな。

アストロプロダクツで扱っている工具は超高級品ではないけれど、業務の実用にも耐えるちょうどいい品質のものがリーズナブルな価格で販売されているという印象なのです。なので、まずアストロプロダクツへ。実店舗だけでなくオンライン販売もやっています。

購入したのはごく一般的なパンク修理キット。ハンドル一本とブレード4本のセット
一般的と言ったけれど、通常のものはハンドルとブレードが固定されていて、ブレードの数だけハンドルが増えます。アストロプロダクツのものは、ハンドルが中空になっていてブレードを収納できるんですね。車載にはもってこいの仕様です
リペアゴムも一緒に買うのを忘れずに。ノリ付きタイプを買いました

さて、アストロプロダクツのHPを調べるついでに、密林探索してみるとお手軽パンク修理キットを見つけました。なんだか木ネジに接着剤を塗ったようなものですな。これをパンク穴に捩じ込むだけの模様です。大丈夫なの? って思ってしまうんですが、とりあえず購入。

アストロプロダクツで買ったようなハンドルタイプのものは昔から使っているので、実績あり。ということで不安はないのですが、Amazonで見つけた木ネジタイプってどうなのよ、ってことで実験をしてみました。

以前、交換したタイヤ・ホイールセットをまだ処分していなかったので、ちょうどいい実験材料です。

ブルーシートをかけて庭に放置してましたが、状態も悪くないようなので、このタイヤをパンクさせてみます。スリップサインもまだ少し残っているので、ちょうどいいかな
まずは木ネジを準備。直径は3.8mm。これをタイヤに捩じ込んでパンクさせます
木ネジをトレッド面に捩じ込みました。タイヤのゴムは硬いし、弾性もあるので手回しは辛い。なので、電動ドライバーでねじ込みます

無事タイヤをパンクさせられたので、まずはAmazonで購入した木ネジタイプを試してみます。

プラグは大小ありますが、大きい方を使ってみました。手動のドライバーで十分ねじ込めましたよ。これで終わり

次はレガシータイプとでも言いましょうか。アストロプロダクツで購入した、見慣れたパンク修理キットです。パッケージの裏には、修理手順が記載されたシールが貼ってあるので、初めてでも間違うことなく修理できます。もう1本、別のタイヤをパンクさせま〜す。

パッケージ裏には修理手順が記されたシール
ハンドルについている黒いブレードはヤスリになっています。これと右隣のスパイラル状のブレードを使ってパンク穴を整えます。右2本はリペアゴムを挿入するためのもの。穴によって使い分けるらしいのですが、正直どちらが良いのかわかりません。今回は右から2本目を使いました。穴の先が割れていて、リペアゴムが抜けるようになっています
まずは黒いヤスリとスパイラル状のニードルを使って穴を整えます
リペアゴムを1本準備します。リペアゴムはノリ付きタイプを使っています
今回はこの穴あきブレードを使います
ブレードの穴にリペアゴムを通します。ラジオペンチが必要だと感じました
ハンドルに力を入れて、リペアゴムをブレードごと押し込みます
ハンドルの根元までしっかりと押し込みます。こじらないとうまく入らないですよ
そのままハンドルをまっすぐ引き抜くとリペアゴムだけが残ります
はみ出たリペアゴムは、ニッパーでカット。ハサミでもOKです

タイヤ2本分のパンク修理が終わったので、出来上がりをみてみましょう。こんな感じになります。

木ネジタイプ
レガシータイプ

さて、パンク修理キットっていうと全部入りって思っちゃうんだけど、以下のようなものが別途必要ですよ。車載工具を点検しておきましょう。

ニッパー・ラジオペンチ・+ドライバー。これら3つは最低限必要です。ニッパーはハサミでも十分ですが、その他使い回しを考えるとニッパーがいいかな
あと、忘れちゃいけないのは空気入れ。以前紹介しましたね。電動のものが楽ちんですが、世の中炭酸ガスタイプや足踏み式なんてのもあります

そしてもう1つ。忘れちゃいけない重要なモノがあるんですよ。どうやってパンク穴を見つけるか。空気の漏れを探すのって意外と難しいのです。釘や木ネジがタイヤに刺さっていても、多くの場合ネジ頭がタイヤのゴムの中に埋もれてしまってるからなんです。1番確実なのは大きな水槽に沈めることです。ガソリンスタンドに行くと、ブリヂストンやヨコハマなどタイヤブランドのステッカーを貼った水槽をみたことありませんか? あれです、アレ。大体、半円形の水槽です。もちろん、DIYの応急修理ではそんなもの車載できません。そこで、石鹸水を準備しておきます。100均で売っているシャボン玉水でもOK。泡が出ればなんでも良いのです。車載していなかった場合は、コンビニで中性洗剤を買うのが手っ取り早いかな。

今回使ったのは洗濯石鹸、液体タイプ。泡立ちはそれほど多くないけれど十分、空気漏れ発見に使えます。小さいボトルに詰め替えました
これをタイヤに吹き付けると、空気漏れしてる箇所にぷく〜っと泡ができるんですね。ここがパンクしてるところってわけです
で、タイヤ交換。パンクしていないタイヤから、パンクさせて修理したタイヤに交換。なんのマッチポンプだ笑
木ネジタイプを左後輪、レガシータイプを右後輪に履きました。パンクしたタイヤは後輪に

以上、パンク修理の話題でしたが、車のタイヤなんでチューブレスタイヤについてです。まあ、今時チューブタイヤを使う車用のタイヤなんてあるのかどうかわからないけど。自転車や一部のオートバイはチューブタイプですね。また、パンク修理キットでは、サイドウォールやトレッド面でもサイドウォールに近い場所のパンクは直すことができません。タイヤそのものを交換しなければなりません。まあ、現場ではテンパータイヤに履き替えですね。

さて、釘や木ネジが刺さったとして、どのくらいの大きさまで修理できるのか、ChatGPTに聞いてみました。「一般的に、直径6mm未満の穴であればパンク修理が可能とされています。」という回答でした。もう1つ気になるのは、パンク修理したタイヤはそのまま使い続けて大丈夫かという点ですね。今回の修理方法はタイヤの外から修理材を挿入する外部修理というものです。ChatGPTからは「一時的な応急処置として使用されることが多く、長期の使用は推奨されません。」という大変オトナな回答が返ってきました。僕もそう思います。パンク修理は自走して返ってくるためのものであって、恒久的な修理であるとは思っていません。早い段階でタイヤそのものを交換するべきでしょう。

で・すが! パンク修理したタイヤがどれくらい持つのか検証したいという腹がありまして、放置タイヤをパンクさせてみたわけです。作業後1週間ほど経過しましたが今のところ大丈夫です。このまま、しばらく様子を見て後日報告したいと思います。

パンク修理から1カ月……

修理後の様子を追記しますね。およそ1ヶ月後の空気圧です。この間の走行距離は822km。半分以上高速道路でした。TMPSで確認すると、右後輪が0.1psi下がっていますが、これは気温のせいですね。履き替え直後の計測時のタイヤ内温度が24℃、追記の時点での計測が20℃になっていますからこの4℃差の分だと考えるのが適正かと。右後輪はレガシータイプです。結局のところ、どちらのタイプを使っても、問題なくそれなりに走れるってことですね。

とはいえ、トレッドの内部が傷ついていることは間違いないので、早めにタイヤ自体を交換するべきでしょう。まあ、交換までの間、ドキドキしながら乗らなきゃいけないってことはない、っていうまとめであります。

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。ニコンカレッジで、星景写真講座を担当。星空に興味ある方は「こちら」へ