赤城耕一の「アカギカメラ」

第149回:K-1 Mark IIを愛でつつ、次世代ペンタックス一眼レフに期待するもの

つい先日、9月9日のことである。リコーイメージングは、「現行のペンタックスKシリーズデジタル一眼レフカメラの製造を終了し、代わって撮影行為そのものを愉しんでいただける製品の開発を進め、Kマウントレンズの資産をそのまま生かせる、全く新たなコンセプトのデジタル一眼レフカメラを開発している」と公式発表しました。

これ筆者にとっては重要な事件なので、今回は急遽ペンタックスのネタをやることにしました。最近ペンタックスばっかり取り上げてねえか?と不満な読者もいらっしゃるでしょう。

昨日からシルバーウィークに突入したこともありまして、ことペンタックスに対しては、長いユーザーなので、執着というか、粘着性老人が筆者ですから、お付き合いいただければありがたしです。

今回のアナウンスの中で、さらに気になるのは「新たなステージを目指します」という力強い文言があることです。

これ、私たちが想像する以上の突拍子もない、超絶の新機能なのか、それとも別次元のインターフェースを装備したものなのか、気になりますが、リコーイメージングは「今後も一眼レフでの撮影スタイルを追求し、一眼レフならではの撮影の楽しさや写真の素晴らしさを体験できる製品を届けたい」と締めています。やはりオーソドックスな一眼レフになるのでしょうか。

一眼レフで今後、新しく機能を積むということになると、筆者としては半透明のペリクルミラーによるブラックアウト解消、ミラーショックの解消くらいしか思いつきません。

このミラーレスカメラ全盛時代に、孤高の存在ともいえる一眼レフの道を選ぶのは並大抵の覚悟では実行できない。

ユーザーのみなさんはこれからもペンタックスを信じて生きてゆくという勇気と覚悟はありますか? ありますね。そうですね。

りんごを栽培している農家の方に出会いました。なにを話していたのか忘れてしまいましたが、大きさの話だったような。ライブビューで顔認識AFを利用して撮影しています。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/50mm/絞り優先AE(1/2,000秒、F3.2、±0.0EV)/ISO 400
小さいレストランの片隅。反応したのは光ですね。被写体に意味は求めないわけで。ISO感度設定を変えるのが面倒でそのまま撮影。SRに期待しましたが、それに応えてくれています。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX-FA 24-90mm F3.5-4.5 AL[IF]/80mm/マニュアル露出(1/15秒、F7.1、−0.7EV)/ISO 400

筆者自身も、期待と同時に不安と怖さも感じます。

今回の発表で筆者がもっとも注目したところは、あえて強調しちゃいますけど「資産たるKマウントレンズを生かせる」の一文です。当然ながらこれはKマウントを変更することはないという宣言でもあります。

過去から現在までのKマウントレンズの機能をどこまで生かせて、カメラ側の機能を損なわずにスムーズに使用できるのか、とても気になりますね。

今回の趣旨はKシリーズ最後のフラッグシップ一眼レフであるK-1 Mark IIの機能をみつつ、後継となる新型ペンタックス一眼レフはどうなるのか、ユルく予想してしまおうというものです。

作例はウチにあるK-1 Mark IIを使用していますが、新型開発発表のニュースを聞いてから撮影したものがほとんどで、時間なく少々荒っぽくなりました。これは毎度か。すみません。カット程度でご覧ください。

現時点で新型ペンタックス一眼レフカメラに対する情報は、1ミリたりとも知らされていないわけですから、これから先は筆者のヨタ話、老人の妄想として、ナナメに読んでください。予想がまったく外れても、筆者は責任とれません。

ペンタックスの一眼レフは1975年以降、それまでのM42スクリューマウントから決別して、バヨネットのKマウントを採用しました。機能の将来的発展とレンズ交換の迅速性をもたらしました。そういえば本連載でも「Kマウント50年」を勝手に祝いましたね。

KマウントはM42と同様にユニバーサルマウントとして、マウントの規格は開放されました。

このため、当時のリコーやコシナ、トプコン、チノン、シグマ、ペトリ、ミランダの一眼レフでもKマウントが採用されました。海外のブランドを含めるとさらに増えます。メーカーの垣根を超えたカメラ、レンズの相互互換を目指したわけですね。これは素晴らしい試みです。ユーザーに大きな利益をもたらすからです。

ところが、Kマウントも技術の進化と発展には抗えず、マルチモードAEのために電子接点が設けられたり、AF化のためにカプラーが増設されたり、機能を増やしながら変化してゆきます。

ペンタックスプログラムAは1984年発売のマルチモードAE搭載のMF一眼レフ。マウント正面2時方向に、絞り設定値の伝達レバーがみえます。
K-1 Mark IIのマウント面。絞り設定値の伝達レバーは省略されています。

現行のペンタックスレンズでも、簡単に区分すれば絞り環が存在するものもあれば、省かれたもの、レンズ内にAFモーターが仕込まれたもの、電磁絞りが採用されたものもあります。

ちなみにレンズ内モーターのKマウント交換レンズでは、装着できても撮影は事実上できない片側互換となるカメラボディもたくさんあります。

また逆に電子接点を有しないKマウントレンズを使う場合は、カメラボディによっては機能を完全に発揮できない機種も多くあります。

つまり、現在のペンタックスレンズのラインアップをみてみますと、Kマウントの基本規格は同じですが、カメラとレンズの新旧相互互換性は完全には考えられていないことになります。

現行のペンタックスレンズでも絞り環のあるもの、ないものが混在、かつAPS-C用の専用レンズもありますから、ビギナーさんにはわかりづらいものになります。昔なら新旧のシステムチャートを見比べて、あれこれ想像するのが勉強をしているみたいで楽しかったりしたのですが、最近はそういうことは少ないのでは。みんな忙しいですからね。

ところで、フラッグシップのK-1 Mark IIは、これまで登場してきたKマウントレンズの互換性は保たれていたのでしょうか。

これ、結論を先にいえば、完全ではないけど保たれていると考えていいでしょう。Kマウントレンズを装着し、フル機能を発揮させることを望まなければ、写真制作は可能ということです。

smc PENTAX 50mm F1.4。Kマウント移行時の1975年に登場した初期の交換レンズの1本。通称「Kレンズ」と呼ばれたりします。タクマー時代からのレンズ構成を踏襲し非常に優秀な描写です。フィルターアタッチメントは52mmで以前よりも大型化してみえたので損をしていますが、K-1 Mark IIと大きさとデザインの相性がいいわけです。
Kマウント登場直後の標準、通称Kレンズで撮影しています。反射とはいえ強い太陽光を入れましたが、非常に性能は高いですね。スクリーンをみても切れ込みが優秀なレンズであることがわかります。グリーンボタンを使用し露出を参考にしました。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX 50mm F1.4/50mm/マニュアル露出(1/1,250秒、F8)/ISO 400
室内だから光線状態はよろしくないのですが、光を逃したくないので、あまり考えずにシャッターを切りました。収まりのよい描写です。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX 50mm F1.4/50mm/マニュアル露出(1/160秒、F4)/ISO 400
リコーのXRリケノン50mm F1.4を装着。いまや純正レンズとなったわけですから、胸を張って使えますね。
最短撮影距離で絞り開放というのはレンズの欠点が露呈する最たる条件ですが、問題なく写りますね。ボケも素直だと思います。
ペンタックス K-1 Mark II/XR リケノン50mm F1.4/24mm/マニュアル露出(1/3,200秒、F1.4、±0.0EV)/ISO 100
街を歩いていると奇妙なものを見つけることがありますが、それが何かを解明するよりもその謎とか不思議さを撮りたいわけです。絞りによって顔が少し変わるレンズですね。
ペンタックス K-1 Mark II/XR リケノン50mm F1.4/24mm/マニュアル露出(1/800秒、F4、±0.0EV)/ISO 100

K-1 Mark IIでも、そのAEのマルチモードのパフォーマンスを生かすためには、電子接点を有しているKマウントレンズを装着しなければなりません。MFのペンタックスレンズでいえば、「ペンタックスA」レンズ以降の製品を使う必要があります。

そういえばニコンもマルチモードAEやデジタルの時代が訪れても、基本的なFマウント形状を変えませんでしたが、ミドルクラス以上の一眼レフでは、カメラ側でAモード(絞り優先AE)に設定すれば、レンズとボディとの電気的な繋がりがなくても、ほとんどのレンズでAE撮影できました。開放Fナンバーや焦点距離の手動入力をすることで露出精度の向上を目指し、Exifにも対応します。

ミドルクラス機以上の機種なら、ベテランのユーザーもたくさんいるのですから、古いレンズを資産として大事にしたいわけです。このためAi方式のメカ連動機能が、カメラ側に残されたのでしょう。

ニコンの基本姿勢としては、市場に出た古いニッコールレンズのことは責任をとって面倒をみますけど、新しいニッコールレンズを古いニコンの一眼レフに装着しても責任はとれませんよという姿勢ですね。

夏の終わりの光景です。これも明暗差がそれなりにあるのですが、階調の繋ぎ方がうまいですね。シャープネスも階調で作ってゆくという印象です。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/63mm/絞り優先AE(1/640秒、F3.5、−0.7EV)/ISO 400
コーヒーショップで、海のない県での撮影なのですが。使用したズームは古いタムロンのものですけれど、非常に実力を感じさせる描写です。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/50mm/シャッター優先AE(1/3,200秒、F8、−0.3EV)/ISO 400

話を戻しますと、ペンタックスK-1 Mark IIではAモードの設定で、電子接点のないKマウントレンズを装着してシャッターを切ると、絞りは動かず、開放絞りで露光されます。これ、知らずに使うとかなり困る現象です。筆者のように取り説を読むことを嫌う人ならなおさらであります。

絞りが動作しない理由は、レンズ側の設定絞り値を伝達レバーにカップリングするボディ側のレバーを省略し、AE設定時は絞りが動作しないように設定されてしまうからでしょう。

K-1/K-1 Mark IIのようなフラッグシップ機では、絞り値のメカ伝達機能は残しておいたほうがフレキシブルな使用が可能になると思うのですが、あえてこれは省略されたというわけです。理由はよくわかりませんが、おそらくコストを下げたかったのでは。

もちろんMモード(マニュアル露出)に設定すれば、電子接点のないKマウントレンズでも絞りは正常に動作し、シャッターを切れば設定絞り値まで絞り込まれます。

電子接点のないKマウントレンズを使用する場合はMモード設定で使ってね、ということが原則です。ちなみに電子接点のないレンズもK-1 Mark IIに手動で焦点距離情報を打ち込めばExifにも反映されますから、古いKマウントレンズをK-1 Mark IIに装着してくれるな、ということはないのです。

K-1 Mark IIには「ハイパーマニュアル」があるではないですか。という意見が、古いKマウントレンズユーザーさんから聞こえてきます。

そのとおりです。撮影モードをMモードに設定にし、ボディ側に備えてある「グリーンボタン」を押せば、絞りは設定された実絞りまで絞り込まれ、絞りに対応した適正露出になるシャッタースピードが自動的に設定されます。操作は簡便で便利ですが、それでもマニアックな機能に感じてしまいますね。

グリーンボタンは、電子接点のないレンズを使う場合はたしかに便利です。ただ、押したからといって、常に適正露出というわけではないので、ここから微調整しましょうという考え方ですね。

今回のリコーイメージングの発表で、「Kマウントレンズの資産をそのまま生かせる、全く新たなコンセプト」とありますが、“そのまま”という言葉を信じるならば、新型のペンタックス一眼レフでは、電子接点を持たない旧Kマウントレンズを装着しても、Mモードにしてグリーンボタンを押すという手順を踏まずに、Aモード設定のままでAE撮影ができるように考えるのが筋だと思うのです。

K-3 Mark IIIにおいては、電子接点のないKマウントレンズを装着してAモードで撮影すると「瞬間絞り込み測光」撮影ができるようになっています。

これも便利ではあるのですが、かなり大きなタイムラグが生じるので、正直使い勝手がよいとは言えません。やはり素直に絞り値情報をボディ側に伝える機能をメカとして増設したほうが使いやすいはず。

AFの性能に関してはどうでしょうか。K-1 Mark IIのAFは精度が悪いとか合いづらいとか、いろいろな悪口を言う人も少なくないようですね。

約10年前の一眼レフカメラのAF性能をあれこれ言ったところでどうしようもありませんがロングセラーカメラならでの悩みでもありますね。

とはいえ筆者自身、AFの合焦精度については、さほど困っていないのです。それは、合わなければMFに切り替えるか、合うように仕向けてやればいいという考え方をしているからです。アジア大会のバレーボールを仕事で撮るのならば、AF性能にはこだわりたいですけどね。合焦の精度に逐一怒っていると、体に悪いですぜ。

K-1 Mark IIのAFって、ボディ内の強力なモーターを暴力的に回すという印象があり、レンズによっては、ギャーっというギアの動作音も大きいのですが、個人的にはこの動作、嫌いではないのです。

ただ、レンズ設計者に言わせると、こうしたカプラー式のボディ内モーターAFは、精度的に問題があるという意見も読んだことがありまして。この方式は、レーシングカーが急発進、急ブレーキを繰り返しているようなもので、本当のフォーカス合焦位置を考えるとリスクがあるということらしいです。

うるさいことを言う人は古いレンズは使わずに、静かにレンズ内モーター方式の最新AFレンズを使用すればいいわけです。でも現行のAFレンズでも整理が進んでいるようにみえます。リニューアルはあるのでしょうか。

被写界深度の配分というか、フォーカスの合う範囲を任意でコントロールして撮影してみました。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/55mm/絞り優先AE(1/4,000秒、F6.3、−0.7EV)/ISO 400
テレ端にして絞りは開放値近辺ではありますが、よい写りで驚きます。鏡筒デザインがもう少しモダンだったら、常用したいレンズです。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/75mm/絞り優先AE(1/2,000秒、F4、−0.7EV)/ISO 400

光学ファインダーで使用する場合は、位相差AFを測距するわけですが、新型一眼レフカメラとなれば、さらにブラッシュアップされた性能になることでしょう。

これもまた楽しみですが、お願いですから、新旧かかわらず、カプラー方式のAFレンズもレンズ内モーターのAFレンズも両者面倒をみてください。もちろんMFのペンタックスAレンズも。でもこれは心配しておりません。これまでのすべてのペンタックスAF一眼レフは、クラスにかかわらず、使われることがなくても、ボディ内にAFモーターが仕込まれており、これはAEよりも面倒見がよいという印象を持っていました。

個人的にはAFエリアをむやみに増やしてゆくのはどうかとも考えています。K-1 Mark IIには、背面のマルチコントローラーのような、通称グリグリは存在しないので、慣れないとAFエリアの選択が面倒でした。

AFの全面的な改良を望みたいところですが、位相差AFの場合は中央のエリアとローカルのエリアでは合焦精度に差があるのが普通なので、とくに緻密なフォーカシングを必要とする場合は要注意なのです。

筆者は大口径のAFレンズを開放絞りで使うような場合は、潔くライブビュー撮影に切り替えてしまうことが多くなります。

撮像面での測距をするコントラストAFは、光学ファインダーで撮影する位相差AFよりもAFの動作速度は遅いですが、精度的に優れていることも多いのです。正直、エラーが出ることも多いのですが、これはやむをえずです。

自然風景の写真を追求するというより、人間の暮らしのあり方をいつも見つめていたいと思うわけで。そういう景色が個人的に好きなわけです。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/33mm/絞り優先AE(1/500秒、F14、−0.7EV)/ISO 400
地方の飲み屋街なんですが、シンプルな提灯でもよい感じの色気を感じることがあります。撮らされた感もあるのですが。よい色味で再現されています。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/75mm/絞り優先AE(1/800秒、F3.5、−1EV)/ISO 800

現在の像面位相差AFのデバイスを新型一眼レフに搭載すれば、ライブビュー撮影時に、より高精度、高速AFになるのは間違いないと思われます。筆者自身としてはライブビュー時の性能を上げることで、一眼レフとミラーレスのハイブリッド的な相互使用方法ができることに期待しています。

LCDのタッチ操作を可能にすることも必須でしょう。現在の背面のフレキシブルチルトLCDですが、あまりにも凝った機能すぎて、うまく使いこなせていません。ライブビュー撮影のAF性能の問題もあって、フレキシブルチルトLCDがあったからこそ、便利に使えたということもなく。LCDはふつうのチルト式で十分ではないかと。個人の感想です。

ただ、このフレキシブルチルトLCDは、いろいろといじくりまわしても、光軸位置を大きく外れないように考えられているのは素晴らしいですね。ただ、ボディの厚みを増した要素になってはいるのではないかと気になります。

フレキシブルチルトLCDです。綺麗な表示ですね。ネイチャー派の人には必須な機能なのでしょう。体に負担をかけたくない年寄りにも向いていますが、ライブビューを多用する人はAF性能は不満じゃないかなあ。

AFが高精度で優秀ならば、一眼レフのファインダースクリーンは明るければ明るいほどよいと考える人が多くいるようです。でも、スクリーンのピントの切れ味と、明るさは両立しないのではないかと個人的に考えています。

とくにペンタックス一眼レフはMFのKマウントレンズとか、M42マウントレンズなど、お古レンズをアダプターで使って喜びを感じる人もたくさんいるので、スクリーンの性能は、明るさとピントの切れ込みのバランスを考えねばなりません。

できればスクリーンは交換式としてMF専用のスクリーンを用意するなどすれば完璧ではないかと思います。

ボディの軍艦部は一眼レフであることを主張するため、デザイン的に重要なので、ここは三角屋根でお願いしたいですね。

筆者はコマ速度に対してあまり要求はないので、現状のままで不満もないのですが、コマ速度は同じというわけにはいかないでしょう。高速連写は、できるだけ頑張っていただくしかないのでは。

路地を歩いていたらふと、見られた感じがして、この僕でした。明暗差大きいですが、バランスのよい露出です。このあたりに35mmフルサイズの余裕があるのでしょうか。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/33mm/シャッター優先AE(1/3,200秒、F4.5、−1EV)/ISO 400
高層ビル内を見上げてみると面白い造形を見つけたりすることがあります。SR(手ブレ補正)の効果を信じ、手持ち撮影していますが、問題ありませんでした。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/28mm/絞り優先AE(1/50秒、F5.6、−0.7EV)/ISO 400

ミラー駆動の耐久力を考えねばならないのはたいへんですが、ミラーボックスを作らなくなれば、ロストテクノロジーとなりそうです。これとは矛盾するようですが、個人的には冒頭に述べたように、ペリクルミラー搭載を望みたいですね。ブラックアウトフリーで、デジタルならペリクルミラーのファクターもストレスなく吸収できそうです。良いことづくめに感じますがいかがでしょうか。

ところで、K-1 Mark IIの軍艦部にある、スマートファンクションダイヤルって、いまだに使い方がよくわからないんですが、これ絶対に必要なものなのでしょうか。どなたかに使い方の手順を教わりたいのですが、そういうことをいうと、嫌味な老害カメラマンの認定になるのか。もうなっていますからいいか。

スマートファンクションダイヤル。ボディ上部の一等地にあるのですが、筆者は使用したことがなくて、どなたかに使い方を習いたいです。

スマートファンクションダイヤルの代わりとして、シャッタースピードダイヤルに変えたら、みなさん喜びませんか。どうせ使わない飾りのシャッタースピードダイヤルになる可能性がありますが、一眼レフですからきっと似合います。ニコンDfみたいな感じでいかがでしょうか。

K-1 Mark IIの画素数は3,640万画素ありますので、仮に新型カメラが後継的な位置付けになると、これよりも低い画素数にはできないのでしょうね。私の仕事では高画素で撮る必然はほとんどなく、本音では2,400万画素クラスで十分すぎるくらいなのですが、これも、そういうわけにはいかないんでしょうねえ。

Kマウントレンズを徹底して生かすということになれば、言うまでもなく画素数の問題よりも35mmフルサイズセンサー搭載はマストでしょう。レンズ性能を隅々まで確かめられるからです。個人的にもそのほうがいいと考えます。

手持ち可能なハイレゾ撮影も、筆者は発売時のレビュー記事作成のため以外に撮影したことがありませんので語る資格はありません。まさに豚に真珠ですが、とにかく高鮮鋭な写真を制作したいという人も少なからずいますから、搭載して困ることもないのでお願いしておきましょう。

手ブレ補正搭載の継続もマストですね。これも効きがよければよいほど、可能性が広がります。

あと、新型一眼レフに強く望みたいのは、なんとしても小型軽量化です。K-1 Mark IIは分厚い体躯で重たいので、いつも、筆者自身のカラダを見る気分です。本機を構えた自分の姿を鏡に映すと、その全体の大きさに驚き、ガマの油みたいに汗がにじみ出てきそうになるほどです。

とあるロケ出発の朝のことでした、最終の機材チェックをした時、急にK-1の重さが気になり出し、携行するのをやめ、代わりにK-3 MIIIを選びました。正直、騒ぐほどの重量の差はありません。けれど、その朝のK-1を持った時の手のひらの感触は、数値以上の重量を感じたというわけです。重さに負け、K-1を持ち出さないのは正直、自分でも情けなく感じました。でも、こうした感覚は、大切にしたいと考えています。

季節外れの鯉のぼりなんですが、光が綺麗だったので。背景が少々暗いからでしょうか、見た目の印象よりも赤色が映えました。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/75mm/絞り優先AE(1/1,000秒、F4、−0.7EV)/ISO 400
林の中でスポット的に光が当たっていました。それだけの光景だけど、光の質や方向性によってはドラマが得られのではないかと考えるわけです。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX-FA 24-90mm F3.5-4.5 AL[IF]/90mm/絞り優先AE(1/500秒、F9、−2.3EV)/ISO 400

ペンタックスの35mm一眼レフカメラは、小型軽量をウリにしていた時代が長くあります。オリンパスOMと競争状態になったこともあるくらいです。さすがにこの時代、そこまでは望めませんが、大きさの手本はMFフィルムフラッグシップ一眼レフのLXサイズでしょうか。

もちろんフランジバックの宿命的距離やデジタルのデバイスを考えるとそれは不可能でしょう。けれど不可能を可能にすることも技術の進展と考えたいもので、とにかく驚かせてほしいものです。

今さら新しい一眼レフを作って、どうするのだ。という意見も出てくるでしょうが、筆者は個人的には一眼レフは嫌いではありません、むしろ装置としては好きです。仕事カメラではもう使いたくはありませんが、プライベートでは光学ファインダーを覗きたいという欲求がむくむくと出てくることがあります。

大枚はたいて、頑張って購入した超高価な大口径レンズがここにあるとします。これ、ミラーレス機に装着しても、ファインダーの明るさは変わりませんから、ありがたみが薄い(笑)んですよ。

一眼レフの場合はレンズの開放F値はファインダーの明るさに直結しますから、大口径レンズを装着すると、ファインダーがすばらしく明るくなり、すごくありがたみを感じ、これから頑張ってよい写真を制作するのだという力が湧いてきます。

パートカラーのような看板が気に入って撮影。ディテール再現に期待したいモチーフですが、古いレンズでも問題なく期待に応えるのです。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX 50mm F1.4/50mm/マニュアル露出(1/1,600秒、F8)/ISO 400
今月の給水タンク。街中では隣のビルの反射光が助けてくれることがあったり、不思議な光景になりました。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX-FA 24-90mm F3.5-4.5 AL[IF]/90mm/絞り優先AE(1/1,250秒、F9、−0.7EV)/ISO 400

ミラーレス機用の大口径レンズを宴会で自慢するには、その大きさと太さしかありません。もちろんそれでもかまいませんが、たまには撮った写真作品を自慢してください。

こうして書いてみるとK-1 Mark IIの悪口ばかり言っているように思われるかもしれません。でも過度な要求はしていません。

K-1 Mark IIは筆者の大好きなカメラですし、改良の余地がたくさん残されていることは、逆に期待度の高さとして喜ぶべきことであると考えたいものです。

それにスペックだけの優秀さではない、ガジェットとしての魅力をどこまで伝えられるかが、これからのカメラのあり方だと個人的に考えます。そういう意味では、可動部の多い一眼レフは、いじくりまわしても面白いカメラだと考えます。

はたしてどのような新型ペンタックス一眼レフカメラが登場するのか。現時点では何もわからないのですが、「ペンタックス」の名を後世に残せるかどうかの正念場がやってきたようにも思うわけであります。頑張れ! ペンタックス!

ワイド端でぐっと寄ってなんて言われるけど、一眼レフではけっこうフォーカスを外しやすいのでライブビューに頼って撮影しています。このあたりは使い分けの妙というやつです。
ペンタックス K-1 Mark II/TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di/28mm/シャッター優先AE(1/250秒、F3.5、−1EV)/ISO 800
ペンタックス MZ-S時代の標準ズームレンズなのですが。テレ端側で至近距離。おお、こんなに性能が高いのかと驚きました。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX-FA 24-90mm F3.5-4.5 AL[IF]/90mm/絞り優先AE(1/500秒、F6.3、−1EV)/ISO 800
デジタルならではのディテール描写。これも手持ち撮影ですが、SRが効いて満足のゆく結果です。至近距離でも描写性能が落ちない優秀なレンズですね。
ペンタックス K-1 Mark II/smc PENTAX 50mm F1.4/50mm/マニュアル露出(1/80秒、F4/ISO 400
赤城耕一

1961年東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒。一般雑誌や広告、PR誌の撮影をするかたわら、ライターとしてデジカメ Watchをはじめとする各種カメラ雑誌へ、メカニズムの論評、写真評、書評を寄稿している。またワークショップ講師、芸術系大学、専門学校などの講師を務める。日本作例写真家協会(JSPA)会長。著書に「アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。」(インプレス)「フィルムカメラ放蕩記」(ホビージャパン)「赤城写真機診療所 MarkII」(玄光社)など多数。