コラム

キヤノン EOS Kiss Mがカプセルトイに!?

光る!シャッター音がする!交換レンズも色々アリ

タカラトミーアーツが12月に発売したカプセルトイ、「Canon EOS Kiss M フラッシュ&サウンド ミニコレクション」は、キヤノンのミラーレスカメラ「EOS Kiss M」を1/2.5スケールに縮小したミニチュアモデルだ。

レンズ交換式デジタルカメラのカプセルトイは2010年前後から見られるようになり、これまでオリンパス、キヤノン、富士フイルム、ペンタックスなど各メーカーの機種がミニチュア化している。

キヤノンが監修

タカラトミーアーツによるカメラのミニチュア化にあたっては、素体のメーカーが監修に協力するのが通例となっており、今回紹介する「EOS Kiss M」のミニチュアモデルは、キヤノンが監修協力した通算3回目のカプセルトイ。過去には「日本立体カメラ名鑑 Canonミニチュアコレクション」としてフィルムカメラの「F-1」や「IV Sb」などをミニチュア化しているが、EOS Mシリーズのミニチュア化は今回が初。

「Canon EOS Kiss M フラッシュ&サウンド ミニコレクション」では、EOS Kiss Mのホワイトとブラックにをそれぞれ装着した全4種類をラインナップしている。

レンズはブラック・ホワイトともに「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」と「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」。

ギミックを確認

製品はカプセルの中に入っている段階でのボディとレンズの組み合わせによって、内蔵するギミックと付属品が異なる。

レンズは着脱できるので、複数種類を揃えれば、相互に付け替えられる。望遠ズームレンズはズームリングが回転する。

レンズの着脱が可能。

このほか、内蔵ストロボが開くようになっている。

内蔵ストロボのポップアップを再現している。

「EOS Kiss M(ホワイト)+EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」は、シャッターボタンを押すと仕込まれたLEDが光るギミックを備えている。

ホワイトの標準ズームモデルは、シャッターボタンを押すと光る(内蔵ストロボ発光部は光らない)。

「EOS Kiss M(ブラック)+EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」では、シャッターボタンを押すたびにシャッター音が鳴る。

「EOS Kiss M(ホワイト)+EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」と「EOS Kiss M(ブラック)+EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」のボディは上記のようなギミックを備えていないが、代わりに本物のカメラのホットシューに装着できる取り付けプレートが付属している。

ストロボ発光もしくはシャッター音のギミックを内蔵しない製品については、カメラのホットシューなどにミニチュアを装着できる取り付けプレートが付属している。
一眼レフカメラのホットシューにミニチュアカメラをつけたところ。

ボディ側には各色でギミックを内蔵するものとしないものの2種類があることに注意しておきたい。また、レンズ側には、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STMにズームリングが回るギミックが存在する。なお取り付けプレートは、すべてのボディに装着可能だ。

わずか300円ながら高い再現性と楽しさがある

ディテールについては、300円で手に入るカプセルトイということもあって、背面操作部などに粗さを感じる部分はあった。しかしズームリングやレンズのロックレバー、ダイヤル、グリップラバーの凹凸感などの造形にはそれっぽさが出ており、安価なミニチュアということを考えると、再現性の面でかなり頑張っているように感じられる。

フィルムカメラのミニチュアとして発表した2013年の第1弾、2018年の第2弾と同じく、可動部を多くした方向性も評価したい。レンズ交換式カメラのミニチュアではレンズが固定されていることもままあるが、本製品ではレンズ交換ができたり、内蔵ストロボのポップアップを再現していたり、望遠ズームのズームリングが回せたりでき、こだわりを感じさせる部分が多くあった。だが、さすがにダイヤルは小さすぎて回せるようにはできなかったようだ。

ラインナップ中の一部のモデルだけではあるが、シャッターボタンと連動して発光したり、音が出るといったギミックも珍しい。どうもこの機能を盛り込んだために、これまでのミニチュアカメラよりも若干サイズが大きくなってしまったようだが、よりカメラらしい動作を演出することに成功しており、面白い試みではある。ただ、ミニチュアモデルは各パーツが接着されており、電池を交換できる作りにはなっていないようなので、もし電池が切れた際に交換したい場合は、それなりの工夫が必要になるだろう。

おもちゃのミニチュアカメラといえば、ボタン配置やファインダーの位置がデタラメな「雰囲気だけカメラ」もよく見かけるものだが、タカラトミーアーツのミニチュアカメラは伝統的にカメラメーカーが監修していることで、「実在機種のミニチュア」である点に価値がある。今回も、わずか300円で手に入るカプセルトイとしては高い完成度のミニチュアに仕上がっている。

カメラをはじめとしたツール系のミニチュアは、集めて飾る楽しみ方のほかに、フィギュアやドールなどに持たせる小道具として使う用途もある。スケールによっては持たせてピッタリ合うサイズがないことも多いが、今後様々なサイズや機種のバリエーションが登場することにも期待したい。

関根慎一