多少、マゼンタが弱い印象もあるが、6色のiP7100よりもシャドウ部の色ノリは良く、描写も自然で立体感も残っている。
iP7100の評価でも書いたように、顔の右半分に相当する部分は染料系インクジェットプリンタでは表現しにくい色である。彩度を出しにくいため、階調を残すためには、色乗りをある程度はあきらめなければならない。
しかしレッドインクの効果なのか、本機ではiP7100よりもきちんと色が出ていることが確認できる。RGBデータと比べてはいけないが、印刷結果としては上々。全体の印象は忠実で破綻はあまり見られない。
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iP4100、iP7100でも十分に高い描写能力があったが、本機も基本的には同じ。色の忠実性で他モデルに勝る部分が見られる。トーンカーブの正確性は例によって差が見られないが、色に関しての違いがある。
まずオリジナルデータの空が、かなりわざとらしい水色になっているが、他モデルではそこそこヌケの良い空色に描かれていた。ところが本機では、オリジナルのわざとらしさがそのまま近いイメージで描かれる。
オレンジ色の屋根は元データを見ると、僅かに黄色カブリをしているが、他モデルは見栄えの良いオレンジとなるところ、本機は正確な色を出す。
街路樹の葉は、多少くすみを感じる黄緑だが、他モデルは美しい緑色になる。ところが、本機の場合はそのままのイメージで印刷される。
このあたりは、自ら拘って写真をレタッチし、出力しようというユーザーを意識したものかもしれない。
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