ハイライトとシャドウを強調するS字トーンカーブを描き、見栄えを良くしようという意図が感じられるが、ごく僅かな味付け。基本的には元データに忠実である。黒く潰れているように見える背景も、暗幕の折り目やシワが階調として残っている。肌や髪の毛の色も正常だ。
ただし顔の右半分、つまりシャドウ部は赤みが弱くなり、僅かな緑カブリを感じる。また中明度のエリアに比べると、描写の粗さも目立つ。とはいえ、4色印刷でここまで上手に人肌を表現できれば十分。 |
空間周波数の高い絵柄だけあって、鑑賞距離(30~50cm程度)での比較では6色以上のフォトインク採用機と比べても、全く遜色ない仕上がりになった。空や雲の描写でも問題は感じられず、道路や建物のテクスチャもきちんと再現される。
色調の色がオリジナルデータの“作り物”っぽい色を、常識的な青として表現している事を除けば、元データの印象に対して忠実。わずかにあっさり目のテイストにはなるが、インクジェットプリンタ全体の中での相対的な評価では忠実度は高い方と言える。
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