【記録メディア転送速度テスト】パナソニック「RP-SDW64GK1K」(64GB Class10 SDXC)

  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。
RP-SDW64GK1K

 パナソニックが2月に発売した「RP-SDW64GK1K」(64GB)および「RP-SDW48GK1K」(48GB)は、パナソニック初のSDXCメモリーカード。実勢価格は、64GBが6万3,800円前後、48GBが4万8,800円前後。

 SDXCメモリーカードは、SDHCメモリーカードの上位規格。規格上最大2TBまでの容量と、最大104MB/秒の転送に対応している。ファイルフォーマットはexFAT。本コーナーでSDXCメモリーカードを扱うのは今回が初めてになる。

 規格上104MB/秒の高速転送が可能とされているSDXCメモリーカードだが、本製品の公称転送速度は22MB/秒とやや控え目。Class10対応ということも合わせて考えると、64GBという容量以外に、ハイエンドのSDHCメモリーカードとの差異が見られないことになる。

 今回はRP-SDW64GK1K単体での計測に加え、付属のSDXCメモリーカード対応カードリーダー「BN-SDCLP3」を用いた計測もあわせて行なった。

同社のSDHCメモリーカード(右)と比べても、端子部など外観に違いは見られない
SDXCメモリーカード対応のUSB2.0カードリーダー「BN-SDCLP3」microSDHC/SDカードも使用できるが、同時使用はできない

キヤノン「EOS Kiss X4」による書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、RAWデータ(ファイルサイズ約19MB)で連写し、レリーズ回数を調べた。途中でバッファがフルになってもシャッターボタンを押し続けている。また、パワーバッテリーグリップなどのオプションは使用していない。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに、撮影開始から30秒間のレリーズ回数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズは装着せず、ボディキャップを装着した。
  • 露出はマニュアルモードで、シャッタースピードは1/2,000秒に固定。

各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)
製品名容量発売元区分スピードクラスレリーズ回数
SDSDX3-016G-J31A
(Extreme SDHC)
16GBサンディスクSDHCClass1031.2
LSD8GBDRBJP133
(Professional SDHC 8GB)
8GBレキサーSDHCClass629.2
TS8GSDHC10
(Transcend SDHC 8GB Class10)
8GBトランセンドSDHCClass1023.0
RP-SDW64GK1K64GBパナソニックSDXCClass1020.8


ニコン「D90」による書き込みテスト

  計測方法はEOS Kiss X4と同様。連写したファイルのサイズはRAWデータ(ファイルサイズ約8MB)とJPEGデータ(ファイルサイズ約300KB)。

各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)
製品名容量発売元区分スピードクラスレリーズ回数
SDSDX3-016G-J31A
(Extreme SDHC)
16GBサンディスクSDHCClass1054.8
LSD8GBDRBJP133
(Professional SDHC 8GB)
8GBレキサーSDHCClass649.6
TS8GSDHC10
(Transcend SDHC 8GB Class10)
8GBトランセンドSDHCClass1044.4
RP-SDW64GK1K64GBパナソニックSDXCClass1033.4

USBカードリーダーでのテスト

  • 「CrystalDiskMark Ver.2.2.0」の連続書き込みと連続読み出し(Sequential)で5回ずつ計測し、各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
  • テスト環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Quad@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。
  • USBカードリーダーはパナソニック「BN-SDCLP3」。比較対象として、バッファローの「BSCRA38U2」(Turbo USB ON)でも同一個体のSDXCおよびSDHCメモリーカードを計測した。

●パナソニック「BN-SDCLP3」での計測

各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分スピードクラスWriteRead
SDSDX3-016G-J31A
(Extreme SDHC)
16GBサンディスクSDHCClass1018,59619,464
LSD8GBDRBJP133
(Professional SDHC 8GB)
8GBレキサーSDHCClass618,26419,676
TS8GSDHC10
(Transcend SDHC 8GB Class10)
8GBトランセンドSDHCClass1017,58419,034
RP-SDW64GK1K64GBパナソニックSDXCClass1015,95319,402


●バッファロー「BSCRA38U2」での計測

各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分スピードクラスWriteRead
SDSDX3-016G-J31A
(Extreme SDHC)
16GBサンディスクSDHCClass1021,12823,154
LSD8GBDRBJP133
(Professional SDHC 8GB)
8GBレキサーSDHCClass620,66223,206
TS8GSDHC10
(Transcend SDHC 8GB Class10)
8GBトランセンドSDHCClass1017,51022,202
RP-SDW64GK1K64GBパナソニックSDXCClass1017,05422,358


まとめ

 デジタル一眼レフカメラでの連写テストでは、SDXC対応のEOS Kiss X4と、SDXC非対応のD90でそれぞれレリーズ回数を計測した。いずれも計測前にカメラでフォーマットを行なった結果、ファイルシステムはEOS Kiss X4ではexFAT、D90ではFAT32としてフォーマットされていた。

 レリーズ回数に関しては、製品として高速さを売りとしていないものということもあり、凡庸な結果に終わっている。

 USBカードリーダーでのテストでは、比較対象として使用したメディアと比べると、書き込み速度では少々遅れをとったものの、読み出し速度はまずまずといったところ。

 また、当コーナーの計測環境に限った話ではあるが、SDXC対応のカードリーダーが、必ずしもSDXCメモリーカードのポテンシャルを引き出すわけではないことがわかった。なお、バッファローBSCRA38U2はSDXC非対応の製品だが、BSCRA38U2上でもSDXCメモリーカードをexFAT形式へのフォーマットを含めて問題なく使用できたので、そのまま計測に使用した。

 当コーナーの実測値において、連写速度という点では並の速度だったが、SDHCにない大容量は、用途によっては魅力だろう。特に動画を今までより長時間記録できるという点にアドバンテージがある。「写真をメモリーカードの中に撮り溜めしておきたい」、「従来のSDHCメモリーカードでは映像作品の収録時間が足りない」、「RAWで撮っているとメモリーカードがすぐいっぱいになってしまう」といった悩みがあるならば、導入を検討してみてもいいかもしれない。






2010/3/25 00:00