特別企画
PENTAX K-1 スペシャルギャラリー by 中西敏貴
進化した画質・操作性・信頼性…作品がクラスアップする確かな手応え
Reported by 中西敏貴(2016/2/29 12:04)
※撮影には試作機を使用しています。
PENTAXユーザーならずとも、多くのユーザーが待ち望んでいたであろう35ミリフルサイズデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」。2015年のCP+でモックアップが展示されてから、約1年。ついにその全貌が公表された。
その詳細スペックはすでに周知のことと思うのでここでは触れないが、現在PENTAXが持っている技術のすべてをつぎ込んだであろうことが容易に想像できる。その充実した内容に、私自身正直喜びを隠せないでいる。
PENTAXには645Zという超高画質な中判デジタルカメラと、機動性と高画質を両立した「PENTAX K-3 II」というAPS-Cデジタル一眼レフカメラがすでにあり、そこにフルサイズカメラがどのような仕上りで仲間入りするのか、非常に興味深かった。
K-5時代からPENTAXを使ってきた筆者にとって、その画質や操作性をどれくらい引き継ぎ、そしてどのレベルまでブラッシュアップされているのか、期待に胸を躍らせて待っていたというわけである。
格段に向上した画づくり
結論から先に言ってしまえば、想像以上の仕上がりと言えるだろう。ハイパー操作系に代表されるPENTAXならではの優れた操作性はそのままに、スマートファンクションといった新たな機能も採用され、より直感的な操作が実現している。
また、レンズ交換時にマウント部などを照らすLEDライトを採用するなど、心憎いまでの仕掛けが施されており、撮り手のことをしっかりと想像して作られているカメラなのだ、ということがよくわかる。
そして特筆すべきことは、その画の仕上がりだ。APS-CサイズのK-3 IIでも十二分に素晴らしい画を叩き出していたのだが、K-1の画は次元が数段異なる印象なのだ。K-5、K-3と使ってきた筆者にとって、モデルが新しくなるにつれ、生み出される画の質感が向上してくるのを実感していた。そしてK-1の画を見てその思いはさらに強くなった。質感の向上といった陳腐な言葉では表せないほど、非常に上品で高品質な画を生み出しているのだ。
フルサイズセンサーになったことで有効画素数は約3,640万画素に達し、確かに画がよくなるであろう。しかし、それだけでここまで次元が上がるものであろうか。おそらくは、PENTAXが威信をかけてK-1の画を練りに練ったのであろうと想像する。それだけ、このK-1にかけるメーカーの思いが強いのではないだろうか。
風景写真とのマッチングについて
従来から、PENTAXカメラはフィールドカメラを謳ってきた。つまり、風景写真家にとっては最高の相棒となるカメラであるわけだ。
マイナス10度の耐低温、防塵防滴といった要素はPENTAXにとってはもはや当たり前。K-1に関してもそのDNAはしっかり受け継がれており、本機をテストした厳冬の北海道であっても、なんら問題なく動作してくれた。
さらには、その優れた操作体系も風景写真とベストマッチと言えるだろう。厳しい気象条件の中で撮影することの多い風景写真にとって、カメラ操作は可能な限りシンプルな方が好ましい。メニューの階層を深く辿らなければ設定を変えられないようなことでは、一瞬の光を捉えられないからだ。
その点、K-1は主要な操作を直感的に行えるよう、ボタンやダイヤルの配置が非常によく練られており、手袋をはめていても容易に操作できた。
K-1は決して風景写真専用のカメラではない。あらゆるジャンルをこなしてくれるカメラであることは間違いないのだが、風景写真とのマッチングは最高といっても過言ではないだろう。
総評
フレキシブルチルト式液晶モニターや5軸手ぶれ補正など、現在の技術としては最先端とも言える要素もしっかり盛り込まれたK-1。誤解を恐れずに言えば、出し惜しみなく技術が詰め込まれたカメラといえるだろう。
ボディサイズもK-3 IIから少し大きくなった程度。35ミリフルサイズ一眼レフカメラとしては、驚くべきコンパクトさだ。本機と同時期に登場するレンズ群も、K-1へと高品質な光を届けなければならないため、切れ味解像感ともに抜群の印象だ。
PENTAXがその威信をかけて開発したフルサイズ一眼レフK-1。風景写真派のカメラ勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めた、素晴らしいフルサイズデジタル一眼レフカメラの登場である。
中西敏貴さんのトークライブがあります!
PENTAX K-1の発売に合わせ、全国で展開する「PENTAX K-1体感&トークライブ」。その中で、中西敏貴さんのトークライブも予定されています。いち早くK-1を使った中西さんから、K-1の素顔を聞くチャンスです!大阪:3月5日(土)11時〜17時。堂島リバーフォーラム1F(ホール)
東京:3月12日(土)12時〜17時、3月13日(日)11時〜17時。ベルサール新宿セントラルパーク1F(ホールA)
名古屋: 3月19日(土)11時30分〜17時30分。ナディアパーク デザインセンタービル3F(デザインホール)
福岡:3月21日(月・祝)12時30分〜17時30分。西鉄ホール ソラリアステージ6F
札幌:3月26日(土)12時30分〜17時30分。TKPガーデンシティ札幌駅前5F(A・B・C)
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