特別企画

PENTAX K-1 スペシャルギャラリー by 中西敏貴

進化した画質・操作性・信頼性…作品がクラスアップする確かな手応え

※撮影には試作機を使用しています。

湿度のある雪が降り続き、森が白く変貌していた。この繊細なイメージを表現するためには、高周波な被写体の魅力を余すところなく写し取るカメラとレンズが必要だ。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 1/8秒 / F11 / ISO 100 / 24mm
氷点下25度を下回った朝に出会った金色のダイヤモンドダスト。吐く息さえも凍りつきそうな中、高ぶる気持ちを沈めながら、ただこの神々しい光景と対峙する。これほどの極寒でもカメラの動作にまったく問題はなかった。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 1/2,000秒 / F2.8 / ISO 200 / 70mm
氷点下20度の日の出前。西の空に沈みゆく月と1本のポプラを狙った。凛とした空気の中、K-1の静かなシャッター音だけが響く。いや響くというほど大きくはなく、どちらかといえば囁くというべきだろうか。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 1/20秒 / F8 / ISO 200 / 33mm
抜けるような青と繊細な白の両方を美しく描くのは、案外難しいものだ。その点K-1の色再現は派手すぎず上品で濁りがない。高画素センサーだからこそ描き出せる精細な描写も大いなる魅力だ。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 1/80秒 / F16 / ISO 100 / 33mm
夜明け前に深々と降る雪をフラッシュを使って写し出してみた。防塵防滴仕様はこのようなシーンでも安心感をもたらしてくれるので、撮影に集中できる。結果、素敵な情景が完成した。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 2秒 / F2.8 / ISO 400 / 50mm
日の入りの太陽のスピードは思いの外早く、望遠レンズを覗いているとみるみるその位置を変えていく。そんなシーンこそ素早いカメラ操作が必要になるわけだが、PENTAX伝統のハイパー操作系がそれを可能にしてくれる。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW / 1/1,250秒 / F16 / ISO 200 / 310mm

PENTAXユーザーならずとも、多くのユーザーが待ち望んでいたであろう35ミリフルサイズデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」。2015年のCP+でモックアップが展示されてから、約1年。ついにその全貌が公表された。

その詳細スペックはすでに周知のことと思うのでここでは触れないが、現在PENTAXが持っている技術のすべてをつぎ込んだであろうことが容易に想像できる。その充実した内容に、私自身正直喜びを隠せないでいる。

PENTAX K-01。4月下旬発売。オープンプライス。店頭予想価格はボディのみ税込27万円台後半の見込み。

PENTAXには645Zという超高画質な中判デジタルカメラと、機動性と高画質を両立した「PENTAX K-3 II」というAPS-Cデジタル一眼レフカメラがすでにあり、そこにフルサイズカメラがどのような仕上りで仲間入りするのか、非常に興味深かった。

K-5時代からPENTAXを使ってきた筆者にとって、その画質や操作性をどれくらい引き継ぎ、そしてどのレベルまでブラッシュアップされているのか、期待に胸を躍らせて待っていたというわけである。

格段に向上した画づくり

山岳エリアに向かうと、空や影の青さが変わる。丘で見ている青とは次元の違う色彩に、いつも感動しながら撮影している。厳しい気象条件が作り出す雪の模様や木々を覆う霧氷など、別世界を堪能できるのが山岳エリアの特徴だ。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 2秒 / F2.8 / ISO 400 / 50mm

結論から先に言ってしまえば、想像以上の仕上がりと言えるだろう。ハイパー操作系に代表されるPENTAXならではの優れた操作性はそのままに、スマートファンクションといった新たな機能も採用され、より直感的な操作が実現している。

また、レンズ交換時にマウント部などを照らすLEDライトを採用するなど、心憎いまでの仕掛けが施されており、撮り手のことをしっかりと想像して作られているカメラなのだ、ということがよくわかる。

そして特筆すべきことは、その画の仕上がりだ。APS-CサイズのK-3 IIでも十二分に素晴らしい画を叩き出していたのだが、K-1の画は次元が数段異なる印象なのだ。K-5、K-3と使ってきた筆者にとって、モデルが新しくなるにつれ、生み出される画の質感が向上してくるのを実感していた。そしてK-1の画を見てその思いはさらに強くなった。質感の向上といった陳腐な言葉では表せないほど、非常に上品で高品質な画を生み出しているのだ。

フルサイズセンサーになったことで有効画素数は約3,640万画素に達し、確かに画がよくなるであろう。しかし、それだけでここまで次元が上がるものであろうか。おそらくは、PENTAXが威信をかけてK-1の画を練りに練ったのであろうと想像する。それだけ、このK-1にかけるメーカーの思いが強いのではないだろうか。

風景写真とのマッチングについて

激しく降り続く雪の中、白に溶け込むように並んでいる林を狙った。耐低温、防塵防滴といった仕様は厳しい環境で撮影することの多い風景写真家にとってはなくてはならない要素といえる。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 1/15秒 / F11 / ISO 100 / 29mm

従来から、PENTAXカメラはフィールドカメラを謳ってきた。つまり、風景写真家にとっては最高の相棒となるカメラであるわけだ。

マイナス10度の耐低温、防塵防滴といった要素はPENTAXにとってはもはや当たり前。K-1に関してもそのDNAはしっかり受け継がれており、本機をテストした厳冬の北海道であっても、なんら問題なく動作してくれた。

さらには、その優れた操作体系も風景写真とベストマッチと言えるだろう。厳しい気象条件の中で撮影することの多い風景写真にとって、カメラ操作は可能な限りシンプルな方が好ましい。メニューの階層を深く辿らなければ設定を変えられないようなことでは、一瞬の光を捉えられないからだ。

その点、K-1は主要な操作を直感的に行えるよう、ボタンやダイヤルの配置が非常によく練られており、手袋をはめていても容易に操作できた。

K-1は決して風景写真専用のカメラではない。あらゆるジャンルをこなしてくれるカメラであることは間違いないのだが、風景写真とのマッチングは最高といっても過言ではないだろう。

総評

ぼんやりとした夕日が丘に沈んていく。何気ない冬のシーンだが、こんな日々が繰り返されるのが北国なのだ。派手な色あいの夕日ではなかったが、K-1の上品な表現がこのシーンには非常にマッチしている。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR / 2秒 / F2.8 / ISO 400 / 50mm

フレキシブルチルト式液晶モニターや5軸手ぶれ補正など、現在の技術としては最先端とも言える要素もしっかり盛り込まれたK-1。誤解を恐れずに言えば、出し惜しみなく技術が詰め込まれたカメラといえるだろう。

ボディサイズもK-3 IIから少し大きくなった程度。35ミリフルサイズ一眼レフカメラとしては、驚くべきコンパクトさだ。本機と同時期に登場するレンズ群も、K-1へと高品質な光を届けなければならないため、切れ味解像感ともに抜群の印象だ。

斬新なフレキシブルチルト式液晶モニターを装備。

PENTAXがその威信をかけて開発したフルサイズ一眼レフK-1。風景写真派のカメラ勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めた、素晴らしいフルサイズデジタル一眼レフカメラの登場である。

ダイヤモンドダストが舞うのは氷点下20度以下であることが多い。指先の感覚はなくなり、寒さすら感じない。そんな中でも軽快にシャッターを切り続けられるのはフィールドを強く意識して設計されたPENTAXのカメラならでは。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW / 1/250秒 / F5.6 / ISO 200 / 450mm
冷え込んだ夕刻、空一面を虹色の彩雲が覆い始めた。少しの間も同じ状態はなく、刻々と変化していく彩雲の撮影は、いかに素早くカメラをセットし撮影できるかがカギだ。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW / 1/2,000秒 / F16 / ISO 200 / 160mm
冬の日は低い。夕方というにはまだ早い時間帯なのだが、それでもすでにこの傾きだ。あっという間に過ぎてゆく冬の日の一瞬を的確に捉えていくためには、素早い動きに対応してくれるカメラとそのシステムが不可欠だ。
PENTAX K-1 / HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW / 1/200秒 / F11 / ISO 200 / 200mm

中西敏貴さんのトークライブがあります!

PENTAX K-1の発売に合わせ、全国で展開する「PENTAX K-1体感&トークライブ」。その中で、中西敏貴さんのトークライブも予定されています。いち早くK-1を使った中西さんから、K-1の素顔を聞くチャンスです!

大阪:3月5日(土)11時〜17時。堂島リバーフォーラム1F(ホール)

東京:3月12日(土)12時〜17時、3月13日(日)11時〜17時。ベルサール新宿セントラルパーク1F(ホールA)

名古屋: 3月19日(土)11時30分〜17時30分。ナディアパーク デザインセンタービル3F(デザインホール)

福岡:3月21日(月・祝)12時30分〜17時30分。西鉄ホール ソラリアステージ6F

札幌:3月26日(土)12時30分〜17時30分。TKPガーデンシティ札幌駅前5F(A・B・C)

詳細はこちらのページで。

中西敏貴

1971年大阪生まれ。1990年頃より北海道へ通い続け、2012 年、撮影拠点である美瑛町に移住。光を強く意識した風景作品に取り組む一方、自然の中に造形的な美を見い出す表現にも挑戦している。写真展に「光の彩」「HIKARINOIRO+」「ORDINARY」。写真集に「光の彩」「Power of Light」「美瑛 光の旅」「ORDINARY」がある。