特別企画

「古地図を持って自転車旅」歴史心くすぐる東京巡りに出発!

昔の道をたどりつつ、デジカメとスマホを持ってプチ名所探索

ぽんとカシオのZR3000を手渡された。

「荻窪さん、自転車好きだよね」

「好きですが」

「古地図にも詳しいよね」

「まあiPhoneにはいってますし」

「歴史スポットにもくわしいよね」

「一応そういう本も書いてますし」

「ということでよろしく」

ああ。

確かにわたしはデジカメライターであるし、自転車で都内を走り回って「東京古道散歩」なんて本も書いているくらいには好きであるが、1日でデジカメ持って自転車で回るとなるといろいろ考えなきゃいけないではないか。

まあいいや、好きなところへいっちゃえ。

なぜそれでZR3000なのか

とりあえずはカメラの話から。

カシオのEX-ZR3000(以下ZR3000)はカシオの主力HIGH SPEED EXILIMシリーズの最新作である。

カシオのコンパクトデジカメというと、美肌機能が優秀で自分撮りもできてデジタルエフェクト機能満載で楽しいカメラという印象が強いわけで、確かにその通りだが、今回は撮像素子が変わって画質がワンランク上がったのだ。

撮像素子サイズは画質に決定的な差を与える要素なわけで、普及型の1/2.3型から1/1.7型に変わったのはとても大きい。

1/1.7型サイズのセンサーはコンパクトさと画質と高倍率なズームを両立できるほどよいサイズなのだ。

F2.8-6.3の12倍ズームレンズを搭載しており、非常にコンパクトで扱いやすい。

自転車ウエアの腰のポケットにもさっと入るサイズがいい。ほぼ手ブラでいける。
自転車のフレームに取りつける小型バッグにも入る。ここに入れておけばいつでも取り出せる。このバッグはわたしのお気に入り。白いケーブルが出てるけど、実は中にモバイルバッテリーも入ってるのだ。走りながら充電できるというモバイルバッテリー対応バッグなのである。

従来通り、背面モニターが180度チルトするので自分撮りのみならず自由なアングルで撮影できる良さも受け継いでいる。

もうひとつのポイントはスマートフォンとの相性がいいこと。

今や自転車乗りに欠かせないのがスマートフォンで、わたしはいつでも自転車にiPhoneを装着し、地図を見たりGPSログを取ったりしてる。これはすごく便利である。自転車対応のアプリなら速度も時間も表示される。

今回の現代地図のスクリーンショットは愛用している「ZweiteGPS」というアプリのものだ。これでログを取ってるのである。

地図メインで使ってると写真を撮るには別途カメラが必要になる。でもスマートフォンの「撮った写真をその場でシェアできる」便利さは欠かせない。

そこでZR3000の登場である。ZR3000は撮った写真をスマートフォンに自動転送してくれるのだ。だからスマートフォンで撮らなくても、高画質で望遠も使えて便利なZR3000で撮った方がいいのである。

ZR3000で撮って、ちょっと待てばもうその写真がスマートフォンにはいっているのだから。

というわけで、カメラバッグも持たず、ほぼ手ブラで、iPhone(6s Plusです)とZR3000とモバイルバッテリーの3点セット(+こまごましたアイテム)だけで走り出したのである。

スポット1:大宮八幡宮で自動転送のセットをする

起点は杉並区の大宮八幡宮にした。

大きくて古い神社の割に、どの駅からもアクセスが悪く、10分以上歩く必要があるのだ。そういうときこそ自転車の出番である。

大宮八幡宮拝殿をZR3000で。
EXILIM EX-ZR3000/1/1,000秒/F3.5/0EV/ISO80/44mm相当(35mm判換算)

最初に自動転送(オートトランスファー)できるようにしておくのだ。一度設定しておけば、撮影のたびに再設定する必要はない。

ZR3000とスマートフォンを連動させるには、まず「ペアリング」を行う。

ZR3000でWi-Fiボタンを押し、スマートフォンでEXILIM Connectアプリを起動して準備完了。

それじゃあ「Bluetoothみたいだ」と思われるだろうが、それ正解。まずスマートフォンとカメラをBluetoothでつなぐのだ。Bluetooth smartはBluetoothを使った常時接続を可能にする省電力の規格。ペアリングすることでスマートフォンとカメラを常時接続状態にするのである。

ペアリング開始。

うまくいったら「自動転送設定」である。スマートフォン側の中央のアイコンの変化に注目。ハート+シェイクハンドがペアリングされている印。カメラが赤くなっていたらWi-Fiで接続されている状態。

自動転送オンオフが非常に大事。

実際の写真の転送は「Wi-Fi」で行う。

撮影すると、カメラからスマートフォンに対してBluetoothで「写真を送るからWi-Fiでつなげ」的なリクエストが飛び、カメラのWi-Fiが起動し、スマートフォン側でWi-Fi経由でカメラにアクセスして、転送がはじまるのだ。

両者の接続が完了。このアイコンになる。

ここで大事なのは自動転送時の画像サイズ。

2つ選べる。

3Mにリサイズして送るか、フルサイズ(12Mサイズ)のまま送るかだ。リサイズすると、ファイルサイズが小さくなるので転送時間も短くなるしバッテリの減りも抑えられるしスマートフォンのストレージをあまり圧迫しないし、SNSへの投稿なら問題なし。

フルサイズにするとその逆でデメリットもあるが、撮った写真のバックアップになるし、さらにスマートフォンからクラウドへ上げちゃえば二重のバックアップとなる。そういう使い方もできる。

自動送信時にフルサイズで送るか3Mサイズにリサイズするかを選べる。今回はぜんぶフルサイズで挑戦してみた。

一度セッティングが済んじゃえば、あとはほっとけばOk。スマートフォンがスリープしてても、バックグラウンドで転送されるからだ。

さてほんとに「気がついたらさっき撮った写真がいつのまにかスマートフォンに入ってた」となるのか。あとで検証してみよう。

スポット2:掘之内妙法寺で自撮り

さて自転車の話。都内を自転車で走り回るとき、大事なのはどの道を選択するか、である。最近自転車通勤をはじめたという人はたいていそこで悩む。

幹線道路はわかりやすいが、交通量が多くて危険だし車や歩行者に気を使う。

そんなとき古地図の出番である。甲州街道や大山街道(今の国道246)や日光街道のように江戸時代の街道がほぼそのまま幹線道路になっちゃってるとダメだけど、よく見ると「昔からあるのに今は忘れられてる古い道」があるのだ。そういう道を見つけると話ははやい。交通量も少なくて適度に起伏やカーブがあって気持ちよく走れて、意外に遠くまでつながってる。都心を走るときは「古道をさがせ」が基本なのだ。

23区内を移動するときは日本地図センターの「東京時層地図」が定番。何しろ、明治初期、明治後期、大正から昭和、戦前、戦後から高度成長期、昭和のバブル期の6種類の地図が入っている上に、現代の地形図や航空写真も見られるアプリである。

今回表示する古地図はすべてこれを使ってる。

明治初期の古地図を見ると、大宮八幡宮参道から北東へ向かう道が太く描かれている。今はなんてこと無い生活道路だが昔はこれがメインの通りだったのだ。鎌倉街道ともいわれている。

現代の地図。緑の線はGPSログ。このように走ってきたのだ。これが大宮八幡宮参道。
明治初期の地図(ほぼ江戸時代と同じ)。方南通りの元になった道もあるが、当時よりポピュラーだったのは太い線で書いてある道。実はこれ、中世からある古い道である。

大宮八幡宮参道には「源義家鞍掛けの松」と呼ばれる松の木がある。今は代替わりしてる(つまり当時の松そのものじゃない)が、平安時代後期の武将「源義家」がこの松に馬の鞍をかけたといわれている松だ。

プレミアムオートPROで空を背景に撮ったら自動的に逆光と判断されてHDRがかかった。これはありがたい。
EXILIM EX-ZR3000/1/200秒/F7.9/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)

途中、熊野神社前で面白い滑り台発見。

石垣と巨石で作られた滑り台。いったいどこの石なのか、まさか滑り台のために一から石を持ってきたりしないよな、とふと気になったので撮っておくことに。

こういうとき、コンパクトデジカメは便利。これは面白いと思ったらさっと自転車を止めてさっと撮りだして片手で電源を入れてさっと撮れるのだ。しかもZR3000はローアングルが得意。

この巨石と組み合わされた滑り台、形がキレイなのでローアングルでそれを強調してみた。
EXILIM EX-ZR3000/1/200秒/F2.8/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)
ZR3000は背面モニターがチルトするのでローアングルもさっと撮れて便利。ローアングル時はこのように「親指シャッター」がお勧め。

そして道なりに進み、北上して「妙法寺参道」へ向かうことに。

このあたりの歴史散歩に欠かせないお寺だ。

江戸時代、掘之内の妙法寺は厄除け祖師として大人気で、江戸からの参詣客が大勢おり、各方面から妙法寺につながる道が整備され「掘之内道」や「妙法寺道」と呼ばれていた。

江戸時代に世田谷から妙法寺へ向かうのに使われた「掘之内道」を北上して妙法寺着。
明治初期の同じ場所。妙法寺に向かって道が集まってるのがわかると思う。

妙法寺は古いお寺なので見どころも多いが、最初の必見ポイントはこれ。重要文化財になっている「鉄門」。明治11年に作られた、ジョサイア・コンドル設計の門で国籍不明感がたまらなく味わい深いのだ。

妙に異国情緒のある明治時代に作られた門。重要文化財。
EXILIM EX-ZR3000/1/160秒/F7.9/0EV/ISO80/44mm相当(35mm判換算)

せっかくなので門の前で記念に自分撮り。

自撮り機能はさすが、アジアで「自拍神器」と呼ばれたTRシリーズを作ったカシオ。実に使いやすい。
EXILIM EX-ZR3000/1/160秒/F7.9/0EV/ISO80/44mm相当(35mm判換算)

ZR3000はモニタを180度回転させて自分に向けると自動的に自撮りモードに切り替わる。

そして「モーションシャッター」をオンにしておくと、画面上の「てのひら」がある位置に手を合わせて手を振ると(つまり、画面のてのひらがあるあたりに動きがあると)、自動的に3秒のセルフタイマーがかかるのだ。

背面モニターを回転させると自動的に自撮り&モーションシャッターに切り替わる。
そしてカウントダウンとともに撮影される。

鉄門は明治のものだけど、江戸時代に大人気だっただけのことはあり、当時奉納された絵や当時の井戸などがそのまま残っている。歴史散歩好きは必見の場所。

スポット3:掘之内道と青梅街道を走って淀橋へ

妙法寺の南を東に向かう道がある。それが江戸時代にもっともポピュラーだった参道で、掘之内道と呼ばれた。この道、青梅街道の少し南をほぼ並行して通っている上に交通量も少ないし、古道の風情が残っているので自転車散歩にすごくいいのだ。

途中、江戸時代の道標も残っている。

中野通りに残っている妙法寺への参道。自転車から降りずに片手でひょいと撮影。
EXILIM EX-ZR3000/1/640秒/F2.8/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)

この古い道を可能な限り走り、途中で青梅街道に出る。

青梅街道のひとつ南の通りを新宿に向かっている。一本奥へ入るだけで静かで走りやすい。
明治初期の地図では点線で描かれている。当時は青梅街道がメインで、ここは農道みたいな感じだったんだろう。実はこの道の方が妙法寺への参道としては古いらしい。

途中から青梅街道に出て少し走ると、神田川にあたる。

そこにかかっているのが「淀橋」である。

ご存じ、ヨドバシカメラの「ヨドバシ」だ。これ、現存してる橋なのである。

せっかくなので自転車と一緒に撮ってみた。この淀橋と書かれた親柱、実は大正14年に架けられた古い橋のものをそのまま流用してる。歴史ある橋だったのだ。
EXILIM EX-ZR3000/1/200秒/F7.9/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)

こういうスポットはぜひ立ち寄るべし。

スポット4:熊野神社でSNSに写真をアップロード

淀橋を渡り、南に曲がって南下すると、台地の上に十二社熊野神社がある。室町時代に作られた古い神社だ。高層ビルをバックに室町時代創建の神社という様子が実に東京っぽい。

ここも新宿にありながら、駅から遠いこともあってなかなか訪れない場所。新宿駅から見ると、高層ビル街を抜けて、都庁を抜けて、新宿中央公園を抜けてやっと熊野神社なのだ。

今回は逆に熊野神社から新宿中央公園に出て1枚。

逆光気味でハイコントラストな構図でもしっかりいい感じの露出とダイナミックレンジで撮ってくれる。これはなかなかよし。

新宿中央公園の森の中で撮影。けっこう厳しい環境だけど、森が黒く潰れることも奥の都庁が白飛びしすぎることもなくうまく撮ってくれた。森の向こうにうっすらと都庁が見える。
EXILIM EX-ZR3000/1/200秒/F2.8/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)

で、この公園、実は歴史的な場所なのだ。

明治時代後期の地図から見ていこう。

熊野神社境内で。すぐ西側には谷地があって大きな池があり、東側(今の高層ビル街)には淀橋浄水場があった。都内への水をここから供給してたのである。浄水場と熊野神社の間に「六櫻社」と書かれた工場マークがある。これが大事。
続いて昭和初期、戦前の地図。浄水場がなんか荒れ地のようになっている。実はこれ「戦時改描」と呼ばれるもの。第二次大戦時、重要な施設を地図上から隠すため、わざと隠したのだ。浄水場は重要だから。そんな地図の悲哀が残っているのである。
そして戦後すぐの地図。熊野神社と浄水場の間に「小西六写真工場」と書いてある。

そう、さっきの写真の場所は、小西六の工場(六櫻社もそう)があった場所なのだ。小西六といえば「さくらカラー」。その後、コニカと名前を変え、ミノルタと経営統合して今のコニカミノルタとなった会社だ。新宿に写真産業発祥の地的な場所があったのである。

さて熊野神社で一息ついたので、スマートフォンの画面を見てみると、こんなことになってた。なんと、自動転送成功しまくりではないか。

撮った写真がバックグラウンドでどんどん転送され、その通知がたまってたのである。これぞ自動転送(オートトランスファー)。
iPhoneの場合、カメラロールに「EXILIM Connect」というアルバムが作られ、そこに転送した写真が登録されるのだ。

一度転送された写真はもうスマートフォンのもの。

どうしようと自由自在。

せっかく熊野神社に来たのだから、Facebookに報告。

写真アプリからさっき撮った写真を選び(自動転送なので、ちょっと待てば自動的にスマートフォンにはいってるのだ)、コメントをつけて投稿である。

せっかくなので、iPhoneでは撮れない望遠気味の写真を選んでみた。

社殿の奥に高層ビルという東京ぽい光景がなかなかよい。
EXILIM EX-ZR3000/1/320秒/F4/0EV/ISO80/69mm相当(35mm判換算)
写真を選んでシェアボタンをタップし、Facebokを選ぶ
そしてコメントをつけて投稿すればOk。

Wi-Fi機能搭載のデジカメは数あれど、自動転送だからこそのこの手軽さがたまらない。

ついでにInstagramにもアップしよう。

走っている途中で見つけた猫写真があったのでそれにする。

まずInstagramを起動し、転送された中から使いたい写真を選ぶ。
キャプションを付け、ついでにハッシュタグ「#ZR3000」を付けてアップロード。
無事、Instagramにアップロードされた。アップした直後なのでまだ「いいね」はついてないけど。

いつもはZR3000で撮ったものはスマートフォンと違って望遠も使えるし、背景もほどよくボケるしでやっぱクオリティが違う。でも手間はスマートフォンで撮ったときと変わらない。

撮影枚数が多すぎると自動転送が追っつかなくなることもあるけど、そのときはちょっと待てばOk。SNS利用がメインなら転送サイズを3Mに縮小すればもっと快適になる。

スポット5:鳩森八幡と国立競技場跡でリモート撮影

ここからはまた古道を走って千駄ヶ谷に向かうのである。

実は甲州街道から南へそれ、代々木駅経由で千駄ヶ谷に向かう「千駄ヶ谷道」は江戸時代からある古道なのだ。この道、幹線道路にはなってないおかげで、交通量もそこそこだし最短距離でほぼ一直線に千駄ヶ谷に通じてる、素晴らしい知る人ぞ知る道なのである。

甲州街道の新宿の手前を南に入ると代々木駅経由で鳩森八幡や国立競技場へつながってるのである。
同じ場所の明治初期の地図。この道を走るのだ。
最短距離で鳩森八幡神社にたどり着けるのがわかってもらえるかと思う。

やがて千駄ヶ谷の鳩森八幡神社に到着する。

ここ、平安時代創建で、神社の前の道は鎌倉時代に鎌倉街道として使われたという歴史ある神社なのだ。東京でも平安時代創建の神社はあるのである。おすすめ歴史スポットのひとつだ。

ここのみどころは2つ。ひとつは将棋堂。実は神社のすぐ脇に将棋会館があり、そこで棋士たちが日夜対戦してるのだ。羽海野チカの「3月のライオン」を読んでいる人ならピンとくるかと思う。将棋会館や鳩森八幡神社が作中に何度も登場するから。

もうひとつは富士塚。

江戸時代に作られた「富士山」(正しくは「富士塚」)が境内に残っており、今でも登山できるのだ。

富士講という富士山を信仰する人たちが、本物の富士山の代わりに溶岩をあしらって作ったミニチュアの富士山が「富士塚」で、江戸時代のものがそのまま残っており、なおかつ今でも上れるのは本当に僅かで、そのひとつがここなのだ。

これが鳩森八幡神社に残る「千駄ヶ谷富士」。いったら登山すべし。
EXILIM EX-ZR3000/1/640秒/F3.4/0EV/ISO80/39mm相当(35mm判換算)

せっかくなので山頂から1枚。できるだけ高いところに上った感をだすべく、ZR3000に自撮り棒を装着。

自撮り棒を装着したZR3000。

腕を伸ばしさらに高い場所から境内を見下ろす感じで撮ってみた。

この状態だとシャッターを押せないので、スマートフォンからリモート撮影である。

EXILIM CONNECTを起動して「リモートで撮影する」をタップ。
これがリモート撮影の画面。被写体を見ながら撮影できるのがいい。水平を保つのがちょっと難しいけど。

そして撮ったのがこちらだ。

山頂からさらに腕と自撮り棒を伸ばして高い位置から見下ろしてみた。
EXILIM EX-ZR3000/1/500秒/F2.8/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)

さてここから坂を下り、観音橋交差点(昔、渋谷川の橋がかかってたのだ)を過ぎると、国立競技場跡地である。

解体作業が終わったところか、更地になっている。今しか見られない光景だ。

でも塀に囲われていて中がよく見えない。

そこでさっきの自撮り棒を使ったリモート撮影の出番。

ちょっと失礼して、高い位置から中を覗き込んでみた。

見事に空が広い。奥に東京体育館が見える。ここに国立競技場があったのだ。実はここ、台地の端の斜面に作られており(どの台地は霞ヶ丘と呼ばれてたので、国立霞ヶ丘競技場ともいう)、更地になった今、その地形がすごくよくわかる。
EXILIM EX-ZR3000/1/250秒/F7.9/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)

国立競技場によくサッカーを観に行った身としては、感慨深い光景である。

ここで国立競技場周辺の昔の姿を。

このあたり、大正時代に「明治神宮外苑」として整備された場所。戦前にはすでに陸上競技場が作られていた。なんと相撲場もあったのだ。

大正時代の国立競技場周辺。この頃は「神宮競技場」で非常にシンプルなもの。まだ渋谷川も流れていた。
昭和33年、アジア競技大会会場として国立競技場が建設され、のち、東京オリンピックに作られたのである。この頃はまだ相撲場も残っていた。

スポット6:後半はまずバッテリーの補充から

ここから後半の都心編。皇居(江戸城址)方面へ走るのである。

その前に、ZR3000のバッテリーを補給。

まだまだ持つけど、フルサイズ(12Mで画質F)での自動転送をしていると、自動的にWi-Fiが起動してデータの転送が行われるので、どうしてもその分消耗する。

ZR3000は公称で約430枚とコンデジとしては非常に持ちがよくて助かるのだが、それでも自動転送利用時はその分短くなるのだ(ちなみに今回は動画を含めて338枚撮影してた)。

ギリギリになってから充電しては遅いので、早めに補給である。

ありがたいことにZR3000はmicroUSB端子を持っており、そこから充電できるので予備バッテリーを持たなくていいのだ。その代わりスマートフォン用のモバイルバッテリーを使うのである。

大きめのモバイルバッテリーならスマートフォンにもZR3000にも充電できるのですごく重宝する。

市販のmicroUSBケーブルを使っての充電が可能(本体のインジケータが赤く光っているのが充電中の印)。

実際にはこんな風に充電しながら走行。走ってる最中にバッテリーを補充するのである。

こうすれば充電しながら走れる。この中に小型のモバイルバッテリーとZR3000をいれられるので便利。

さて、国立競技場あとから絵画館前を通り、明治記念館の脇の坂を下って、鮫が橋坂を上る。

そして迎賓館前をぐるっと回り、喰違門へ。

ここで今回走ったルートの都心版を地形図でどうぞ。このあたりは地形が面白いのだ。

赤い線が今回のGPSログ。地図と地形データは国土地理院より。

江戸城は平らな土地に作られたようだが、実は台地の東の端の高台にあるのだ。外堀では喰違見附がちょうど台地の端。高台なのでそこから見下ろす眺めがとてもいいのである。

木々の隙間から、弁慶堀とカーブする首都高、ビル街が一望できる。

木々の間から見下ろすお濠と首都高とビル群の対比がなかなかよい。
EXILIM EX-ZR3000/1/250秒/F3.4/0EV/ISO80/39mm相当(35mm判換算)
望遠で首都高のカーブを愛でるのもよし。
EXILIM EX-ZR3000/1/125秒/F4.3/0EV/ISO80/93mm相当(35mm判換算)

喰違見附でお濠を渡ったらそのまま紀尾井町(紀伊徳川家・尾張徳川家・井伊家も屋敷があったので、その頭文字でついた町名。特に将軍家に近い大名が集められたことから非常に重要な場所だったことがわかる)を抜けて半蔵門へ。

半蔵門の半蔵は「服部半蔵」。忍者として有名なあの人ですな。この門を警護したのが服部半蔵で、服部家の部下が門の前に屋敷を構えて守っていたのでその名がついたといわれている。

ここからの眺めもお勧め。お濠の向こうに官庁街を一望できるし、江戸城の地形がひとめでわかるのもよい。

HDRで半蔵門脇から撮影。ここからぐっと下っていき、低地の官庁街へとつながっていくのがよくわかる。
EXILIM EX-ZR3000/1/250秒/F3.5/0EV/ISO80/44mm相当(35mm判換算)

では台地から低地へ皇居に沿って下っていこう。内堀通りである。

下った先は桜田門。幕末、井伊直弼が殺された「桜田門外の変」の桜田門だ。

自転車でくぐれる唯一の門なのでぜひくぐりたい。

桜田門の前で自転車と記念撮影。モニタを開いてローアングルで撮っております。すぐ脇、自転車で門に入っていく人が写ってるけど(わざといれてみた)、このとおり、自転車でくぐれるのだ。
EXILIM EX-ZR3000/1/125秒/F3.5/0EV/ISO80/44mm相当(35mm判換算)

スポット7:大手門前で12倍ズーム

桜田門を抜けて、内堀通りを大手門方面へ。

途中、行幸通りごしに東京駅がみえる。

お、これは光学12倍ズームのチェックに最適、と自転車を止めて撮影。

25mm相当の広角端。中央奥に東京駅が見える。中央に小さくみえるのが東京駅。中央は車両通行止めなので見通しがすごくいいのだ。両脇の銀杏並木は、秋になるとギンナンを拾いに来る人が多くいる。
EXILIM EX-ZR3000/1/640秒/F2.8/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)
同じ場所から望遠端で。光学12倍ズームというとコンデジではそう高くない倍率だがこれだけ寄れれば十分。
EXILIM EX-ZR3000/1/320秒/F6.3/0EV/ISO250/300mm相当(35mm判換算)

そして大手門前にくると、白くて大きな鳥がいる。白鳥はよく見かけるけど違う。

シラサギ。しかもダイサギである。大きくてクチバシが黄色いのですぐわかる。

それが大手門のすぐ近くにいるではないか。

そっと近寄り、撮影モードを「トリプルショット」にして撮影。トリプルショットはシャッターを切ると、切る直前・押した瞬間、押した直後の3枚を自動的に連写してくれる機能。

決定的瞬間を狙いたいときに便利。

意外に近かったので300mm相当でしっかり撮れたダイサギ。
EXILIM EX-ZR3000/1/800秒/F6.3/0EV/ISO400/300mm相当(35mm判換算)

個人的な撮影スポットはここ。

大手門の内側から撮る丸の内。江戸時代の門と近代のビルという対比が東京っぽくて好きなのである。

大手門の中から取ったビル街。
EXILIM EX-ZR3000/1/640秒/F2.8/0EV/ISO80/25mm相当(35mm判換算)

ちなみに大手門は皇居東御苑の入口。皇居東御苑は江戸城の本丸・二の丸・三の丸址で、無料で公開されている。意外に知られてないが、中に入ると江戸城天守台跡(昔そこに天守が立っていたが1657年の大火で焼失して以来、再建はされなかった)にも上れるので、ぜひ立ち寄りたい。

ステップ8:将門塚はHDRアートで

大手門から少し東へ行くと、ビルの真ん中に将門塚がある。

平安時代、平将門の首が京から飛んできてここに落ちたため、埋めて塚を作ったと伝わる場所。ちなみに平将門は下総国(下総国は今の千葉県に相当するが、平将門の本拠地は廃藩置県で茨城県の一部となった場所にあった)の人で、なぜここに首が落ちたのかは謎であるが、そういう伝承があり、平将門は神田明神にも祀られている(神田明神は、江戸時代に現在地に遷るまでこのあたりにあった)。

で、なぜビル街に残っているか。

明治時代、ここは大蔵省の敷地となり、将門塚を発掘して石棺を発見。そして塚を崩して上に仮庁舎を建てちゃったのである。

明治初期の地図。ちょうど大蔵省の土地である。GPSの位置情報を示す丸い青の上に池があるのだが、池の畔にあるのが将門塚かも。

そしたら、工事関係者や大蔵省の役人を中心に怪我人や死者が相次ぎ、これは祟りに違いないと塚を復活させたのである(それが今ある将門塚なので、正しくは、将門塚跡かも)。

さらに戦後、GHQが将門塚を造成のために壊そうとしたところ事故が相次ぎ、結果として、21世紀の今にいたるまでとっても地価が高い大手町のビル街のど真ん中に残ったのだ。

今、将門塚周辺のビルは工事しているが塚だけは手つかずで残っているのである。工事のためか、上に屋根がつけられていた。

というわけで、こういう場所はついHDRアートで派手に撮っちゃうのである。

HDRアートで撮った将門塚。塚に立てられているのは鎌倉時代に作られた石碑を復刻したもの。
EXILIM EX-ZR3000/1/60秒/F2.8/0EV/ISO160/25mm相当(35mm判換算)

ビルに囲まれてわかりづらい場所なのだが見逃さないように。大手門の1本北の通りである。

スポット9:両国橋でタイムラプス

将門塚から東へ向かい、常盤橋を越え、両国橋へ向かう。

タイムラプス動画も撮って欲しいといわれたのだが、タイムラプス動画って撮るのに時間がかかる。こちらは自転車で移動している関係上、一箇所に長くとどまってるとあまり回れない。

そうだ、隅田川で水上バスが走る様子を撮ろう。

というわけである。

両国橋着。16時23分。
明治初期の両国橋。今とは橋の位置が違う。

ちなみに「両国」とは「武蔵国」と「下総国」のこと。江戸時代に境界が隅田川から江戸川に変わったのでここが両国の境ではなくなったが、架橋するとき昔はここが境界だったなあという意味でつけたのだろう。ただ、本当の両国の境はここではなく、もう少し東にある隅田川の旧流路だったそうです。

そんな両国橋の親柱にミニ三脚を置き、ZR3000をつけて、タイムラプス(TL)モードに。

ZR3000のタイムラプス機能はかなり優秀で、慣れないと面倒なセッティングも「雲」「夜景」「夕暮れ」「乗り物」などテーマ別にプリセットが用意されてるのだ。

今回は、1/2秒おきの撮影でセットしてみた。

ミニ三脚なら持ち歩きやすくコンパクトデジカメとのバランスもよし。
1/2秒単位で5分間の撮影に。

そして水上バスがくるのを見計らって撮ったのがこちら。

この動画をこれだけ気軽に撮れるのはさすがだ。

ステップ10:大宮八幡宮に戻って夜の神社

よしこれで東京横断は終わりだ。

ちょいと神田明神に立ち寄り、お詣りして終わり、ではないのだ。出発地点へ帰らなきゃいけない。

帰りは古道とか古地図とかいってると真っ暗になっちゃうので、大久保通りをメインにひたすら西へ走るのである。

途中、大久保あたりで日が暮れてきたので、BSの夕日モードで新大久保駅の夕景を撮る。

BSの夕日モードを撮ると、実際よりずっとトワイライトな感じに色をのせてくれるので、幻想的でいい感じになる。
EXILIM EX-ZR3000/1/125秒/F2.8/0EV/ISO320/25mm相当(35mm判換算)

すっかり日が暮れた18時過ぎ、無事出発した大宮八幡宮に到着して記念写真。。

プレミアムオートは暗い場所だと夜景か単なる暗い場所かを判別し、連写+合成でノイズの少ない夜の絵を撮ってくれる。
EXILIM EX-ZR3000/1/0.4秒/F2.8/0EV/ISO800/25mm相当(35mm判換算)

神社はすでに閉まっており、いくらかの照明がある以外はとても暗い。街中とは比べものにならない暗さ。

でもZR3000の夜景モードは優秀な手ブレ補正に加えて連写+合成モードでノイズが少ないきれいな絵を撮ってくれる。

手持ちでシャッタースピードは1/2秒以下なのだ。

遠くに見えた手水舎がくらやみにぼーっと光ってきれいだったので、手持ちで気軽に撮影。

ほんのちょっとぶれちゃったが、幻想的な夜の感じがきちんと撮れた。

ほんのちょっとぶれたが60mm相当で1/4秒である。ノイズも少なくてよい写りだ。
EXILIM EX-ZR3000/1/4秒/F3.8/-1EV/ISO400/60mm相当(35mm判換算)

以上、ぐるっと東京を横断しつつ自転車歴史散歩をしてきた。

今回の走行ルートはこんな感じ。

国土地理院の電子国土WebページにGPSログをはりつけ、Skitchで注釈をいれた。

全部で約43km。

うまく、自転車と古地図とZR3000の組み合わせは相性がいい、という話になりましたでしょうか?

カシオのZRシリーズは昔からよく触ってきたけど、個人的にはセンサーサイズが大きくなって安心して使える画質になったことと、スマートフォンへの自動転送が素晴らしいと思ったわけである。これは要注目だ。

制作協力:カシオ計算機株式会社

(荻窪圭)