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リーベックに聞くムービー用三脚の秘密

〜手を離してもカメラが止まる「完全カウンターバランス」とは?
Reported by 本誌:武石修

 デジタル一眼レフカメラで動画が撮影できるようになって久しい。キヤノン「EOS 5D Mark II」など一部の機種は映画、CM、テレビドラマにとすっかり業務用ムービーカメラの仲間入りを果たしている。

フォローフォーカスや外付けモニターなど、動画用アクセサリーをデジタル一眼レフカメラに付けて撮影するのは珍しいことではなくなった

 読者の中にも、こうしたカメラでハイビジョン動画を撮影して楽しんでいる人は多いことと思う。ただ、デジタル一眼レフカメラは静止画を取るのには適した形だが動画を撮るとどうしても大きなブレが発生しやすい。安定したフレーミングで撮影したい場合に三脚は必須のアイテムだ。

 といっても、スチル用の三脚では滑らかにパンやチルトを行なうことは難しい。その点ムービー用雲台(ヘッド)を備えた三脚なら安定した絵作りができる。今回は、リーベック(Libec)ブランドで知られるムービー用三脚メーカー平和精機工業に新製品の「RSシリーズ」を例にお話を伺った。

埼玉県八潮市にある平和精機工業の本社。工場も併設している

スチル用三脚とムービー用三脚は何が違うのか?

 さて我々デジタルカメラのユーザーというと、スチル用の三脚についてはある程度の知識をお持ちの方が多いと思う。一方ムービー用三脚は、興味はあっても実際にどういったものなのか実感のない人もいるだろう。

 そこでまずは、両者の三脚における違いを聞いた。話を伺ったのは、平和精機工業 営業部統括部長の山口玲哉氏と同営業部主任の櫻井貴司氏だ。

平和精機工業 営業部統括部長の山口玲哉氏(左)と同営業部主任の櫻井貴司氏(右)

 スチル用三脚とムービー用三脚で最も大きく異なるのが雲台だ。スチル用は静止した状態で撮影するが、ムービー用はパンやチルトを行ないながら撮影する。そのため、滑らかな動きができるようにオイル(グリス)など使って操作に粘りが出るようにしてあるのが特徴だ。

 この粘り(“トルク”や“ドラッグ”と呼ばれる)を得る仕組みはメーカーによって異なるが、リーベックでは数枚の金属ディスクの間にグリスを塗布した機構をトルクユニットとして採用している。トルクユニットは、チルトとパンのそれぞれに対応するように2セット入っている。

ムービー用三脚はスチル用三脚に比べると見た目も異なり、雲台と脚それぞれに特徴がある

 ムービー用雲台で、もう1つ特徴的なのが「カウンターバランス」と呼ばれる機構だ。トルクユニットだけでは、カメラを前に倒して手を離せばに自重で真下を向いてしまう。カウンターバランス機構は、雲台に内蔵したスプリングの反発力を利用してカメラを傾く方向と逆に押し戻す仕組みだ。カメラの重量とスプリングの反発が釣り合った状態なら、カメラをチルトした状態でたとえパン棒から手を離してもカメラをその位置で静止させることができる。

・RS-250シリーズのカウンターバランス(動画)

 

 「ビデオの撮影は静止画と違って、時間軸の中での撮影になります。特にパンやチルトの始まりと終わりの自然さが映像にとって非常に重要になります。その要素を決めるのがトルクユニットとカウンターバランスです」(山口氏)。

 そしてムービー用三脚の多くが、1節が左右2本のパイプからなる脚を採用している。これは「ダブルシャンク」と呼ばれるタイプの脚で、スチル用三脚に比べて重い機材が載ることが多いムービー用三脚特有のものだ。またダブルシャンク脚はねじれに強いとされており、パンを停止したときの揺り戻し(“バックラッシュ”と呼ばれる)やブレも少ないメリットがあるという。

国内の老舗三脚ブランド“リーベック”

 ここまではムービー用三脚の一般論を説明したが、ここから具体的な製品を例に少し詳しく説明したい。

 登場するのは、リーベックでは最も新しいモデル「RS-250シリーズ」(2010年5月発売)だ。本格的にデジタル一眼レフカメラで動画を撮影する場合には、フォローフォーカスや外付けモニターなども必要になるが、そうしたアクセサリー込みの積載に適したカウンターバランス機構を搭載している。中、小型ビデオカメラ用の三脚だが、デジタル一眼レフカメラ向けともいえる内容になっている。

 ところで、リーベックというブランドは写真ファンにはなじみのないブランドかも知れないので簡単に説明しておく。

 同ブランドを手がける平和精機工業は1955年設立のメーカー。創業56年の老舗だ。当初は写真用の三脚も製造しており、主にOEMで内外の三脚メーカーに製品を納めていた。その後1970年代に自社ブランド「HEIWA」での展開を始めるとともに、海外に販路を見いだす。

本社の応接室には「リーベック50」のパネルが展示。同社にとって記念すべきプロダクトだ。雲台とセットで価格は15万円だった

 さらに1980年代半ばにビデオカメラ向け三脚の生産にシフト。1989年にはリーベック名を冠した初めてのムービー用三脚「リーベック50」をリリース。1995年には写真用三脚から撤退し、ムービー用三脚専業メーカーになった。同時に、それまで商品名として使っていた“リーベック”をブランド名として採用した。「HEIWAから連想するのは自由。自由を意味するリバティから“リーベック”というブランドにしました」(櫻井氏)。

 現在では世界60カ国以上に製品を出荷するに至っており、三脚以外にもジブアーム(小型のクレーン)、レールシステム、小型ペデスタル(スタジオ用カメラ昇降装置)などの特殊機材も手がけている。

 リーベック製品の主なユーザーは、一部の放送局、映像プロダクション、官公庁、企業、学校などだが、フリーランスのカメラマンやハイアマチュアのユーザーも多いという。「7〜8割はプロのユーザーです。最近ではデジタル一眼レフカメラで動画を撮るお客様も増えています。EOS 5D Mark IIは、我々としても非常にターゲットにしているカメラですね」(山口氏)。

「コストパフォーマンスを飛躍的に向上」

 「RSシリーズ」はリーベックの新三脚シリーズ。ENGカメラ向けの「RS-450シリーズ」、主にセミショルダー型ビデオカメラ向けの「RS-350シリーズ」、主にハンドヘルド型ビデオカメラとデジタル一眼レフカメラ向けの「RS-250シリーズ」をラインナップしている。

「RS-250」(左)と「RS-250M」(右)。リーベックでは伝統的に三脚の色はグレーを採用してきたが、昨今はカメラの多くがブラックになったのに加え、被写体への映り込みにも配慮してRSシリーズからブラックカラーに統一した

 今回紹介するRS-250シリーズは、グランドスプレッダータイプの「RS-250」とミッドスプレッダータイプの「RS-250M」の2モデルからなる(スプレッダーについては後述する)。

 いずれも雲台「RH25」、スプレッダー、三脚ケース「RC-30」がセットのパッケージだ。RS-250は全高165cm、縮長54.5cm、重量5.9kg。RS-250Mはそれぞれ、164.5cm、80cm、5.6kgとなっている。価格はともに11万3,400円だが、実売価格は9万円前後となっている。

 スチル用三脚から見ると高価に感じるが、海外ブランドの同クラスの製品から見ると1/2の価格だといい、価格競争力に優れる点が売りという。

 「ムービー用雲台はパーツが多く内部が複雑になるため、スチル用雲台に比べて高価になりがちです。リーベックはブランド誕生当初からコストパフォーマンスに関して好評を頂いてきましたが、今回は、コストパフォーマンスのレベルを飛躍的に向上させるのが開発時の目標でした。性能をも大きく上げた一方で、フレンドリーな価格帯を極力維持しました。コストパフォーマンスは、以前より数段上がったのではないでしょうか。おかげさまで、予想以上の販売実績を上げています。」(山口氏)。

 なおRS-250シリーズは、5月に7,350円値下げしている

RS-250シリーズの雲台「RH25」。スチル用雲台に比べて複雑なためどうしても高価になる

 RS-250シリーズはプロ向けの業務用モデルという位置づけだが、アマチュアにも向ける。「例えば鉄道などは、アマチュアでも動画を撮る方はたくさんいらっしゃいます。プロが使えるクォリティを持っていますが、プロ・アマ問わず幅広い層に使っていただきたいですね」(山口氏)。

RS-250シリーズはCP+2011でも展示。「デジタル一眼レフカメラで動画を撮る必要に迫られて見に来た、という写真のカメラマンがかなり多く見受けられました」(櫻井氏)

“無段階式”カウンターバランスで完全にカメラを静止

 ここでカウンターバランス機構の話に戻るが、ムービー用雲台のカウンターバランスには大きく「段階式」とRSシリーズも採用している「無段階式」の2種類がある。

 段階式は、カウンターバランスの範囲を有限の段数に区切ってダイヤルで合わせる方式だ。これは積載する機材の種類に合わせたダイヤルの番号を事前に把握しておけば、現場で比較的に素早くバランスを合わせられる利点がある。ただ、段数が限られているのでどうしても積載物とぴったりバランスさせることは難しいという。

 一方の無段階式は、機材の重量がカウンターバランスの範囲に収まってさえいれば、バネの反発力と機材の重量を完全に一致させることが可能。「無段階式のほうが、よりバランスの精度が高いといえます」(山口氏)。

RS-250シリーズでは、無段階にバネの反発力を調節できる。雲台背面にカウンターバランス調節ツマミがあり、右に回すとバネの反発力が増す

 カウンターバランスの範囲はカメラの重心高によって変わってくる。ここでいう重心高とは、雲台のスライドプレート上面から機材の上下方向の重さの中心までのこと。重心高が高い場合はカウンターバランスを強めに設定してバランスをとり、逆に低重心のときはカウンターバランスは弱めで釣り合う。

 RS-250シリーズは重心高100mmの時に、積載物が1.8〜5kgの範囲で完全にバランスが取れる設計になっている。これは、フォローフォーカスを付けたデジタル一眼レフカメラの重心高に相当する。というのは、フォローフォーカスを取り付けるためにはカメラにサポート用のリグを付ける必要があり、そのぶん高さが増すためだ。その状態から外付け液晶モニターや外部マイクなどを取り付けてもカウンターバランスの範囲に十分収まる。

フォローフォーカスを装着した場合、このように台座のぶん重心高が上がる。これはカウンターバランス機構から見ると、積載物の重量が増すことに相当する

 ただし、比較的軽めのレンズを装着したEOS 5D Mark IIを単体で積載した場合は、重心高が50mm程度と低くなるためカウンターバランスの調節を最も軽くしてもバネの力がやや勝ってしまう。軽量レンズとカメラ単体で使用する場合は、リーベックであればさらに下位の三脚を選択するのも手。カメラ単体であっても、超望遠レンズなど重めのレンズを使いたい場合は、RS-250シリーズでもバランス可能だ。

 重心高とバランス可能範囲については、同社のWebサイトやカタログに記載してある「カウンターバランスチャート」というグラフから読み取れるので参考にしよう。

雲台の背面から見て左サイドにはチルトロックレバー(上)とパンロックレバー(下)を備える

グリスの改善で寒冷地でも変わらないフィーリング

 カウンターバランスと並ぶムービー用雲台の要「トルクユニット」にも今回大きなトピックがある。

 従来、トルクユニットにグリスを使用した三脚では、氷点下に達するような寒冷地ではオイルが凍り操作がままならないことがあったという。RS-250シリーズではグリスの種類を変更し耐寒性を持たせた。これまでは-10度でグリスが凍っていたと言うが、RS-250シリーズでは-40度までの環境で動作を保証している。

 「-20度でもトルク感は常温の時とほとんど変わりません。それから、常温の場合でも従来品より非常に滑らかな動きになりました」(山口氏)。特にパン、チルトの際の動き出しとストップ時に起きるバックラッシュが大幅に低減したのだという。なおトルクの強さは強弱の2段階に設定可能、好みに応じて切替えられる。

パンのトルクの強さは、雲台背面の緑のリングのレバーで切替える(左写真)。一方、チルトのトルクは右サイドにあるレバーで切替えられる(右写真)。それぞれ別のトルクにも設定できるが、両方を同じ数字に揃えて使うのが基本だ。右サイドの上にあるレバーはスライドプーレトを固定するためのものだ(右写真)

 先述したとおり、ムービー用雲台は部品点数が多い精密機械だ。リーベックは台湾に自社工場を持っているが、RS-250シリーズの雲台は埼玉県八潮市の本社工場で生産している。

 「三脚は手作業による工程が多い製品。特に雲台のトルクユニットはディスク1枚1枚にグリスを塗布するので、ムラがでないよう職人が1つ1つ塗っています。雲台はどうしても日本的なものづくりが必要になる部分ですから」と山口氏。塗りにムラがあれば、動作にもムラが出てしまうためだ。

 「下位機種やRS-250シリーズの脚部分は台湾の工場で生産していますが、バラツキを抑える品質管理は当社の得意とするところです。非常に不良率、故障率が低いという部分が一番誇れるところですね」(山口氏)。

カメラの装着はクイックシュー式。シュープレートが前後に40mmずつスライドできるのに加えて、カメラネジの位置も動かせるため前後バランスの調整範囲が広い 雲台背面にあるグレーのリリースボタンを押さない限り、シュープレートをスライドさせても外れることはない
雲台は品質を重視し日本製とした。“メイドイン埼玉”である 1/4インチネジのほか3/8インチネジも雲台に格納してある。必要に応じてすぐに交換可能だ
三脚と雲台はハーフボールで固定する。ハーフボール下のノブを緩めて雲台を動かし水平を出す 雲台には水準器も備える

脚部も剛性を増した新設計に

 RS-250シリーズでは、脚部分も新設計となっている。「“大きい=重い”になってしまうので、重すぎないよう注意しました。また軽くすると安定性も欠けてしまうので、重すぎず安定性もあるという絶妙なバランスを実現しています」(山口氏)。これまでよりもねじれに強くして、ブレを低減しているとのことだ。

脚のロックは回転式のレバーを採用。跳ね上げ式のレバーよりも操作がしやすいという 1段目と2段目の脚の間には、収納時に隙間ができるように設計した。指を挟まないための工夫だ

 さて、これまたムービー用三脚に特有なのが「スプレッダー」と呼ばれるパーツ。スチル用と違ってムービー用三脚は本体部分に開脚のロック機構が無いのが一般的だ。つまり、何もしなければ脚はどこまでも広がってしまいカメラの位置がどんどん下がってしまう。脚パイプ同士を繋いで、開脚角度を適切に保持するのがスプレッダーの役目ということになる。

 グランドスプレッダーはY字形をした板状のパーツで、三脚の石突部分に装着し脚の下に敷く形で使う。ミッドスプレッダーやスチル用三脚が“3点”で地面と接するのに対して、グランドスプレッダーは“面”で接するため安定性がより高いとされている。ただし、グランドスプレッダーは平地での使用に限られ、不整地ではミッドスプレッダーでないと設置が難しい。

グランドスプレッダーは地面との設置面積が大きくなるので、より安定するとのこと グランドスプレッダーを伸長すればローポジションに設定できる

 一方のミッドスプレッダーは、脚の中間部分でパイプを押さえるタイプのものだ。それぞれの脚の長さを独立して変えられるため、スチル用三脚と同じ感覚で段差などにも設置できる。汎用性という意味ではミッドスプレッダーに軍配が上がる。

こちらはミッドスプレッダー。1段目の脚の下部で3本の脚を繋いでいる ミッドスプレッダーも伸縮可能だが、グランドスプレッダー程の開脚はできない

 RS-250シリーズのグランドスプレッダーとミッドスプレッダーは、どちらも伸縮する機構を備えている。これにより脚がより開脚するのでよりローポジションにセッティングできる。ミッドスプレッダーよりも伸縮幅が大きいグランドスプレッダーのほうが、最低高は低くできる。

 なおグランドスプレッダータイプを購入しても、後からミッドスプレッダーのみを入手すれば簡単に交換できる。その逆も可能だ。

RS-250シリーズには、脚を束ねるためのロープも装備してある

 RS-250シリーズの雲台である「RH25」(7万1,400円)は単体でも発売している。ネイチャー撮影など不整地でより自由度の高いアングルを得るために、ジッツオなどのボールヘッド対応三脚と組み合わせて使う方法もある。

付属ケースにも驚きの工夫

 RS-250シリーズにはキャリングケース「RC-30」が付属するが、このケースは“マット”にもなるという斬新な工夫を施している。

新開発した三脚ケース「RC-30」

 三脚の出し入れは、上の部分を開けるだけで簡単に行なえるようにした。また、ファスナーを全て開くと完全にフラットなマットに展開できる。現場で機材を置いたり、屋内に三脚を設置する際の汚れ防止マットとして活用できる。

上部を開けるだけで三脚の出し入れが可能 ハンドルのほか、ショルダーストラップで背負うこともできる
ファスナーを全て開けるとマットに変身。屋外での機材置き場などになる 内部にはアクセサリーを収納できるポケットも備える。面ファスナーでとじることが可能

 RC-30は当初から販売していたが、大手量販店から商品登録を依頼され店舗展開したところ、ヒット商品になったという。価格は6,300円で、サイズが合えばリーベック製以外の三脚でも収納可能だ。

三脚と併せて活用したいサポートアーム

 さて、RS-250シリーズと組み合わせて使ってみたい便利なアクセサリーも6月に発売になった。アクセサリーサポートキット「AS-7K」(1万9,950円)だ。

RS-250シリーズに装着したAS-7K。主要パーツは金属製でしっかりした造りだ AS-7Kは、雲台の菊座(ギザギザの部分)に装着する。菊座への取り付け位置を調節すれば、アームを出す方向は360度自由に設定できる

 パン棒と反対側の菊座に装着することで、外付けモニターなどを固定できるアーム。同社のローエンド三脚である「TH-650DV」以外であれば、全てのリーベック三脚で使用できる。

 取り付け部分と先端部分の双方に自由雲台を装着しているのが特徴で、アーム中央のジョイントと併せて極めて自由度の高いセッティングができる。

 外部モニターの多くはカメラのホットシューにも装着できるが、AS-7Kを使用した方が撮影者がより見やすい位置にセットできる。例えばRS-250シリーズを最大まで高くして、ハイアングルから撮影する場合を考える。すると、ホットシューに載せた外部モニターを下から見上げるのはしんどいだろう。AS-7Kを使えば外部モニターをアイレベル近くまで下げることも可能だ。

一例だが、このようにより撮影者に近い位置に外部モニターをセッティングすることができる AS-7Kは両端に自由雲台があり、さらにアームの中央部で回転できるためセッティングの自由度が高い

 また外部モニターをカメラの横あたりにセットすれば、積載物全体の重心高を下げることができる。カウンターバランス機構は、重心高が高くなるほどバランス可能な重量は減っていくという性質があるため、重めの機材を使用している場合にメリットが大きいだろう。

外部モニターの位置をホットシューの位置から下げればカウンターバランスの範囲に余裕が生まれ、より重量級のレンズなどが使用可能になる

動画によるメンテナンス方法も発信

 ムービー用三脚は安いものではないし、長く使いたいのでユーザーサポートも気になるところだ。リーベックは、国内メーカーならではのサポート体制も売りにしている。

 「修理専属のスタッフが本社工場にいますので、修理期間が他社さんに比べて短いですね。国内にも工場があるメーカーなので、サービスパーツの在庫切れはまずありません。サービスパーツは直販しているので、メールか電話でご連絡いただければすぐにお送りできます」(山口氏)。

 Webサイトでは細かなパーツリストを公開しているので、無くしたり壊してしまったパーツがあれば、型番や価格などがすぐわかるようになっている。リストを見ると、意外とユーザーレベルで交換できる部品が多いことに気がつくだろう。

セルフメンテナンスなどを動画で解説する「LTV」

 とはいえ、なかなか自分でパーツを交換する自信がない人もいると思う。そういったユーザーに向けて、動画でセルフメンテナンスを公開するWebサイト「LTV」をリーベックでは最近立ち上げた。

 RSシリーズのコンテンツもこれから増える予定だ。このLTVでは、RS-250シリーズやAS-7Kといった新製品の紹介ビデオも見ることができる。山口氏によると、今後は複数の言語で世界に発信していきたいとのことだ。

そのほかのラインナップ

 「これからデジタルカメラの動画撮影に挑戦したいが、RS-250シリーズを入手するほどの予算は無い!」という人のために、リーベックの下位モデル4機種を紹介しておく。

 いずれもカウンターバランス機構付きのオイル式雲台がセットになっているほか、キャリングケースも付属する。

「TH-650DV」(2万3,100円)。リーベックのエントリーモデルで、耐荷重は3kgまで。カウンターバランスとトルクの強さは変更できないが、実勢価格1万円台と安価 「TH-950DV」(3万9,900円)。TH-650DVの雲台を強化したモデル。カウンターバランスの強さがオフ+3ポジションから選択可能。トルクは固定。最大耐荷重は4kg
「LS-22DV」(5万2,500円)。雲台はTH-950DVと同じながら、パイプが太くより剛性のある脚と組み合わせたモデル。カウンターバランス、トルク、耐荷重はTH-950DVと同じ 「LS-55DV」(7万8,750円)。脚はLS-22DVと共通。カウンターバランスは固定で、トルクが2段階に調節できる。カウンターバランスが固定なのは、スライド式シュープレートでバランスを取ることを想定しているためだ。この機種の上位にRS-250シリーズが来る

 リーベックの製品に限らないが、ムービー用三脚は載せる機材の重量と重心高が操作フィーリングに密接に関係してくるアイテム。できれば、店頭で試す際に使用する機材を実際に載せて動きを確認すればベストと言える。






本誌:武石修

2011/8/12 00:00