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ズーム倍率世界最大、タムロン「AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC」で露光間ズームを試す

Reported by 本誌:関根慎一

 ズームレンズを使った撮影技法の一つとして、「露光間ズーム」がある。夜景やイルミネーションをはじめ、鉄道写真などの撮影でしばしば使用されるテクニックで、露光中にレンズのズームリングを回すことで、光源から光線が放射状に広がるような効果を出すことができる。

 被写体を点光源とした場合、点が尾を引き光線になるという変わった表現が得られる露光間ズームだが、光線の長さはズーム倍率によって変化するようだ。そこで今回は、世界最大のズーム倍率15倍を誇るタムロンの「AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical (IF) Macro」を使用して、露光間ズームを使った撮影を試してみた。15倍ともなると、光線はかなりの長さになることが予想できる。どのような写真が撮れるのかが気になるところだ。

AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical (IF) Macro。右はD90に装着したところ
広角端時 望遠端時

 ちょうどイルミネーションが街を彩る季節ということもあり、被写体は夜景・イルミネーションを中心とした。そのため今回は三脚の使用が前提となっているが、昼間など明るい条件であれば、手持ちでも実行できるものだ。使用カメラはD90とD40。比較のため、ニコンD3000などの標準ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR」も使用した。

 夜景で露光間ズームをする場合の露出設定は、ズームリングを回す時間も考え、夜景撮影の基本にならって遅めに設定した。また露光時間が長くなると、明るい部分が白飛びを起こすことがあるため、絞りもかなり絞って撮影した。しかし基本的に、色が極端に飛んだり潰れたりしなければ、ある程度融通はきくだろう。なお掲載した作例では、シャッタースピードは1〜4秒前後、絞りはF10〜22前後に設定している。いずれもズーム倍率をフルに使って露光間ズームを行なっている。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

ズーム倍率の違いによる比較

 標準の3倍ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR」と、タムロンの高倍率15倍ズームレンズを使って、線の長さを比較してみた。15倍の方が3倍に比べてずっと長く線が延びる。ズームレンズであれば露光間ズームは可能だが、ここまで伸びるのは15倍ズームならではだろう。

共通設定:
上段:D90 / 4,288×2,848 / 3秒 / F18 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K
下段:D90 / 4,288×2,848 / 3秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K

広角端 露光間ズーム(AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR) 露光間ズーム(AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical (IF) Macro)
広角端 露光間ズーム(AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR) 露光間ズーム(AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical (IF) Macro)

フォーカスの違いによる比較

 露光間ズームは、露光している間にズーミングを行なうことで、ズームしている間の像を連続して記録しているように見えるというものだ。

 ズームの途中であっても、露光時間が長いほど像は鮮明に記録されるので、途中で一旦ズームを止めて、多重に像を記録するというテクニックも可能だ。ズーム倍率が高いと、ズーミングの間に止められる範囲が広いので、それだけ鮮明な像を多重に記録できるということになる。

 たとえば、同じ被写体に対して全く同じズーム操作をしたとしても、ピントの位置を変えてみるだけで、印象の異なる写真を撮ることができる。また、露光をスタートするズーム域によっても印象が変わる場合がある。

D90 / 約3.5MB / 2,848×4,288 / 1秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K D90 / 約9.8MB / 2,848×4,288 / 3秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K D90 / 約5.5MB / 2,848×4,288 / 3秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K
広角端(18mm相当)
D90 /約6.6MB / 2,848×4,288 / 3秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K
望遠端(270mm相当)
D90 / 約4.1MB / 2,848×4,288 / 3秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K
広角端→望遠端の露光間ズーム
D90 / 約11.1MB / 2,848×4,288 / 3秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K
望遠端→広角端の露光間ズーム
D90 / 約14.3MB / 2,848×4,288 / 3秒 / F20 / -1/3EV / ISO200 / WB:5000K

まとめ

 露光間ズームの魅力は、そのインパクトのある効果にあるだろう。今回のようにイルミネーションを撮影した場合は、光線が長く尾を引いて非常に個性的なものとなる。ただし、ものによっては一体何を写したものなのか分からなくなってしまう場合もあった。つまり、単にズーム比が長いというだけでは、それがそのまま良い作品につながるわけではない。露光間ズームで撮影して面白い写真になる被写体と構図を研究したいところだ。

 今回試したAF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical (IF) Macroでは、その倍率の高さから、文字など輪郭のはっきりした被写体が大きく飛び出してくるなどユニークな表現を楽しむことができた。その一方で、ズームをすると鏡筒が長く伸びるという性質がレンズ自体にあるため、露光中にズームリングを回したことによるブレも起きやすくなる。

 とはいえ、いくら15倍の高倍率ズームだからといって、毎回フルにズームリングを回しきる必要もないので、表現の選択肢の一つくらいに考えておくのが妥当だろう。

15倍ズームの露光間ズーム作例

D40 / 約6.1MB / 3,008×2,000 / 2秒 / F13 / 0EV / ISO200 / WB:オート D40 / 約3MB / 3,008×2,000 / 3秒 / F10 / 0EV / ISO200 / WB:オート
D40 / 約4.5MB / 3,008×2,000 / 3秒 / F14 / 0EV / ISO200 / WB:オート D40 / 約5.5MB / 3,008×2,000 / 2秒 / F10 / 0EV / ISO200 / WB:オート




本誌:関根慎一

2009/12/25 12:07


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