むらいさちの、旅フォトエッセイ さち☆たび

Vol.12 広島県〜愛媛県 しまなみ海道自転車旅

女子カメ Watchで連載していた「さち☆たび」が、デジカメ Watchに引っ越しました。毎月1回の旅をつづける旅人のむらいさちさん、編集部から渡された旅費4万円を節約しながら残高を貯金し、貯まったお金でハワイ旅行を目指します。今月はいずこへ?(編集部)

世界は一冊の本だ。旅をしないものはその本を一頁しか読めないだろう。

by アウグスティヌス

改めて、さち☆たび のルールを紹介しましょう。

1)旅の資金は4万円、あとは国内海外どこに行ってもよし。余ったお金は貯蓄(編集部にて)。1年後、連載が続いており、貯蓄がたまっていたら特別編としてハワイ旅行をする!(笑)

2)カメラや技術の話はしない(写真でゆっくり楽しんでね♪)。

3)人の好意には甘える(笑)、差し入れ・現地案内大歓迎です♪(むらいさちのFacebookページなどでリアルな旅の様子をリポートします。作品はここにてお見せします)

以上3つ。

まあ、B型おとめ座の むらいさち なので、マイペースにゆるっと進めさせていただきます。

旅先では感じた気持ちを、カメラを通じて表現していければと思います。

自転車でしまなみ海道を渡ろう!

みなさんこんにちは! 水陸両用カメラマンのむらいさちです。

さち☆たび、なんと今回で12回目! ということは、祝連載1年になります! パチパチパチ!

12回目ということで、一つの区切りでもある今回、自分自身にチャレンジしてみようと思いました。

そこで、昨年仕事でとてもお世話になった、広島県と愛媛県を結ぶ、しまなみ海道を自転車で渡ることにしました。 かれこれ数年、自転車に乗っておらず、全く準備もしないままの、ぶっつけ本番スタートです。

正直言います、自転車舐めていました……。

まずは尾道を散策

今回は一気に走り抜けるのではなく、途中の島で1泊することにしたので、ちょっと時間に余裕ができました。そこで、現地在住のカメラマンの竹国さんと、カメラ友達の真紗さん、妙さんに尾道を案内してもらい朝散歩。尾道は初めての土地。最高の朝日から、フレンドリーな猫までいろいろ撮影できました。噂に違わずフォトジェニックな町でした。またゆっくり来ます。

自転車旅へGO!

尾道にて自転車をレンタルして、いよいよ出発です!

しつこいようですが、自転車にちゃんと乗るのは数年振りです……。

ご存知の方も多いと思いますが、しまなみ海道はサイクリストの聖地とも呼ばれる場所。スタートの尾道から6つの島を渡り、ゴールの今治市まで約70kmの行程になります。
まずは、向島にフェリーで向かい、スタートになります。

この日はお天気が良く、寒くも無く最高の自転車日和。気持ち良くスタートしました。
道すがら、しまなみらしいのんびりとした風景が広がっていました。

ここだけの話ですが、僕はスタートする直前まで、ずっと高速の脇を走ると思っていました……。

が、実際は島の間の橋を渡る時のみ高速道路と平行するだけで、島に入ると下道を駆け抜けるのです。

と、いうことは、あの高い高い橋を何回も登ったり降りたりするのです……。

そうだ、細かいことは考えずひたすら進むんだ! 向島から因島に。まだまだ余裕です。

因島は、なぜか変なオブジェが多かった……。恐竜に、モアイに……!?

因島を通過し、生口島へ。島内はアップダウンもあって結構しんどい、そして最後には橋があって、どんどん体力を削られます……。当然、腿はパンパン。なんで少しでも練習しなかったのだと、自分に自問自答……。でも、景色は最高です!

そして、本日一番楽しみにしているメインイベント、生口島のコースの途中にある「ジェラート専門店ドルチェ」さんにてアイス♪ ここでは先回りをした友人達が待っていてくれました。ほんとにふらふら……。

この写真が唯一の走っている姿の写真です(汗)。

念願のジェラート! 地元の食材を使い、噂通りの絶品! 疲れた身体に沁みますね。さあ、本日後半戦、宿泊予定の大三島に向けてスタートです。

あちこちで見られる、みかん畑や、レモン畑、面白いベンチなんかもあり、走っていると飽きることはありません(疲労が限界に達しているのでいかに気を紛らわすかが大切)。

そうしているうちに、夕日の時間に。

長かった生口島を通過し、大三島に渡ります。友人にもらった秘密兵器を食べて頑張ります。

この橋で広島県とはさようなら、愛媛県に突入です! 県境が地味過ぎてびっくり……。

大三島に到着するころには、既に真っ暗。やっとのこと今日の宿「民宿なぎさ」さんに到着! 階段登るのもつらい……。宿はアットホームでお部屋にはこたつもあってなんだかホッとしますね。

夕食は、「しまなみカメラ女子旅」(僕が講師を務めさせていただきました)で、お世話になった大三島在住の黒川みきさんのお宅で鍋をごちそうになりました。しまなみメンバーも合流して楽しい時間を過ごして、身も心も温まりました。 さすがに明日を考えお酒は控えましたが……。

大三島〜今治へ

さあ、昨日お風呂で入念にマッサージしたせいか、足はだいぶ楽になっていました。
が、朝からお天気は雨。考えてもしょうがないので、安全運転で出発します。

雨の中、大三島から伯方島へ。あのCMで有名な、「伯方の塩」の伯方島です! 途中の道の駅にて少し休憩をし、最後の島、大島に向かいます。

*注* うすうす感づいているとは思いますが、この辺りから疲労のため写真も写せない状態に。写真の連載なのに本末転倒なむらいさちをお許しください。

この頃になると、足の疲れともう一つ大きな問題を抱えていました。「お尻がいたーい!」問題。ずっと固いサドルに座っているので、とにかく痛い……、でも進むしかないです。

天気は雨、景色もいまいち、こうなると楽しみはお昼ご飯くらい。教えてもらった、評判の良い「食堂みつばち」さん。海を見ながらおしゃれランチを夢見て、遠回りをしてまで辿り着いたのですが……。

神様っていないんですね……(調べない僕が悪い)。

そのままコースに戻るか、海辺を走るか悩んだのですが、気分的に海が見える方がいいかと、海辺の道をチョイス。

こんな山道に突入。不安にかられながら、進んでいくとイメージとは違くてアップダウンの連続。しかもとても急斜度なんです……。最後にこの仕打ちですか……。ここが本当に辛く、泣きそうでした。何が辛いかって、こんな僕の姿を誰にも見てもられないこと(笑)。一人なので写真にも残せず、何度も本当にここまでやらなくても……という考えが浮かび「俺何してんだ?」。そんなことをずっと考えていました。さらに道を間違えつつも、やっとのことで道の駅「よしうみいきいき館」に到着。

美味しいもの食べてやるー!

絶品のいよかんソフトも食べて、かわいい猫ちゃんに癒されて疲労も少し回復!

さて、皆が口を揃えて「あの橋は辛いよ」という、来島海峡大橋に挑みます! もちろんたいした写真はありません。全長4キロもある橋をえっちらおっちら進んでいくと、大きな船が見えてきます。

大島を越えて、今治市内に突入! 今治は造船の町、巨大な船の工場が見えてきました! ゴールの「サンライズ糸山」まであと少し。

辛かった行程が走馬灯のように頭を駆け巡ります(笑)。

ゴール地点では、「しまなみカメラ女子旅」のスタッフの皆が待っていてくれました!
ずっと一人で走ってきたので、感動しちゃいました。ありがとう!
ほんとにほんとに、俺頑張った!

僕の予備知識と、体力が無いせいで辛い行程になってしまいましたが、お天気の良い日には景色も素晴らしく、島ののんびりした風景を見ながら走るのはとても面白かったです。ぜひ、機会があれば自転車でしまなみ海道を渡ってみてくださいね。

今回のさち☆たびでは、写真が雑になってしまってすみませんでした。

引き続きさち☆たびは続いていきます、そして最初のルールにあった、ハワイ旅は2月に敢行予定で3月にお見せできると思います。が、予算が足りないのでハワイに行けるのか?
 その辺りもお楽しみに! 今回もお付き合いありがとうございました。

今回の相棒

OLYMPUS OM-D E-M1 with M.ZUIKO DIGITAL ED12-40mm F2.8 PRO

今回のアイス

伯方の塩ソフトクリーム 350円

「道の駅 伯方S・Cパークマリンオアシスはかた」にて販売されています。シンプルな味ですが、やっぱりここに来たのなら食べたいですよね。

今回の経費(と残りのお金)

交通費(飛行機・電車):17,300円
宿泊(2泊):8,500円
レンタル自転車:2,000円
食費・その他:6,550円
残金:2,900円(ハワイ貯金へ)
第一回目からの積み立て貯金:93,601円

むらいさち

沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。広告写真家の助手後、ダイビングやリゾート雑誌を出版している出版社のカメラマンとして、日本を始め世界の海へ訪れる。その後独立。現在は広告や雑誌の撮影を中心に活動。海だけに限らず世界のありとあらゆる場所で「しあわせのとき」をテーマに撮影を続けており、一年の多くを取材先で過ごしている。著書は写真集「きせきのしま」(小学館)、「LinoLIno」「ALOHEART」(LifeDesignBooks)。共著「光と色の写真の教科書」(技術評論社)、「カメラ*好き1&2」(マイコミブック)。トラベルマガジン「LUKETH」参加。今年2月に写真家川野恭子(きょん♪)と共に、フォトライフマガジン「TORIPPLE」を創刊。muraisachi.com