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【新製品レビュー】パナソニック「LUMIX DMC-FX77」

〜女性に嬉しい“ビューティーレタッチ”を試す
Reported by 水咲奈々

 2月に発売された本機は、前機種の「LUMIX DMC-FX70」よりも約2.2mmスリムになり、液晶モニターも3型からさらに大型となる3.5型タッチパネル液晶を搭載しています。タッチするだけで任意の被写体へのピント合わせやズーム、撮影が簡単に行なえるのはもちろん、さまざまなレタッチ機能を搭載しているのでパソコンレスで気軽にレタッチを楽しめます。

LUMIX DMC-FX77。実勢価格は2万6,400円前後

 本機のウリとも言えるビューティーレタッチ機能は、撮影した後から肌を滑らかにしたり目を大きくしたりできる「エステレタッチ」と、アイシャドーやリップカラーなどのデジタルメイクができる「メイクアップレタッチ」のふたつのレタッチ機能で、特に女性ポートレートを意識した内容となっています。

撮影後にレタッチができる「ビューティーレタッチ」を新搭載した

 動画機能もさらに強化されて、高速読み出し対応のハイスピードCCDセンサーを搭載することによってフルハイビジョンAVCHD動画撮影が可能になりました。また、新開発の「アクティブモード」では光学式の手ブレ補正とともに電子式の手ブレ補正が働いて、歩きながらの撮影時などの手ブレを抑えてくれます。

 今回さらに追加された機能としては、撮影後に画像の明るさや色合いを変えられる「アートレタッチ」と、カメラ内でフォルダを作って写真を整理できる「マイフォトアルバム」機能、簡単に3D撮影ができる「スライド3D撮影機能」があります。

カメラをスライドさせると3D撮影ができる機能も装備 レンズはライカブランドの5倍ズーム

 レンズは光学5倍ズームのライカDC VARIO-SUMMARITレンズを搭載(35mm判換算の焦点距離は24-120mm相当)。前機種からお馴染みの超解像技術を使用してズーム域を拡大させる「iAズーム」も搭載しているので、最大6.5倍のズームが可能です。

 前機種同様の機能としては、「おまかせiA」でカメラ任せで静止画も動画も簡単に撮影することができますし、「マイカラーモード」で撮影時に液晶モニターで確認しながら雰囲気のある写真を撮ることもできます。超解像技術で被写体の繊細な輪郭や色味のグラデーションをなめらかに描くことが可能になっています。

自然な補正もおもしろい補正もできる「ビューティーレタッチ」

 本機最大の特徴とも言える「ビューティーレタッチ」機能は、筆者の周りでもカメラ好きな女子だけではなく、自分でTwitterやブログ、SNSなどに写真を投稿することが多い女子から気になる! と言う声が多く聞かれた機能でした。

 「ビューティーレタッチ」機能は、肌の質感やホワイトニング、シェイプアップという顔のベースを変化させる「エステレタッチ」と、リップやアイシャドーなどの色味を顔に乗せていく「メイクアップレタッチ」の2種類で、どちらも撮影後に画像を再生して効果を見ながらレタッチする事ができます。また、重ねがけも可能なので、「エステレタッチ」をしてベースの顔を整えた後に「メイクアップレタッチ」で好みの色を乗せていくとさらにビューティーになれます。

 まずはビューティーへの第一歩「エステレタッチ」ですが、アイコンの左から順にレタッチするとレタッチし忘れがなくて良いでしょう。すべてのレタッチは5段階(20%、40%、60%、80%、100%)で調節できますが、どれもやりすぎ感が出ない自然なレタッチなので、基本的にはオール100%で効果を乗せてしまってOKだと思います。

 「肌透明感」はPhotoshopのぼかしツールを使って肌をなでたようなつるっとした肌に仕上げてくれます。「テカリ除去」はTゾーンのテカリを抑えてくれるので化粧崩れしやすい夏場の方が活躍しそう。「ホワイトニング」は美人の条件の白目と歯をさらに白くしてくれます。「シェイプアップ」はあごと頬の辺りをさりげなく細くします。「デカ目」機能はその名の通り目を大きくする機能ですが、100%にしてもそれほど効果を感じられませんでした。最近のプリクラのデカ目機能ほどではなくても、もっとわかりやすく大きな目になっても面白いかな? と思いました。

エステレタッチでは、下に並ぶ5つのアイコンから効果を選んで適用できる 適用前後の比較も表示される

 ベースの顔が整ったら仕上げの「メイクアップレタッチ」です。レタッチカラーはすべて5色ずつ揃っているので、ナチュラルメイクはもちろんですが、色々なタイプの顔に変身もできます。

 「肌色」は肌の色味をお嬢様的な真っ白な色から健康的な小麦色の肌色に変えることができます。これでかなりイメージが変わります。「リップカラー」は自然なピンク色もありますが、赤系の色が多いカラーラインナップになっています。ですがそれほど奇抜な赤色ではないので、どの色でも自然に馴染みます。「チークカラー」も肌馴染みのいい自然なピンクとオレンジ系の5色のラインナップです。この「チークカラー」は、頬に丸く、頬からこめかみに斜めに、頬骨に沿って長方形にと、入れ方に関しても3種類から選ぶことができて、設定の細かさに驚きました。「アイシャドー」はグリーン、赤系のブラウン、暗めのブラウン、ピンク、ブルーの5色で、冒険をしたくなければ自然に見えるブラウン系の2色を使いましょう。ピンク(パープル?)を使用するとバブル時代のギャル顔になってしまいます(笑)。

メイクアップレタッチでは、4つのアイコンから効果を選べる(肌色) リップカラー
チークカラー チークカラーは、ブラシの形状も変更可能
アイシャドー

 ただ、このビューティーレタッチの元となる画像ですが、顔認識機能を使って撮影した画像しか使用できず、3D写真や動画はレタッチできません。また「メイクアップレタッチ」は、レタッチ可能画像と判断されてレタッチをしたものの、顔が少しでも斜めを向いていたりすると、アイシャドーがはみ出て変な位置に乗ったり、唇の端の方までリップカラーが塗られなかったりするので、真正面を向いた画像しか使用できないと言う縛りがあります。しゃがんで上から顔を撮影したような画像は、顔の全部が正面から写っていてもレタッチ可能画像とは認識してもらえませんでした。

 ナチュラルにも面白い顔にもできるレタッチ機能なので、レタッチ可能画像の(顔)認識精度とレタッチの精度をもっと上げてもらいたいです。

 同じく新機能の「アートレタッチ」は鮮やかさと明るさを撮影後に変えられる機能です。タッチパネルで簡単に変えられるのは便利なのですが、どちらもプラスマイナス6段階しか調節できないので、ホワイトバランスと露出補正の知識を持っている人には少々物足りない感じ。こちらは初心者向けの簡易レタッチと割り切って使った方がいいでしょう。

 また、このレタッチ機能が面白いからといってずーっと遊んでいると、電池の消耗の早さにびっくりしてしまうでしょう。電池の保ちはそれほど良くはないので、レタッチ機能の使いすぎやマイカラーモードを多用すると、肝心の撮影時に電池なし! アウト! になりかねないのでこまめに充電をするようにしたいです。

手に馴染みやすいデザイン

 シンプルでスリムながら流線的なボディーは手に馴染みやすく、撮影しながらするっと滑り落ちる心配のない質感なのがうれしいです。カラーも女性を意識しながらも男性向けに「スエードブルー」などの渋目のカラーも押さえています。

今回試用したのはスエードブルー ズームレバーは小さめ

 上部に良く使う動画ボタン、シャッターボタン、ズームレバーが配置されているので操作慣れもしやすいです。ただズームレバーがかなり小さいので、手の大きな人は微妙な加減がし難く、希望のズーム画面になるまで行ったり来たりを繰り返さないといけないかも。

フルHD動画を出力できるHDMI端子を装備

タッチパネルの操作性は?

 3.5型のTFT液晶約23万ドットのタッチパネル液晶モニターはオートパワーLCD機能を搭載していて、周囲の明るさに合わせて液晶を自動調節してくれます。どぴーかんの晴天下などの過酷な条件でなければ確かに見やすく確認しやすい液晶でした。

液晶モニター対応のサイズは3.5型と大きめ。細かい操作に便利なスタイラスが付属

 タッチパネルの精度に関しては、AF合わせやシャッターを切るときには問題は感じないのだけど、メニュー画面でのレスポンスの遅さが気になりました。タッチしてから一呼吸あって動作するという感じで、一瞬「あれ? 感知した?」と不安になる瞬間が生じます。これはタッチパネルと言うよりもメニュー内部の問題なのかしら……?

 今回新メニューで「ショートカット設定」という、オールタッチパネル機種ならではの機能が搭載されました。これは自分が良く使う機能を撮影画面上にアイコンとして2つまで置いておける機能なのですが、正直2つじゃ足りません! ISO感度、ストロボ設定、WB、マクロ設定の4つくらいはワンタッチかツータッチで操作できるようにして欲しいです。メニューの階層が深いので、3〜4タッチして階層に潜って設定しているうちにシャッターチャンスを逃しちゃいます。

撮影画面の例 メニューでは簡単な説明が表示される

まとめ

 テレビCMや駅のポスターなどで取り上げられていた「ビューティーレタッチ」機能ばかりに目が行きがちですが、実は新開発の超薄型のライカDCレンズやハイスピードCCDセンサーなどが搭載されて、動画性能や感度性能が前機種よりも向上して実用機としてのレベルがアップしています。持ち歩きがまったく苦にならない薄型機でこれだけ撮れればもう十分でしょう。

 自分のサブ機としてポケットに入れておいてもいいですし、女性が喜ぶ機能とデザインなので、カメラ初心者の奥さんや彼女にプレゼントしても喜んでもらえそう!

記録メディアとバッテリースロット 付属の充電器とバッテリー

実写サンプル

※作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。縦位置の画像は非破壊で回転させています。

※「超解像機能」はすべてONにして撮影しています。

エステレタッチ

 どれも過剰なレタッチではないので、100%乗せてしまって大丈夫です。「肌透明感」は目元の辺りの効果が分かりやすいです。「テカリ除去」は鼻の半分を見比べると一目瞭然。「ホワイトニング」は黒目と白目の境目がはっきりしたのが分かります。「シェイプアップ」は頬骨の下辺りから細くなるので、背景も一緒にゆがんでいます。「デカ目」は上下のまぶたの間が開くレタッチ効果で、目を大きく見せています。

レタッチなしのベース画像。DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F5.9 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 21.5mm
肌透明感:20% 肌透明感:40% 肌透明感:100%
テカリ除去:40% テカリ除去:100%
ホワイトニング:40% ホワイトニング:100%
シェイプアップ:40% シェイプアップ:100%
デカ目:40% デカ目:100%

メイクアップレタッチ

 基本的にエステレタッチをオール100%で乗せた後にメイクアップ変身してみました。でも着合いを入れすぎるとブルーのアイシャドーがちょっと怖い「やりすぎバージョン」みたいなやりすぎ顔になっちゃいます。普段のメイクに近い自然な感じは「ナチュラルバージョン」のように肌色に近い色を使うか、色白でチークカラーを抑え目にした「お嬢様系」にするか、「OL系」のようにオレンジ系チークと自然なブラウンのアイシャドーにすればお仕事メイクのOLさんのできあがりです。もっと冒険してみたい方は「黒人系その1」や「黒人系その2」のように一番濃い肌色をベースにしてみましょう(笑)。

レタッチなしのベース画像。DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F5.9 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 21.5mm
エステレタッチ:オール20% エステレタッチ:オール60% エステレタッチ:オール100%
ナチュラルバージョン
エステレタッチ:オール100%
肌色:下から2番目の自然な白
リップカラー:ピンク
チークカラー:一番上の自然なピンク
アイシャドー:ブラウン
お嬢様系
エステレタッチ:オール100%
肌色:一番白い色
リップカラー:ベージュ
チークカラー:一番上の自然なピンク
アイシャドー:ブラウン
OL系
エステレタッチ:オール100%
肌色:下から2番目の自然な白
リップカラー:自然な赤
チークカラー:丸型、3番目のオレンジ系
アイシャドー:赤系ブラウン
黒人系その1
エステレタッチ:オール100%
肌色:一番上の小麦色
リップカラー:ピンク
チークカラー:横長、下から2番目の濃いオレンジ
アイシャドー:グリーン
黒人系その2
エステレタッチ:オール100%
肌色:一番上の小麦色
リップカラー:赤
チークカラー:3番目のオレンジ系
アイシャドー:ピンク
やりすぎバージョン
エステレタッチ:オール100%
肌色:一番白い色
リップカラー:赤
チークカラー:斜め型、オレンジ色
アイシャドー:ブルー

画角

 35mm判換算で24〜120mm相当のズームなので、旅行やスナップで使用するには十分な画角でしょう。超解像で細かい描写もディティールをつぶさずに残してくれます。

広角端(24mm相当)。DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 1/125秒 / F8 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 4.3mm 望遠端(120mm相当)。DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 1/800秒 / F5.9 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 21.5mm
望遠端(156mm相当、iAズーム)。DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 1/640秒 / F5.9 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 21.5mm

歪曲収差

 望遠側には目立った歪曲収差は見られませんが、広角端では膨らんだような円形の収差が見られます。

広角端。DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F2.5 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 4.3mm 望遠端。DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 1/8秒 / F5.9 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 21.5mm

ISO感度

 晴天下の状況での感度比較では、ISO400から画像のキメの荒さが現れてきます。特に中央の桜の木(ピントの合っている部分)以外の、左端の家屋やその前にある緑の木の描写が甘くなってきます。ISO1600では全体に画像のキメと描写が荒くなってしまいました。

※共通設定:DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 0EV / プログラム / WB:オート / 4.3mm

ISO100 ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600

 次はちょっと意地悪なシチュエーションで撮影。中央寄りの自転車の置物の車輪がISO400から滑らかな質感を失ってきて、画像のキメの荒さが現れてきました。ISO1600ではつるつるしているはずのテーブルもがさがさした質感になってしまい、キメの荒さが全体に広まりました。とはいえ、キャンドルの明かりのみの撮影でここまで描写していますので、コンパクトカメラとしての感度性能としては及第点ではないでしょうか。

※共通設定:DMC-FX77 / 3,000×4,000 / 0EV / プログラム / WB:オート / 13.4mm

ISO100 ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600 ISO3200(高感度モード)。DMC-FX77 / 2,048×1,536 / 1/40秒 / F4.4 / 0EV / ISO3200 / 高感度モード / WB:オート / 13.4mm
ISO400(参考、キャンドルモード)。DMC-FX77 / 4,000×3,000 / 1/5秒 / F4.4 / 0EV / ISO400 / キャンドルモード / WB:オート / 13.4mm    

カラーモード

※共通設定:DMC-FX77 / 4,000×3,000 / F2.5 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 4.3mm

標準 ナチュラル ヴィヴィッド
白黒 セピア クール
ウォーム

マイカラー

※共通設定:DMC-FX77 / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F8 / 0EV / ISO100 / プログラム / WB:オート / 4.3mm

通常撮影 ポップ レトロ
ピュア モノクローム ハイダイナミック
シルエット ピンホール サンドブラスト
風景モード(参考)

フルHD動画

※動画作例のサムネイルをクリックすると、未編集の撮影動画をダウンロードします。

※ファイルの拡張子を.m2tsから.mtsに変更しています。

※再生についてのお問い合わせは受けかねます。ご了承ください。

AVCHD / 1,920×1,080ピクセル / 60i(センサー出力30fps) / 92MB AVCHD / 1,920×1,080ピクセル / 60i(センサー出力30fps) / 69MB





水咲奈々
(みさきなな)東京生まれ。舞台役者、ナレーター、スチールモデルなどを経て撮られる側から撮る側に。独学で写真を学びセルフを含むポートレートをメインに撮り始める。2007年に写真を持ち込んだ月刊カメラマンに(なぜか)編集として入社。新しい機種にいち早く触れる環境に狂喜する。色々な側面から写真に携われる編集業務にはまり、2010年フリーの編集として独立。撮って、書けて、しゃべれる編集として活動中。Twitter:@cosaruru ブログ:http://misakinana.com

2011/4/7 00:00