【新製品レビュー】ソニーサイバーショットDSC-HX5V

〜AVCHD・GPS・10倍ズームの多機能デジカメ
Reported by 吉森信哉

 比較的スリムでフラットなボディに、高倍率ズーム(光学10倍以上)を搭載したモデルが増えてきた。この「サイバーショットDSC-HX5V」も、そうしたカテゴリーに属する製品である。一眼レフカメラを小さくしたようなスタイリングの「サイバーショットDSC-HX1」などとは違う、これまでのサイバーショットにはなかったスタイルの製品なのだ。レンズには広角25mmから望遠250mmをカバーする光学10倍の「Gレンズ」を搭載している。

 10倍ズームレンズ以外の特徴は、先行発売(発表は同時)の「サイバーショットDSC-TX7」と同様、コンパクトデジカメとしては初のAVCHD記録に準拠したモデルであるということ。1,980×1,080ピクセルのフルHD動画が撮れてしまう。また動画撮影時には、ハンディカムでその実力が知られる「光学式手ブレ補正/アクティブモード」が利用可能だ(DSC-TX7は非搭載)。

 さらに、撮影時の位置情報と方位情報が記録できる「GPS・コンパス機能」も搭載。単なるGPS受信だけでなく、方位を記録できるコンパス機能を併せ持つのがライバル機種にない特徴といえる。そのライバルは、ずばりパナソニックの「LUMIX DMC-TZ10」。ズーム倍率と望遠端の焦点距離の長さではDMC-TZ10が勝るが、動画記録の面では、AVCHD LiteのDMC-TZ10に対し、AVCHDのDSC-HX5Vが勝っている。

 今回は試していないが、近接無線転送技術「TransferJet」機能への対応も話題のひとつだ。対応機器同士を近づけることでデータ転送が行なえる新規格になる。対応機器には、デジタルカメラのDSC-HX5V、DSC-TX7のほかに、TransferJet搭載のメモリースティックPRO-HG Duo「MS-JX8G」、パソコンやテレビをUSB経由でTransferJet対応にするTransferJetステーション「TJS-1」などがある。

 撮像素子は、裏面照射型の「Exmor R」CMOSセンサー。センサーサイズは1/2.4型で、有効画素数は1,020万画素。そして、画像処理エンジン「BIONZ」による画像処理によって、ノイズ感を抑えた高感度撮影が可能になる。そのほかでは、動く被写体にも対応した新しい「スイングパノラマ」、最大画素での「10コマ/秒の高速連写」、「逆光補正HDR」といった機能が特徴的である。

 なお、このDSC-HX5Vを含む2010年春モデルでは、従来からのメモリースティックデュオ系だけでなく、記録メディアとしてSDHC/SDメモリーカードも使用できるようになった。

 価格はオープンプライス。実勢価格は4万5,000円前後。本体色はゴールドとブラック。



AVCHD準拠のフルHD記録が可能

 AVCHDは、MPEG-4 AVC/H.264による高圧縮率を特徴とし、メモリーカード、HDD、DVDへのHD記録を目的として策定された。最大1,980×1,080ピクセル、最大ビットレートは24Mbpsとなっている。レコーダーなどのAV機器との親和性が高く、メモリーカードやブルーレイディスクを媒体に、さまざまな対応機器での再生が行なえる。

 DSC-HX5の動画記録は、AVCHD 17M FH(1,920×1,080ピクセル/約60fps)、AVCHD 9M HQ(1,440×1080ピクセル/約60fps)、MP4 12M(1,440×1,080ピクセル/約30fps)、MP4 6M(1,280×720ピクセル/約30fps)、MP4 3M VGA(640×480ピクセル/約30fps) の5種類から選べる。このうちMP4は、PCでの編集を考慮したAVCHD非準拠のMPEG-4記録となる。ちなみに、ライバルDMC-TZ10などが採用するAVCHD LIteは、1,270×720ピクセルの720p記録にとどまる。

ボディ上面で主張するAVCHDロゴ。ステレオマイクも備えている背面に動画専用ボタンを搭載
AVCHDに加えて、MP4(MPEG-4 Video)記録も選べるモードダイヤルが「動画撮影」の場合、MENU内の操作で、「1920×1080」と「1440×1080」が選択できる
光学式手ブレ補正でアクティブモードが利用できるのも本機の特徴だ

 動画撮影に力を入れたモデルということもあり、当然のことながら、動画記録中にAEやAFが追従するし、光学ズームも使用できる。ズーム操作中の作動音もけっこう静かで、ズームの動きも悪くない(画面のがたつきが少ない)。さすがにビデオカメラ並の静粛性ではないが、周囲がよほど静かでない限り、ズーム作動音が気になることはないだろう。動画撮影はモードダイヤルで選択してシャッターボタンでスタート/ストップを行なうが、モードダイヤルとは関係なく、背面に配置されている専用の動画ボタンでも操作することもできる。

 ただし前述のとおり、DSC-HX5Vは比較的スリムでコンパクトなボディに高倍率ズームレンズを搭載した製品とはいえ、実際に手にすると、一般的なスリム機(光学4〜5倍ズームを搭載するモデル)とは違う重みを感じる。しかも、250mm相当の望遠域までカバーするので、カメラを安定させるには、左手でしっかり支える(保持する)ことが不可欠になる。このとき注意しないと、指で上面のマイクの穴を塞いでしまう恐れがある。そう、DSC-HX5Vの内蔵マイクは、左手側の端に配置されているのだ。設計上の制約でこの位置になったのかもしれないが、動画撮影をするたびに「マイク穴を塞いでないか?」と心配になってしまう。

 AVCHD動画は、撮影に使用したSDHCメモリーカード経由で、自宅のレコーダーに取り込み、液晶テレビでチェックしてみた。映像に関しては「さすがはフルHD!」と言える精細感のある描写で、ビデオカメラに引けをとらない動画を楽しむことができる。光学式手ブレ補正/アクティブモードも、歩きながら撮影してみて、その効果が実感できた。動く被写体に対するAF追従も良好だったし、輝度変化に対する露出調整も自然なので感心した。まあ、ステレオ方式の音声のクォリティがもう少し高ければベストだが、それでも“コンパクトデジカメの内蔵マイク”としては頑張っている方だろう。

※サムネイルをクリックすると、動画(.mtsファイル)のダウンロードが始まります。再生についてのお問い合わせは受けかねます。

v001.mts / 94.0MB / AVCHD / 1,920×1,080 /
アクティブ手ブレ補正:ON
v002.mts / 92.3MB / AVCHD / 1,920×1,080 /
アクティブ手ブレ補正:OFF
v003.mts / 94.5MB / AVCHD / 1,920×1,080 /

 なお動画記録はかなりパワーを使うらしく、ちょこちょこと撮っていたら、フル充電したバッテリーパックが早めに電池切れになってしまった(1回の撮影はせいぜい2〜3分程度なのだが)。動画撮影を頻繁におこなうなら、予備バッテリーを携行した方がよいと感じた。

 バッテリーといえば、本機はDSC-WX1などと同じリチウムイオンのGタイプを採用する。残量を分単位で表示できるインフォリチウムに対応しているのだが、カメラに付属しているのは、インフォリチウム非対応の旧式のNP-BG1(生産完了)だ。DSC-WX1も同じだが、インフォリチウムの恩恵を受けるには、別売のNP-FG1(5,880円)を買わなければならない。この小さな不満が、今回も改善されていないのは残念だ。

記録メディアスロットは、メモリースティックデュオ系とSDHC/SDメモリーカード兼用タイプバッテリーはNP-GB1。NP-FG1を買い足せばインフォリチウム機能が使える
HDMIケーブルを接続する為のアダプターを同梱。カメラ底面に取り付ける

GPSレシーバーとコンパスを内蔵

 本機のもうひとつのトピックである「GPS・コンパス機能」は、静止画だけでなく動画にも対応(方位情報は静止画のみ対応)。付属のソフト「PMB」(Picture Motion Browser)に読み込めば、地図の上に撮影位置や方位情報を表示できる。もちろんGPSの受信できるのは、基本的に「屋外で空が開けた場所」になる。その機構上、屋内や高い建物の近くでは、測位に時間がかかったり、測位不能になるケースが出てくる。

 屋外撮影で使用してみたが、予想以上に短い時間(電源を入れて10秒以内)で測位が完了することが多かった。これには「GPSアシストデータ」機能が貢献している。事前に、カメラをパソコンに接続して、PMB(Picture Motion Browser)経由でGPS衛星の情報を得ることで、測位時間が短縮できるのだ。ちなみに、今回の撮影中、測位待ちでイライラさせられることは、ほとんどなかった。

 なお、付属ソフト「Picture Motion Browser」(PMB)の「マップビュー」に位置情報付きの画像をドラッグ&ドロップすると、記録された位置情報に従って、画像が地図上に表示される。選択画像が複数の場合、マップビュー左側にサムネイルが縦に表示され、クリックした画像が地図上にフキダシ(サムネイルとプロパティーの表示が切り替えられる)で表示される。今回使用した限りでは、得られた位置情報や方位情報は「予想以上に正確だな」と実感できた。撮影時にカメラが向いていた方向(方位)もこの画面で確認できる。

コンパス機能を搭載するだけあって、「方位精度調整」という設定がある。8の字に本体を回すことで、磁気などからの干渉を解く
測位までの時間の短縮に貢献する「GPSアシストデータ」機能。カメラとパソコンとの接続を頻繁におこなわない場合、この有効期限に注意したい
位置情報付きの画像を付属ソフトPMBのマップビューで表示。方位も確認できる

スイングパノラマが進化

 背面に配置されたコントロールボタン(4方向ボタン、十字ボタン)には、DISP(画面表示設定)、ストロボモード、セルフタイマー、スマイル(スマイルシャッター)、の4つの機能が割り当てられている。それ以外の機能は、MENUから呼び出して設定することになる(連写/ブラケットは、上面の専用ボタンで設定できる)。露出補正、ホワイトバランス、ISO感度、フォーカス(方式、エリア)、このあたりの機能は、迅速に呼び出して操作したいところ。コントロールボタンに多用する機能を割り当てることができたり(カスタマイズ)、ファンクションボタンやショートカットボタンを装備していれば、もっと快適に操作できるようになるのだが……

 ただし、露出補正とホワイトバランスに関してはブラケット機能が搭載されているので、これを積極的に活用していきたい。ちなみに、このブラケット機能は、DSC-TX7やDSC-TX5には搭載されていないものだ。

 また、液晶モニターの表示切り替えは、コントロールボタンのDISP(上方向)を押して、さらに上下のボタンでおこなう。ただし、そこで表示される撮影情報や画像データは、あまり詳細とは言えない。再生時のヒストグラムも、縦に表示した画像だと表示できない(従来モデルから進歩していない)。また、情報表示と明るさを組み合わせて切り替える方法というのも、個人的には理解に苦しむ。

液晶モニターの明るさを切り替えられるほか、明るさを上げつつ情報表示を行なうといった設定が可能

 そのほか最近のサイバーショットのウリのひとつに、カメラを一定方向に一振りするだけでパノラマ写真が撮れる「スイングパノラマ」がある。当然、DSC-HX5Vにも搭載されているが、従来のスイングパノラマよりも進化を遂げている。「顔・動き検出」に対応しており、人物を検出すると、その部分がつなぎ目に重ならないように自動調整されるのだ。

 操作方法は簡単。モードダイヤルをスイングパノラマに設定し、MENUで撮影方向を選んで、シャッターボタンを押して液晶モニター画面上のガイド表示を参考にしながら、ガイド終端に達するまでカメラを振る。なお、スイングパノラマの画像サイズ(角度の広さ)は「標準」と「ワイド」が選べるが、270度のワイドはもとより、標準でもかなり広く感じられ、その画角を持て余すことも多かった。しかし、上下方向に振る設定だと、振り角はそう大きくないので、格段に扱いやすくなる。

スイングパノラマの設定。従来通り上下方向のスイングも行なえる

高感度に強い裏面照射型CMOSセンサー

 DSC-HX5Vに搭載されている25〜250mm相当の光学10倍ズームは、おなじみのカールツァイスブランド……ではなく「Gレンズ」の名称が付けらている。Gレンズといえば、古くはミノルタ、現在はソニーαシリーズの交換レンズのブランド名。最近ではサイバーショットやハンディカムへの展開が見られる。ちなみに、Gレンズの位置づけは「ソニー独自の高性能レンズ」ということだ。

 同じくGレンズ搭載のDSC-WX1には、24〜120mm相当の光学5倍ズームレンズが搭載されている。このレンズは小型化しながら、ズーム倍率、広角画角、開放F値を欲張った仕様である。そのせいか、広角域の周辺画質にやや乱れが見られた。

 しかし、DSC-HX5Vの光学10倍ズームの広角域は、乱れが少なくて安定した印象だった。また、望遠域での色収差やコントラスト低下もあまり感じられず、これなら安心して使うことができるだろう。歪曲収差に関しても、広角側と望遠側、ともに良好な結果が得られた。まあ、スリム系の高倍率ズームレンズとしては、ズーム倍率を抑え気味にして、無理に小型化もしていないのが、功を奏したのかもしれない。

 ただし、裏面照射型のExmor R CMOSセンサーと、画像処理エンジン「BIONZ」による絵作りは、少しクセがあるので、人によっては少し違和感を覚えるだろう。ISO400以下……というか、最低感度のISO125あたりでも、細かい絵柄の部分が、絵筆で塗ったように見えることがあるからだ。もちろん、そう見えない絵柄もあるだろうし、見る人によって感じ方も違うだろうが……。ライバル機のDMC-TZ10が超解像技術で輪郭やディテールの再現性を重視する一方、DSC-HX5Vの絵作りはそれとは異なる印象だ。

 その分、ISO800や1600といった高感度時では、コンパクトデジカメとしては、ノイズを抑えたバランスのとれた描写にまとめている。また、高速重ね合わせによる「手持ち夜景モード」で撮影すれば、さらなるノイズの低減が実感できた(シャープ感は少し落ちるが)。

 色再現に関しては、全体的に「ナチュラルかつ適度に鮮やか」という印象を受けた。最近のサイバーショットは、カラーモードや彩度など、色を調整する機能が備わっていないのが不満だが(DSC-W170などには、簡単ながらカラーモードが搭載されていた)、今回の撮影に際しては、それによる不満を感じることは少なかった。

 なお最短撮影距離は、広角側が5cmで望遠側が100cmとなっている。数値的には一般的なレベルだが、通常撮影とマクロ撮影の切り替えなしで使えるのは便利だ。これにDSC-TX7やDSC-TX5に搭載されている拡大鏡モード(撮影範囲1〜20cm)のような、さらに近づける機能があればベストだろう。


まとめ

 DSC-HX5Vをスリム系の高倍率ズーム機として見た場合、もっとスリムな光学10倍ズーム機は多いし、より高倍率なズームを搭載するモデルもある。だが、GPS・コンパス機能などは、ほかのライバル機にはない魅力的なものといえる。直接のライバルといえるDMC-TZ10もGPSレシーバーを搭載しているが、コンパスによる方位記録は不可能。また、スイングパノラマ、秒間10コマの高速連写、逆光補正HDR、手持ち夜景モードなど、最新のサイバーショットと共通して搭載されている各種の機能も、大いに魅力的である。

 そして、DSC-HX5Vを“手軽なハイビジョンビデオカメラ”として見た場合、同社のハンディカムに近い……というよりも、それに取って代わる使い方ができそうな予感がする。それほどDSC-HX5VのAVCHDはハイクォリティだ。大画面テレビで観ても、フルHDのビデオカメラと同等のクォリティで動画が堪能できるのは驚嘆に値する。

 現在では、ハイビジョンビデオカメラでも高画素の静止画が撮影できるし、デジタル一眼レフでもフルハイビジョン動画が撮影できる。だが、両者の撮影スタイルや操作性はかなり違う。ビデオカメラで静止画を撮ろうとすると、各種機能の設定が面倒に感じられ、デジタル一眼レフカメラで動画を撮ろうとするとカメラの構え方やズーム操作に違和感を覚えたりする。その点、DSC-HX5Vのようなスリム系コンパクトデジカメなら、静止画だけでなく動画撮影に関しても、一眼レフカメラより気軽に撮影することができる。“日常を記録するアイテム”としては、とても重要なことだと感じた。


実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します(スイングパノラマの一部作例をのぞく)。

・画角

広角端
DSC-HX5V / 約4.0MB / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F8 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 4.2mm
望遠端
DSC-HX5V / 約4.1MB / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F5.5 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 42.5mm

・感度

ISO125
DSC-HX5V / 約3.7MB / 3,648×2,736 / 1/4秒 / F4.5 / 0EV / WB:オート / 12.3mm
ISO200
DSC-HX5V / 約3.5MB / 3,648×2,736 / 1/6秒 / F4.5 / 0EV / WB:オート / 12.3mm
ISO400
DSC-HX5V / 約3.3MB / 3,648×2,736 / 1/13秒 / F4.5 / 0EV / WB:オート / 12.3mm
ISO800
DSC-HX5V / 約3.4MB / 3,648×2,736 / 1/25秒 / F4.5 / 0EV / WB:オート / 12.3mm
ISO1600
DSC-HX5V / 約3.7MB / 3,648×2,736 / 1/50秒 / F4.5 / 0EV / WB:オート / 12.3mm
ISO3200
DSC-HX5V / 約3.7MB / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F4.5 / 0EV / WB:オート / 12.3mm

・スイングパノラマ

※リンク先は1,024×225ピクセルにリサイズ
スイングパノラマ
DSC-HX5V / 約3.9MB / 1,920×3,424 / 1/1,000秒 / F3.5 / -0.7EV / ISO125 / WB:オート / 4.2mm
プログラムオート(4:3)
DSC-HX5V / 約4.2MB / 2,736×3,648 / 1/250秒 / F8 / -0.3EV / ISO125 / WB:オート / 4.2mm
プログラムオート(16:9)
DSC-HX5V / 約4.1MB / 2056x3648 / 1/250秒 / F8 / -0.3EV / ISO125 / WB:オート / 4.2mm

・手持ち夜景モード

手持ち夜景モード
DSC-HX5V / 約3.6MB / 3,648×2,736 / 1/8秒 / F3.5 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 4.2mm
プログラムオート
DSC-HX5V / 約4.0MB / 3,648×2,736 / 1/8秒 / F3.5 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 4.2mm
手持ち夜景
DSC-HX5V / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/8秒 / F3.5 / 0EV / ISO2500 / WB:オート / 4.2mm

・高速連写

 フル記録解像度の1,020万画素のままで「秒間10コマの高速連写」は、コンパクトデジカメの機能としてはインパクトがあるし、その実用度もけっこう高い。連続10コマ(つまり1秒で撮影終了)という制約はあるが、スポーツ、乗り物、動物、スナップなど、活躍の場は多そうだ。

・逆光補正HDR

 モードダイヤルを「逆光補正HDR」に設定して撮影すると、露出の異なる2枚の画像を重ね合わせて、輝度差の大きい場面でも幅広い階調再現が可能になる。ただし、露出補正と組み合わせて使用できない。そこが残念な点である。

※共通設定:DSC-HX5V / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/13秒 / F3.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 4.2mm

逆光補正HDR:ON逆光補正HDR:OFF

・マニュアル露出

 DSC-HX5Vはマニュアル露出モードも搭載している。絞り値の設定は2段階と簡易的だが、シャッター速度は1/3段刻みで設定できる。だから、夜景のストロボ撮影などで、背景(ストロボ光が届かない距離)の明るさが、自由に調節できるのだ。

マニュアル露出(シンクロ発光)
DSC-HX5V / 約4.1MB / 3,648×2,736 / 1/4秒 / F3.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 4.2mm
プログラムオート(通常発光)DSC-HX5V / 約3.7MB / 3,648×2,736 / 1/30秒 / F3.5 / 0EV / ISO320 / WB:オート / 4.2mmプログラムオート(スローシンクロ発光)DSC-HX5V / 約4.2MB / 3,648×2,736 / 1.0秒 / F3.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 4.2mm

 手持ち夜景モードでも、かなり暗く写ってしまう状況。ただしマニュアル露出モードだと、低速側のシャッター速度は「15秒」まで設定できるので、ISO125まで下げてもここまで明るく写すことができた。しかし、長時間ノイズ処理の影響だろうか、空の部分を拡大チェックしてみると、わずかに不自然な色ムラが確認できる。惜しい!

マニュアル露出
DSC-HX5V / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 15秒 / F3.5 / 0EV / ISO125 / WB:電球 / 4.2mm
手持ち夜景モード
DSC-HX5V / 約3.3MB / 3,648×2,736 / 1/4秒 / F3.5 / 0EV / ISO3200 / WB:電球 / 4.2mm

・そのほか

DSC-HX5V / 約3.7MB / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F5.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 42.5mmDSC-HX5V / 約3.5MB / 2,736×3,648 / 1/30秒 / F5.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 42.5mm
DSC-HX5V / 約3.4MB / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 26.0mmDSC-HX5V / 約4.1MB / 2,736×3,648 / 1/15秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO400 / WB:オート / 4.2mm
DSC-HX5V / 約3.6MB / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F5.5 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 42.5mmDSC-HX5V / 約3.6MB / 3,648×2,736 / 1/30秒 / F3.5 / 0EV / ISO320 / WB:オート / 4.2mm




吉森信哉
(よしもりしんや)1962年広島県庄原市出身。東京写真専門学校を卒業後、フリー。1990年からカメラ誌を中心に撮影&執筆を開始。得意ジャンルは花や旅。1970年代はカラーネガ、1980年代はモノクロ、1990年代はリバーサル、そして2000年代はデジタル。…と、ほぼ10年周期で記録媒体が変化。でも、これから先はデジタル一直線!? 自他とも認める“無類のコンデジ好き”

2010/3/26 15:36