ミニレポート

輝度差に負けないEVFモード

(FUJIFILM X30)

 先日のフォトキナ取材中に実機を触り、一気にお気に入りとなったのが「FUJIFILM X30」である。2/3型センサーと28-112mm相当F2-2.8のズームレンズを搭載するコンパクトデジカメだ。

8月26日発表、9月20日発売。写真のシルバーのほかにブラックもある

 今回はいきなりマニアックだが、「モニター撮影効果反映」という設定機能について紹介したい。

 とても興味深く実用的な機能であるものの、その名前と設置場所が控えめなこともあり、あまり存在に気づかれていないかもしれないと思ったからだ。

 項目は、セットアップメニュー2の「表示設定」内にある。

 モニター撮影効果反映をOFFにすると、EVFまたは背面モニターに表示されるライブビュー画面が、光学ビューファインダーのような(目で見たままに近い)画作りで表示される。

 EVFは撮影結果を見ながら撮れるのがメリットだが、光学ファインダーに比べ、輝度差があるシーンでは明部・暗部のどちらかが見えなくなってしまいがちだ。

 そこで実際に設定してみると、ライブビュー画面のコントラストが通常撮影時より低くなることで、以下の場合は暗部が見通しやすくなった。ハードウェアボタンに割り当ててオンオフしてみると、その違いが分かりやすいだろう。

参考:画面内の左半分を明るく照らし、右半分は明かりを遮って暗くした状態(露出固定したカメラで背面モニターを撮影)。明部・暗部ともにディテールの残り具合に差が見られる
ファンクション(Fn)設定で任意ボタンに割り当てると、シーンに応じた切り換えが容易

 “撮影効果”とはフィルムシミュレーションなどを経て撮影画像に反映される色味やコントラストのことで、それをオフにするから自然な見た目、という位置づけだろう。背面モニターでも利用可能だが、EVFで両目を開けて撮っているとわかりやすい。キャッチーに「肉眼モード」などと名付けてしまってもよさそうなものだが、そこで大きく出ないあたり、控えめだなあと感じる。

 ちなみに、撮影時に必ずEVFを覗くという方は、EVFわきのVIEWボタンを押して「EVF ONLY」モードを選んでおくと快適だ。アイセンサーで表示がEVFに切り替わるのを待たなくてよい。この状態では、EVFが常時オンになり、再生ボタンを押したときだけ背面モニターに表示が切り替わる。

 一般によく聞かれるEVFへの苦手意識は、ほとんどが「表示タイムラグ」と「見え方の違和感」に起因している。この両方の点において、X30はかなりの工夫が感じられる。ファインダーの最新トレンドを知る意味でも、注目の1台と言えるだろう。

(本誌:鈴木誠)