旅にピッタリのFUJIFILM X30を使ってみました!山本まりこさんが撮った安曇野の旅♪

FUJIFILM X30の発売日は9月20日。店頭予想価格は税別6万5,000円前後の見込みで、カラーはブラックとシルバーの2色が用意されています。

FUJIFILM X30(以下、X30)は、9月20日に発売されるFUJIFILM Xシリーズのプレミアムコンパクトデジタルカメラです。X30の製品概要はこちらの記事を参照いただければと思います。

今回は8月12日に発売された『まりこ先生が教える イチバンやさしい写真の教室』の発売記念イベントのため、写真家の山本まりこさんがX30を持って安曇野に住むイラストレーターのマリエさんのもとに出発。その撮影旅行に同行できたので、X30のミニインプレッションと山本さんの作品を紹介したいと思います。

X30を持って安曇野の撮影に出かけた写真家の山本まりこさん。リンゴ畑を撮影しました。このときの写真は9月20日から東京ミッドタウン メルセデス meにて開催される写真展で見ることができます。

見やすくなったEVFと表示画面

まずはじめに、X30を持った第一印象を山本まりこさんにお聞きしました。

「ファインダーを覗いたとき、とてもきれいでビックリしました。ファインダーがきれいだと撮影するテンションも上がるのでうれしいですね」

X30のファインダーは、236万ドットの有機ELディスプレイと新設計のファインダーレンズにより、0.65倍の大型表示倍率とクリアで見やすい画面を実現したもの。撮影シーンに応じてファインダーの明るさを自動制御して視認性も向上しました。

また、フィルムシミュレーションやダイナミックレンジ拡張などの撮影効果の反映を「ON/OFF」で切り替えることも可能です。

また、再生表示画面も従来のXシリーズに比べ詳細情報表示の項目が増え(X-T1以外はフィルムシミュレーションとダイナミックレンジ情報しか表示されず、ハイライトトーンやカラー、シャープネスなどの項目を見ることができませんでした)、一画面で多くの情報を見ることができるようになりました。カメラ女子はJPEGで色を作り込むので、細かい設定を見られることはすごくうれしいポイントです。個人的には、ホワイトバランスシフトの情報も見られるようになったらいいなと思いました。

クラシカルなデザインがかわいいX30。レンズカバーは、取り外すタイプのキャップ式です。
X20の光学ファインダーから0.39型約236万ドット(視野率: 約100%)のEVFに変更しました。液晶モニターは、約46万ドット2.8型から約92万ドット3型と、大きくきれいになりチルト式が採用されました。
レンズの根元についているコントロールリングを回すと電源が入ります。露出補正値は±2EVから±3EVに拡張されました。露出補正幅が大きくなったことはカメラ女子にはうれしいポイントです。
新たに採用された大容量バッテリー。新バッテリーと低消費電力設計により、1回の充電で従来比約1.7倍の470枚が可能になりました。カメラ本体をモバイルバッテリーなどにつないで充電できます。
三脚ネジは左下にあります。三脚に付けたままでもバッテリーやメディア交換ができるのも、うれしいポイントです。
ストラップの取り付け部のサイズは8mm。通常の一眼レフで使用するストラップを取り付けることができます。お気に入りのストラップが使えるのもいいですね。
液晶モニターの表示。これは横位置のとき。
カメラを縦位置に構えると、ファインダー内の表示を自動で切り替えることもできるようになりました。
再生画像。一画面で多くの項目の設定が確認できます。

こっくりと色が乗る「クラッシッククローム」

「富士フイルムの色が好き」という人の話をよく聞きます。写真フィルムの画質設計のノウハウを元に作られたカラーモード「フィルムシミュレーション」に、新たに深みのある色合いとやわらかな陰影が特徴の「クラッシッククローム」が追加されました。

ゆるくてかわいい色を好むカメラ女子には、やらからい色の「ASTIA(アステア)/ソフト」や「PRO Neg. Hi(プロネガ ハイ)」が人気でしたが、新たに追加された「クラッシッククローム」はこっくりした色味を好むカメラ女子に支持されそうな色に仕上がっています。

山本まりこさんにX30の色についてお聞きしました。

「富士フイルムのカメラはかわいい色が作れるのでとても好きです。今回、X30で撮影した安曇野では、フィルムシミュレーションをアステア(ソフト)かプロネガ スタンダードにして、シャドウトーンとハイライトトーンは下げて、カラー(彩度)は被写体に応じて設定しました」

フィルムシミュレーション
フィルムシミュレーション撮り比べ
(撮影:加藤マキ子)
PROVIA/スタンダード
Velvia/ビビッド
ASTIA/ソフト
クラシッククローム
PRO Neg. Hi
PRO Neg. Std
モノクロ
モノクロ+Yeフィルター
モノクロ+Rフィルター
モノクロ+Gフィルター
セピア

「ダイナミックレンジは400%だとやわらかくなりすぎてしまうので、200%を選んでいます。やわらかく、だけど見せたい部分はシャープに。プラス補正をすると色が飛びやすくなるので、エアリーな写真にダイナミックレンジ拡張は強い味方です」

ダイナミックレンジ
ダイナミックレンジ撮り比べ
(撮影:加藤マキ子)
100%
200%
400%

気軽に旅を楽しみたい人にピッタリのカメラ

最後に、山本まりこさんのX30の感想と作品を紹介します。

「X30に搭載されている機能は普段使っているX-T1と変わりがなく、X-T1が手のひらサイズになった感じですね。X-T1を持って旅に出るときは、交換レンズを何本も持って行くのですが、X30なら28〜112mm相当の焦点距離で開放F2〜2.8の明るいレンズと、約1cmまで寄れるマクロ機能が付いているので、これ1台で旅を楽しめます」

「今までこのクラスのカメラを触ったことがなかったのですが、こういう選択肢もあるのか! と発見がありました。毎日持ち歩くにも、気軽な旅に持って行くにもピッタリなカメラですね」

山本まりこさんが撮影したX30の安曇野の作品は、9月20日から東京ミッドタウン メルセデス meで展示されています。

また、9月20日は、山本さんの新刊『まりこ先生が教える イチバンやさしい写真の教室』の発売を記念して、同会場でX-A1で撮影したフィンランドの写真とX30で撮影した安曇野の写真のトークショー、六本木「メルセデス・ベンツ コネクション」で女性限定 FUJIFILM X-T1 体験セミナーが開催されます。トークショーとセミナーはまだ募集中とのこと。

イベントの詳細とお申し込みはコチラから。

エアリーな世界を楽しみたい人は、足を運んでみてはいかがでしょうか。

今週末行なわれるトークショーのため、メルセデス・ベンツ GLAに乗って安曇野へ。GLAは運転がそれほど得意でない山本さんでも、安心して運転できたそうです。
『まりこ先生が教える イチバンやさしい写真の教室』のイラストを担当したマリエさんとついにご対面。マリエさんは、想像以上に素敵な方でした。
森の中にあるかわいいカフェ「七カ月」でお昼ごはんを食べました。ごはんを食べる前に、撮影タイムがはじまります。

マリエさんに会いに安曇野へ。この時はスタッフに運転してもらい、助手席から撮影しました。シャッター速度優AE 絞り:F9 シャッター速度:1/30秒 露出補正:+2.7EV ISO200 焦点距離:8.9mm PRO Neg. Sta ホワイトバランス:オート(R-5、B+5) Dレンジ:200% 撮影:山本まりこ
北アルプス牧場で買ったお花でピンクのかわいい前ボケを作りました。マニュアル 絞り:F2 シャッター速度:1/500秒 ISO200 焦点距離:7.1mm ASTIA ホワイトバランス:オート(R-7、B+7) Dレンジ:200% 撮影:山本まりこ
安曇野の山々と田んぼ。山に雲がかかり、稜線はやわらかいグラデーション。マニュアル 絞り:F2.5 シャッター速度:1/100秒 ISO800 焦点距離:19.5mm ASTIA ホワイトバランス:オート(R-5、B+5) Dレンジ:200% 撮影:山本まりこ
お昼ごはんを食べた「七カ月」のステンドグラス。マニュアル 絞り:F2.2 シャッター速度:1/50秒 ISO640 焦点距離:11.3mm ASTIA ホワイトバランス:オート(R-4、B+2) Dレンジ:200% 撮影:山本まりこ
果物の直売所のおじさんとお話をしていたら、リンゴ農園を撮らせていただくことができました。マニュアル 絞り:F2.5 シャッター速度:1/1000秒 ISO800 焦点距離:7.9mm ASTIA ホワイトバランス:オート(R-8、B+8) Dレンジ:100% 撮影:山本まりこ
マリエさんのアトリエ「安曇野SKY版画工房」のギャラリーの前で。マニュアル 絞り:F2 シャッター速度:1/50秒 ISO800 焦点距離:7.1mm ASTIA ホワイトバランス:オート(B-2) Dレンジ:200% 撮影:山本まりこ
「七カ月」の焼きカレー。熱々をいただきます。マニュアル 絞り:F2.2 シャッター速度:1/80秒 ISO800 焦点距離:8.3mm ASTIA ホワイトバランス:オート(R-2) Dレンジ:200% 撮影:山本まりこ
(2014/9/19)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!